ホモソーシャル
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ホモソーシャル(homosocial)とは、ホモフォビアとミソジニーを基本的な特徴とする男性同士の強い連帯関係。それ自体同性愛的なものでありながら、男性同性愛者を排除し、異性愛者同士で閉鎖的な関係を築く。
[編集] 概要
ホモソーシャルとは体育会系などで顕著に見られる男性同士の緊密な絆で、ミソジニー(女性嫌悪)あるいはホモフォビア(同性愛嫌悪)が伴う。ホモソーシャルな関係によって、強制的に異性を愛すること、そして女性の家事労働に頼ることが前提として成り立っている家父長制が構成される。
ホモソーシャルの概念を提唱したイギリス文学研究者のイヴ・セジウィックは「二人の男が同じ一人の女を愛しているとき、いつもその二人の男は、自分たちの欲望の対象だと思っている当の女のことを気にかける以上に、はるかに互いが互いを気にかけている」ことを指摘した。
研究者の中には、この概念を女性同士の関係にも適用し、「女性のホモソーシャル」を論じる者もいるが、(東園子「女同士の絆の認識論 —「女性のホモソーシャリティ」概念の可能性」大阪大学大学院人間科学研究科『年報人間科学』27号)一般的ではない。
[編集] 関連書籍
- イヴ・K.セジウィック『男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望』
- ジョン・ワインガーズ『女性はなぜ司祭になれないのか カトリック教会における女性の人権』