テトリス ザ・グランドマスター
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『テトリス ザ・グランドマスター』 (TETRIS THE GRAND MASTER) は、アリカ制作、カプコン販売のビデオゲーム。通称は「The Grand Master」の頭文字を取った『TGM』(てぃーじーえむ)。1998年にアーケードゲームとして登場した。
基本的な部分は1988年に発売されたセガによるアーケード版『テトリス』をベースとしており、ゲームプレイ自体は従来のテトリスから大きく変わっていないが、従来のテトリスの最高速を超えた独自の最高速「20G」が存在するという点、また「グランドマスターの称号を獲得する」という明確な最終目的が存在しているという点などにおいてそれまでのテトリスと大きく異なっていた。
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[編集] 概要
ブロックをひたすら消しつづけ、レベルと呼ばれる数値を999にまで上げるのが目的。レベルが上がるにつれて、ブロックピースの落下速度が速くなり難易度が上がる。
レベルはブロックピースが上から出現する瞬間に1つ上がる。また、ラインを揃えてブロックを消すと、そのライン数がレベルに加算される。ただし、レベルの下二桁が99 (99, 199, 299, ...)、および 998 になると、ブロックピースが上から出現してもレベルが増えず、ラインを揃えるまで上がらなくなる。
レベルが999になるとエンディングが始まり (後記するグレードが "GM" の場合は、ゲームが続いているまま、背景にスタッフロールが流れる)、エンディングが終了すると強制的にゲームオーバーとなる。他の多くのテトリスとは異なり、無限には続かない。
なお、このゲームではグレードとタイムを競う。得点は画面には表示されるものの、他の多くのテトリスとは異なりランキングには記録されない。
[編集] ゲームシステム
このゲームには、従来のテトリスにはなかった独自のシステムが多く存在する。
[編集] 20G
レベルが500に達すると、20Gと呼ばれる状態になる。20Gでは、落下速度が実質的に無限大となり、ブロックが出現したときには既に地面に接地している状態になる。詳しくはテトリス#追加ルールを参照されたい。
ちなみに20Gという名称は、フィールドの高さがブロック20個分であり、その高さを一瞬で落ちることから名付けられた。
[編集] GRS(段位システム)
このゲームには GRS(Grade Recognition System) と呼ばれる段位システムが搭載されている。グレード(GRADE) (いわゆる「段位」) と呼ばれる表示があり、得点が一定量に達すると昇格する。
グレードは "9" (いわゆる「九級」にあたる) から始まり、昇格すると "8", "7"…と数字が下がっていく。そして1の状態で昇格すると "S1" (いわゆる「初段」にあたる) となる。"S1" から昇格すると "S2", "S3"…と数字が上がっていく。得点で得られる最高グレードは "S9" で、真の最高グレードである "GM" (グランドマスター) の称号を獲得するには、グレードが "S9" である事と「他の条件」が必要。
GMになる「他の条件」は発売から数年経った今も公開されていない。よく「300でS1、500でS4、クリア時S9で13分30秒を切る事」といわれるが、この条件を満たしてもGMへ昇格しないことが多々あり、また三原氏が多くを明かさないために、稼動から5年以上が経過したのにも関わらず、明確な条件は解明されていない。
[編集] IRS(先行回転システム)
Initial Rotation System(IRS) と呼ばれるこのシステムは、ブロックピースが画面に出現する瞬間に回転ボタンが押し続けていることで、あらかじめ回転されている状態にすることができるものである。一見すると大きな意味のないように思えるシステムだが、落下速度が20Gに近づくにつれて瞬間的な操作を求められるため、非常に重要な役割を担っているシステムである。
[編集] TLS(落下位置表示システム)
Temporary Landing System(TLS) というシステムが搭載されており、レベルが0~99の間、ブロックピースをそのまま下に落としたときの位置をブロックの影で知らせてくれる。裏コマンドにより常時出現させることも可能だが、LV400を超えてくるとほとんど意味が無くなり、500を境に消滅する。
[編集] ブロックピースの出現補正
