タイランド湾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タイランド湾(Gulf of Thailand、อ่าวไทย)とは、太平洋南シナ海にある湾の一つで、タイ王国、カンボジア、ベトナム、マレーシアがその海岸線を有する。ベトナムのバイブン岬から湾の最北地点チャオプラヤー河河口を結び、マレーシアのコタバルまでがタイランド湾と定められていて、その面積は大雑把に320,000km²にも及ぶと言われる。
湾内の海の深さは非常に浅く、平均は45メートルで、もっとも深いところでも80メートルである。この浅さは湾内の水流を緩やかにし、さらに、チャオプラヤー河、メコン河、をはじめとする大河川からの淡水の流入によって、塩分濃度が3.05-3.25%とかなり低くなっているのが特徴である。ただし、南シナ海から流れてくる塩水により、濃度が濃くなっているところがあり、50メートル以下の場所では3.4%となっている場合もある。
氷河期にはタイランド湾は存在しなかったと言われるが、その後、海面の上昇によって、湾が形成されたと考えられる。
南洋であるため湾内の水温は高く、珊瑚礁が発生しやすいと言われている。珊瑚礁のあるきれいな湾内では、サムイ島(コサムイ、Koh Samui)やスラーターニー県海岸部等でのマリンスポーツが発達している。
なお、タイランド湾のサッタヒープからチャアムまでを特にバンコク湾と言うことがある。