ヘカテ
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ペルセスとアステリアの娘でティタン神族の血族に属する。呪術と子育てを司るとされる。小アジアの土着の信仰から紀元前5世紀から6世紀頃に入ってきた女神ではないかと推測される。
ヘシオドスの神統記では、ゼウスによって海、地上、天界で自由に活動できる権能を与えられているとされるが、なぜそのような力を得たのか、全く語られていない。ホメロスにも出てこない。 アルゴナウタイの物語では、コルキス(現在のグルジア西部)の守護神とされている。それ以外の神話にはほとんど出てこない謎の女神でもある。
後には、三つの顔を持ち、松明を持って地獄の猛犬を連れ、夜の十字路や三叉路などなどに現われる妖怪のような存在と見なされるようになった。 特にアッティカでは、三つ辻に3面3体の像が立てられ、毎月末に卵、犬の肉、魚などからなる「ヘカテの御馳走」が供えられ、貧民の食とする習慣があった。
夜と魔術の女神としてアルテミスやセレネなどと同一視され、 また妖怪変化の女王として黒魔術の本尊ともされ、中世に至るまで密かに崇拝された。
ヨーロッパではオクトリカブトがヘカテを司る花とされ、庭に埋めてはならないとされる。その花言葉は「人間嫌い」。
[編集] ヘカテが登場する作品
- アルゴ探検隊の大冒険(1963年、米映画)
- 灼眼のシャナ