ヘアーエクステンション
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エクステンション(Extension)は、化学繊維や人毛で出来た毛束であり付け毛・部分かつらの一種である。
「エクステ」と略することが多く、自毛に接続して装着する。人毛のほうがやや高価であるが素人では化学繊維と人毛の見分けはつけにくい。
自在に長さを変化させたり、パーマや編み込み、髪の色や髪型を変えるなどが自在にできるため、2000年頃から10代~20代前半の女性の間で爆発的に普及した。
エクステンションの具体的な使用方法は、ボンドや金属チップ、特殊な熱収縮チューブや糸ゴムなどを使って、本来生えている髪の毛に取り付けたり、編み込んだりする。
一度装着すると、装着方法にもよるが1~3ヶ月程度もち、シャンプーやヘアメイクをしても落ちない。
[編集] エクステ装着時の注意
エクステンションは個人ではやや装着が難しいこともあり、よほど慣れた使用者でなければ販売店で店員に装着してもらうことがほとんどである。
エクステ装着は髪に直接干渉することから美容師法あるいは理容師法にもとづく許可が必要である。(厚生労働省通知)
※エクステ装着をまったく行わず、もっぱら販売だけを行う店舗は許可不要
しかし、昨今のエクステブームに乗り、それらの許可を取得していない「もぐりエクステ店」というべき店舗が都市部を中心に多数存在する。
このような店舗は、消毒設備がなく(なかには水道すらない店舗もある!?)器具に細菌が大量に付着していたり、店員が無資格者であることが多い。
確信犯的に許可を取得していない脱法者であるので、店員はおしゃれで親しみやすい女性ばかりでも、いざ問題がおこると顧客のクレームに対応しなかったり、だからといって強く対応を求めると暴力団が出てくるなど、問題の多い店舗がほとんどである。
言うまでもなく、理容師・美容師は専門教育機関で技術と衛生の教育を受け、国家試験に合格した資格者であり、理容室・美容室は保健所によって消毒設備などの確認を受けているので、基本的な安全性が担保されている。
また、2006年7月より日本JOYエクステンション協会[1]によりエクステンション検定[2]が実施され未熟者の取り付けの排除や粗悪な商品の判別の仕方など学べる美容師・理容師の技術を生かす検定が実施された。 さらに日本JOYエクステンション協会[3]では日本初の会員向けではあるがヘアエクステンション用の損害保険[4]が2006年7月に発表された。
大切な自分の髪と頭皮である。エクステンションの装着は、消毒設備が完備され、理・美容師のいる理・美容室で行うことが、賢い消費者としての選択であろう。
なお、利用しようとしているエクステ店が美容室・理容室の許可の取得を得ているかどうかは、所轄の保健所に問い合わせれば簡単に分かる。
エクステ装着料金を取っているのに、無許可店であることが分かったら、迷わず警察に通報し、対応を求めるべきであろう。
[編集] もしもエクステ装着で怪我をさせられたら…
価格の安さにつられ(無許可店は設備や資格者に投資をしていないので、価格を安くできる)、このような店舗で、頭皮や髪を乱暴に扱われ、怪我や皮膚炎を起こしたり、薬液が目に入って視力が低下したなどの被害が、全国各地の消費生活センターなどに報告されている。
もしも、エクステンション装着の際、髪や皮膚に被害を負ったら、ただちに皮膚科の診断書を取り、最寄りの消費生活センターに相談するか、場合によっては警察に業務上過失傷害罪(刑法211条)として被害届けを出すことをおすすめする。
なお、保健所は理容室・美容室の許可を担当する役所であり、エクステンション装着による被害自体に対しては無力であるので、注意が必要である。
エクステンションを扱う理容室・美容室・専門店の選び方としてはきちっとした免許の取得者が施術をしてるか、損害保険[5]に入っているかなど先に調べておく必要があると考えられる。