ニホンカワウソ
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ニホンカワウソ |
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絶滅危惧IA類(環境省レッドリスト) |
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分類 | ||||||||||||||||||||
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Lutra lutra whiteleyi |
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ニホンカワウソ |
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英名 |
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Japanese river otter |
ニホンカワウソ(日本獺)は、日本に生息していたカワウソの一種である。全国に広く生息していたが、1979年以来目撃例がなく、すでに絶滅している可能性が高い。1965年より国の特別天然記念物に指定されており、愛媛県の県の獣でもある。
体長64.5~82.0cm、体重約8kg、肉食性で魚、テナガエビ、カニなどを食べていた。河川の中下流域、砂浜や磯などの沿岸部に生息していた。1頭の行動域は十数kmにもおよび、この中に「泊まり場」と呼ばれる生活の拠点を3~4か所もっていた。
ニホンカワウソは、ユーラシアカワウソ Lutra lutra の一亜種として分類されている。Lutra nipponという独立した種として取り扱う考えもあるが、生息が確認されていないだけに、分類に関する再評価は進んでいないのが現状である。 日本本土亜種 Lutra lutra nippon と北海道亜種 Lutra lutra whileleyi に分ける考え方もあり、環境省レッドリストでは、それぞれを絶滅危惧 I A類 (CR) としている。 かつては「絶滅」とされていたが、最終目撃例からまだ50年が経過していないことから、リスト改訂時に「絶滅危惧」に改められた経緯がある。
かつては北海道から九州まで、日本中に広く生息していた。人間にとって身近な存在であり、河童伝説の原型になったと考えられているほか、カワウソそのものも伝承に登場する。また、アイヌ語では「エサマン」と呼ばれ、アイヌの伝承にもしばしば登場している。
ニホンカワウソの毛皮は保温力に優れているため、この毛皮を求めて大正から昭和初期にかけて乱獲が進み、生息数が激減した。このため、1928年に捕獲禁止となっている。第二次世界大戦後、香川県から愛媛県にかけての沿岸部、および高知県南西部の沿岸部にわずかに生息域を残すのみとなったが、農薬や排水による水質悪化、高度経済成長期における周辺地域の開発、河川の護岸工事等により、生息数の減少に更なる拍車がかかった。さらに、漁具による溺死や生簀の食害を防ぐための殺害も、大きな打撃となったと見られる。
最も新しい目撃例は、1979年、高知県須崎市の新荘川におけるもので、それ以後生息の確認は得られていない。1993年には同じ新荘川の支流でフンと食べ残しの痕跡の報告例があるが、他の動物によるものである可能性もある。