デジタル・データ・ストレージ
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フォーマット | 制定年 | テープ長 (m) | 記録容量 (GB) | 速度 (MB/s) |
---|---|---|---|---|
DDS-1 | 1989年 | 60/90 | 1.3/2.0 | 0.6 |
DDS-2 | 1993年 | 120 | 4.0 | 0.6 |
DDS-3 | 1996年 | 125 | 12.0 | 1.1 |
DDS-4 | 1999年 | 150 | 20.0 | 2.4 |
DAT 72 | 2003年 | 170 | 36.0 | 3.5 |
デジタル・データ・ストレージ(Digital Data Storage, DDS)は、デジタル・オーディオ・テープ(DAT)技術を利用した大容量補助記憶装置。1989年にソニーとヒューレット・パッカードがDATテープを使用してデータ保存を行う規格を定義した。当初策定されたDDS規格に準拠したテープ・カートリッジはDAT、DDS双方のドライブで使用することができる。しかしながら一部の機種を除き、DDSドライブはDATカートリッジに記録した音声信号を検索することができない。
DDSは3.8mm幅のテープを使用する。当初の規格ではテープ長は60m、90mが使用された。後の規格では拡張が行われている。DDSドライブはVTRデッキやDATデッキと同じく回転式(ヘリカルスキャン)ヘッドを使用してデータを記録する。回転式ヘッドには二つの記録ヘッドと二つの読み取りヘッドがあり、読み取りヘッドはそれぞれでデータを確認する。エラーが存在した場合記録ヘッドで訂正を行う。
DDSドライブカートリッジは2,000回のパスあるいは100回のフルバックアップで廃棄する必要がある。ドライブ本体は正常動作のため定期的な清掃が必要であり、耐用年数はおよそ10年となる。
目次 |
[編集] DDS-1
60m長のテープに非圧縮1.3GB、圧縮時2.6GB、90m長テープに非圧縮2GB、圧縮時4GBの記録が行える。
[編集] DDS-2
120m長テープに非圧縮4GB、圧縮時8GBの記録が行える。
[編集] DDS-3
125m長テープに非圧縮12GB、圧縮時24GBの記録が行える。DDS-3ではPartial Response Maximum Likelihood, PRMLが使用される。PRMLは高密度記録で使用される信号処理方式で、微弱な信号を正確に処理することができる。
[編集] DDS-4
150m長テープに非圧縮20GB、圧縮時40GBの記録が行える。
[編集] DAT 72
170m長テープに非圧縮36GB、圧縮時72GBの記録が行える。DAT72はヒューレット・パッカードとサータンスによって開発された。DDS-3およびDDS-4と互換性を持つ。データ転送速度は約7MB/sが期待された。
[編集] DAT 160
次世代の上位規格としてDAT160が2005年に発表される予定であった。
[編集] その他
- 大半のDDSドライブはDATの音声データを取り扱うことができないが、アーカイヴ(Archive)/コナー(en:Conner Peripherals)(後にシーゲートが買収)のDDS-2ドライブやソニーのDDS-3ドライブではファームウェアを書き換えることでDATで記録した音声データを読み取ることができるようになるため、中古市場でも人気がある。