ジョルジョ・アガンベン
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ジョルジョ・アガンベン(Giorgio Agamben, 1942年 - )はイタリアの哲学者、美学者。
国際哲学院やヴェローナ大学を経て、現在はヴェネツィア建築大学教授(哲学・美学)。パゾリーニ監督の『奇跡の丘』のフィリポ役を演じた過去もある。
マルティン・ハイデガーとヴァルター・ベンヤミンの強い影響下に思想を形成。美学と政治を自在に往還する視点から、「言葉を話す動物」としての人間について思索をおこなっている。
最近では、フーコーの生政治とカール・シュミットの例外状態をもとに、ローマ時代のホモ・サケルを現代の政治と重ね合わせて読み解く『ホモ・サケル』によって注目を浴びた。フーコーは「近代が生政治を生み出した」と言ったが、アガンベンはこれに反対し、政治はその起源から生政治であったとする。アガンベンによれば、ローマ時代の特異な囚人「ホモ・サケル」とは、bios(ビオス、社会的・政治的生)を奪われ、zoe(ゾーエー、生物的な生)しか持たない存在であるという。アガンベンはそのような生を、ベンヤミンを受けて剥き出しの生と呼び、生政治はこの「剥き出しの生」を標的にしていると説いている。
しかし、フーコーのこのような読解自体が恣意的なものではないかという疑念がさまざまな識者から寄せられている。実際、2006年に出版された日本の雑誌『現代思想』の初のアガンベン特集では、寄稿された論文のほとんどがアガンベンを批判する論旨になっており、人々を驚かせた。
[編集] 著作
- 『中味のない人間』 L'uomo senza contenuto (1970) (人文書院)
- 『スタンツェ』 Stanze (1977) (ありな書房)
- 『幼年期と歴史』 Infanzia e storia (1978)
- 『ことばと死』 Il linguaggio e la morte (1982)
- 『散文の理念』 Idea della prosa (1985)
- 『到来する共同体』 La comunita che viene (1990)
- 『バートルビー』 Bartleby (1993) (月曜社)
- 『目的なき手段』 Mezzi senza fine (1995) (『人権の彼方に』以文社)
- 『ホモ・サケル』 Homo Sacer (1995) (以文社)
- 『イタリア的カテゴリー』 Categorie italiane (1996)
- 『アウシュヴィッツの残りのもの』 Quel che resta di Auschwitz (1998) (月曜社)
- 『残りの時』 Il tempo cheresta. Un commento alla lettera ai Romani (2000) (岩波書店)
- 『開かれ』 L'aperto (2002) (平凡社)
- 『例外状態』 Stato dieccezione (2003)
- 『涜神』 Profanazioni (2005) (月曜社)
- 『思考の潜勢力』 La Potenza del pensiero (2005)
[編集] 関連項目
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