バリスタ
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バリスタ
- ballista(ラテン語)古代から中世にかけて欧州で用いられた巨大な弩砲の一種。てこを用いて弦を引き絞り、石や極太の矢を打ち出した。小型のものにスコルピウス(スコーピオン)がある。カタパルトも参照。
- barista(イタリア語) エスプレッソを出す店(bar;バール)で働く人。
- varistor(英語)電子部品の一種。本稿で詳述。
バリスタ(varistor)は2つの電極をもつ電子部品で、両端子間の電圧が低い場合には電気抵抗が高いが、ある程度以上に電圧が高くなると急激に電気抵抗が低くなる性質を持つ。 他の電子部品を高電圧から保護するためのバイパスとして用いられる。 名称はVariable Resistorに由来し、非直線性抵抗素子の意味である。
バリスタの両端子間の電圧Vと流れる電流Iの関係をで近似した場合、通常の抵抗体(オーム抵抗)ならばα=1であるが、バリスタではα>1となる。このαを非直線性係数と呼ぶ。
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[編集] バリスタの定格値
[編集] バリスタ電圧
バリスタ電圧は、バリスタの動作する電圧の目安となる数値である。 ある基準電流が流れるときバリスタの両端子間に発生する電圧で定義する。 一般には基準電流を1mAとし、記号V1mAで表す。
[編集] サージ耐量、エネルギー耐量
バリスタが耐えることのできるサージの大きさを表す数値である。 バリスタに対して決まった波形のパルス電圧を印加したとき、バリスタが破壊しない限界のピーク電流をサージ耐量と呼ぶ。また、その時のパルスの持つエネルギーの大きさをエネルギー耐量と呼ぶ。
[編集] 構造
バリスタは非直線性抵抗特性を持つ半導体セラミックスを2枚の電極ではさんだ構造を持つ。 セラミックコンデンサに類似した構造であり、セラミックコンデンサの誘電体セラミックスを半導体セラミックスで置き換えたものと言ってよい。 形態もセラミックコンデンサと同様にディスク型および積層チップ型がある。
[編集] 素材
[編集] 酸化亜鉛
酸化亜鉛に数種類の添加物を加えたセラミックスは、非直線性係数およびエネルギー耐量が大きいことから、バリスタの素材として最も一般的に用いられる。 添加物としてはビスマスまたはプラセオジムが非直線性抵抗特性を発生させるために不可欠である。さらに特性を向上させるためにコバルト、マンガン、クロム、アンチモン等が添加される。
[編集] チタン酸ストロンチウム
チタン酸ストロンチウムは誘電率が高いため、コンデンサ兼用バリスタとして用いられる。
[編集] 炭化珪素
炭化珪素はバリスタ素材として最も初期に実用化された素材である。現在では絶縁破壊電圧が高い性質を利用して高電圧用バリスタとしてのみ用いられる。
[編集] 原理
非直線性抵抗特性の発生原理はいまだ完全には解明されていないが、多結晶体の結晶粒界に形成されるダブルショットキー障壁によるものと推定されている。
[編集] 用途
バリスタは高電圧に弱い集積回路等の部品を突発的な高電圧(サージ)から保護するためのバイパスとして用いられる。 代表的な用途として次のようなものがある。