従来のテトリスでは、出現するブロックピースの種類は完全にランダムであり、運が悪いと、乱数の偏りのために同じ種類のものが何個も落ちてくることがたびたびあった。このゲームでは、同じ種類のピースに偏らないように補正がかけられているため、運にあまり左右されないプレイが可能である。さらに、ゲーム開始から最初に落ちてくるブロックピースが「Z字形」「S字形」「四角形」にならないようになっている。特にこの補正はL字/逆L字とZ字/S字の間で顕著であり、出現ブロックに間があったとしても、どちらかが連続で落ちてくることはほとんど無い。これを利用して「待ちがL字/逆L字の2択にしなければならない時」に、前回出たブロックを記憶しておく事により、確率の高い待ちにすることが可能である。
[編集] シリーズ
- 2001年 『テトリス ジ・アブソリュート ザ・グランドマスター2』 アリカ/彩京
- 通称『TA』。レバーを上に倒すことにより、一瞬でブロックピースを下まで落とすことができるようになった。さらに、落下速度が20Gになってからも、ブロックが接地されてから固定されるまでの猶予や、次のブロックが出現するまでの間隔が短くなるようになり、難易度が大幅に上がった(その分やり応えのあるプレイが可能であり、特に上級者の華麗なプレイは必見である)。初心者向けの「NORMAL」モードと、前作と同じくレベル999を目指す「MASTER」モード、横に長いフィールドを2人同時で協力してプレイする「DOUBLES」モードがを備える。前作の隠しモードであったREVERSE、UKI、MONOCHROは消滅した。またプレイの目安となるメダルが登場する(種類はSK…テトリスの回数。ST…セクション間の速度。CO…2ライン以上の連続消し。RO…ブロックの回転数。RE…死亡寸前からの復活。AC…全消し。の6種で、各メダル金銀銅の3種)。今作でもS9以上の段位の出現条件は闇の中である以上に、次レベルまで○○○点という表示すら消えた為、全てのランク条件が闇の中へと消えている。当初は「m」が最上位だと思われていたが、三原氏によって否定された。その後「Gm」が登場するものの、これもGmランクの中では最下級という話である。余談ではあるが雑誌アルカディアのハイスコアランキングでは、余りにもm以上が出ないため、ステージ数orランク重視のアルカディアとしては珍しく「m以上が出たとしてもm扱いにする」というルールになっている。
- 2001年 『テトリス ジ・アブソリュート ザ・グランドマスター2 PLUS』 アリカ/彩京
- 通称『TAP』。前バージョンであるTAが予想以上に売れて好評だったため、無償でこのバージョンに交換された。時々フィールドの下から灰色のブロックがせり上がってくる「TGM+」モード、MASTERモードの最高速より、さらに速度が上がる上級者向けの「T.A.DEATH」モードが新たに追加された。また、「DOUBLES」モードの必要クレジットが2から1へ下げられ、出し方も簡略化された。今回も500で終わりと思われていたT.A.DEATHモードで500以上がある、MASTERモードでmの上があるなど、謎に溢れたランクシステムになっている。
- 2005年3月 『テトリス ザ・グランドマスター3 -Terror Instinct-』 アリカ/タイトー
- 通称『TI』。世界基準で規定されている「ホールド」の要素が追加され、NEXTブロックが3つまで表示されるようになった。また、従来作とほぼ同じの「クラシックルール」と、世界基準に近い「ワールドルール」が選択でき、それぞれでブロックの色や回転法則、操作性が異なる。インフィニティは流石にアーケードゲームとして成立しないため、回転8回+移動10回に制限されている。初心者向け「EASY」モード、ステージクリア型「SAKURA」モード、従来通りレベル999を目指す「MASTER」モード、上級者向け「SHIRASE」モードがある。SHIRASEのランク法則は大体解明されたが、現在確認されている「S13」の上がある、MASTERも「MV」の上があるなどの噂が飛び交い、謎だらけなのは変わりない。MASTERモードの増速タイミングがプレー内容によって異なる為、一部のユーザーからは評判が悪い。
- 2005年12月 『テトリス ザ・グランドマスターエース』 アリカ/AQインタラクティブ (Xbox360)
- 通称『TGM-ACE』。シリーズ初のコンシューマ版。従来作よりも「ワールドルール」の色が濃くなり、ブロックの色や操作性、レベルアップの法則などが従来と異なっており「世界基準」により近いものに変わっている。ブロックの回転法則に限り、クラシックルールに変更可能(ただし、TIのように完全なクラシックルールにはできないため不評である)。Xbox Live を使ったオンライン対戦などが可能になっている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- アリカ - 「ムービーダウンロード」のページから超上級プレイヤーのプレイムービーが見られる
- テトリス ザ・グランドマスター3 -Terror Instinct-
- テトリス ザ・グランドマスターエース