ベアハッグ
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ベアハッグ(Bear Hug)は絞め技に分類される技で、アマチュアレスリングの技、およびプロレス技の一種。
近代プロレス創成期の選手ジョージ・ハッケンシュミットが開発したと言われる。ハッケンシュミットは帝政ロシア期のエストニア出身であるが、その故郷では挨拶の際に非常に強く抱き合う習慣があり、この事からハッケンシュミットが得意とした絞め技として「熊の抱擁」という呼称が付いたと言われる。なお、正式な日本語表記は「ベア・ハッグ」となるはずだが、一般に点を打たずに表記される。
[編集] 解説
立位対面の状態より、両腕で相手の腰部分を中心とした胴回りを抱き込み、絞り込むように締め付ける事で相手の背骨から肋骨にかけてを圧迫し、ダメージを与えるもの。その際に相手を持ち上げる事で、相手体重が絞める力の反作用として加わり、より強いダメージとなる。ただし相手との体格差によってはこれが困難な場合もある。
元来体が頑丈であるプロレスラーに締め付けだけでダメージを与えるには、当然腕全体の力が非常に強い必要があり、また相手をリフティングする場合に足腰の安定も重要となる。そのためベアハッグの使い手としては、筋肉質な豪腕タイプのプロレスラーで、特に怪力が売りになっている選手が理想的と考えられる。
なお、柔道や相撲で言うサバ折りも腰を抱き込む極めて似た形を取り、同一の技として混同されやすい。しかしベアハッグが相手を持ち上げ、かつ骨格を通して体を圧迫するダメージであるのに対し、柔道や相撲のサバ折りは力を下方にかけ、足腰を落とし込むのが正しい。よってこの2つの技は実際には異なる。
[編集] 有名な使い手
まず、開発者と言われるジョージ・ハッケンシュミットの名前が挙げられる。ハッケンシュミットはボディビルダーでもあったため、その筋肉の塊のような肉体に締め上げられると、逃げることは出来ないと言われた。 後の使い手もやはり怪力として知られたブルーノ・サンマルチノやボボ・ブラジルらが居る。また巨漢のアンドレ・ザ・ジャイアントも用いている。
[編集] 派生技
シンプルな技であるが、相手と正対し、両腕を使用する必要があるため、ベアハッグ自体の変形バリエーションは少ない。特定の呼称は無いものの、ベアハッグの変形として、腰を支点として相手を完全に宙に浮かせる事でダメージを与えるものが存在する。ただし通常のベアハッグの方が威力が高いという指摘もある。
ベアハッグの場合は相手を腰で抱えこむため、そこから投げ技への移行が考えられる。投げ技に繋げたものとして力皇猛のベアハッグDDTがある。
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