マグナム (実包)
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マグナム(Magnum)とは、同一口径の平均的な実包と比較して装薬量を増やした強装弾、およびそれらを使用する銃器の名称ならびに商標である。酒類の増量ボトルを指す「マグナム」を語源としており、一般にはケース(薬莢)を通常より長くしたりネックの角度を強くしたりすることで薬莢の内容量を増加させて、より多くの火薬が入るようにしている。 また、.45ロング・コルトを延長した.454カスールのように、実質的にはマグナム弾だがマグナムの名を冠さないものも存在している。
ことアメリカにおいては、大口径のマグナム弾使用拳銃は大威力を好む愛好家向けの商品と見られる場合が多い。それは一面の真実ではあるが、ライフルなどの大型銃器が必要だった用途の一部を拳銃で代替することが可能となるため、実用品としての需要もかなりの比率で存在している。 具体的には、グリズリー生息地域での護身用などがわかりやすい例と言える。熊を倒せる威力と軽量さを兼ね備える必要があるが、発砲する機会は滅多に無いため、多少の扱い難さや反動の大きさは問題にならないためである。このような用途では、.44マグナム以上のリボルバーが最良の選択とされている。
ガンスミス(鉄砲鍛冶)によって開発されたものの、量産されないままに終わった種類を特に「ワイルドキャット」と呼ぶ。
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[編集] 代表的なマグナム実包
[編集] 拳銃弾
- .223WMR(.223 Winchester Magnum Rimmed)
- 「.22マグナム(.22 Magnum)」とも呼ばれる、.22口径(5.56mm)リボルバー・オートマチック両用実包のマグナム弾。高い弾頭初速を持ち、非常に貫通力に優れる。小口径ライフル用としても使用される。代表的な銃はコルト・トルーパー、ハイスタンダード・デリンジャーなど。
- .357マグナム(.357 Magnum)
- .38口径(9mm)リボルバー用実包のマグナム弾。拳銃用のマグナム弾としては最も歴史が古い。この実包が使用できるリボルバーでは従来の.38スペシャル弾がそのまま使用できるため、公用・民間用ともに広く普及した。代表的な銃はS&W M19、コルト・パイソンなど。
- .357オートマグ(.357 Automag)
- .357オートマグ用に開発された、.38口径(9mm)オートマチック用実包のマグナム弾。.44オートマグと同じ理由で普及しないままに終わった。
- 10mmマグナム(10mm Magnum)
- .41マグナム(.41 Magnum)
- .41口径(10.4mm)リボルバー用実包のマグナム弾。.44マグナムでは対人用としては威力がありすぎるため、.357マグナムとの中間的な威力を目指して作られたが、結局は実用性と威力が中途半端なため、あまり普及しなかった。代表的な銃はS&W M57、スタームルガー・ブラックホークなど。
- .41AE(.41 Action Express)
- .41口径(10.4mm)オートマチック用実包のマグナム弾。代表的な銃はジェリコ941など。
- .44マグナム(.44 Magnum)
- .44口径(11.2mm)リボルバー用実包のマグナム弾。かつては最強の拳銃弾として知られ、映画や漫画に登場する機会も多い。本来は、熊狩りをするハンターのサイドアーム用に開発されたもの。代表的な銃はS&W M29、デザートイーグルなど。
- .44オートマグ(.44 Automag)
- 44オートマグ用に開発された、.44口径(11.2mm)オートマチック用実包のマグナム弾。ライフル弾をネックの手前でカットし、.44口径の弾頭を付けたもの。威力自体は.44マグナムを上回ったが、オートマグ自体動作不良が多く、更には初期において弾薬が市販されず、自分でライフル弾から改造する必要があったことなどから、普及しないままに終わった。
- .45WinMag(.45 Winchester Magnum)
- .45口径(11.4mm)オートマチック用実包のマグナム弾。代表的な銃はLAR グリズリー・ウィンマグなど。なお、アメリカで開発されたSOCOM PISTOL用の.45口径強化弾という種類のものもある。
- .454カスール(.454 Casull)
- .45口径(11.4mm)リボルバー用実包のマグナム弾。開発年代は古いが、近年の金属材料の改良と加工技術の発展によって実用に堪えるリボルバーが発売されるまでは完全に忘れられた存在であった。威力はおおむね.44マグナムの2倍前後。代表的な銃はスタームルガー・スーパーレッドホーク、トーラス・レイジングブルなど。
- .480ルガー(.480 Ruger)
- .50AE(.50 Action Express)
- .50口径(12.7mm)オートマチック用実包のマグナム弾。2004年11月現在で、実用のオートマチック用拳銃弾としては最高の威力を持っている。代表的な銃はデザートイーグルなど。
- .500ラインバー(.500 Linebaugh)
- .50口径(12.7mm)リボルバー用実包のマグナム弾。ジョン・ラインバーによって1980年代後半に開発されたが量産されず、自分でライフル弾から改造する必要があったため普及していない。代表的な銃はスタームルガー・ビズリーカスタム。
- .500S&Wマグナム(.500 Smith&Wesson Magnum)
- .50口径(12.7mm)リボルバー用実包のマグナム弾。.454カスールを超えることを目指して開発され、.44マグナムのおよそ3倍、.454カスールの34%増という強力なパワーを持つ。2004年11月の段階では、これが最大最強の市販拳銃弾である。代表的な銃はS&W M500など。
[編集] ライフル弾
- .300ウィンマグ(.300 Winchester Magnum)
- .30口径(7.62mm)ライフル用マグナム弾。代表的な銃はワルサーWA2000など。
- .460ウェザビー・マグナム(460 Weatherby Magnum)
- .458口径(11.63mm)市販の狩猟用弾薬としては世界最強。代表的な銃はウェザビー・マークVライフルなど。
- .600ニトロ・エクスプレス(.600 Nitro Express)
- .60口径(15.24mm)の狩猟用マグナム弾。代表的な銃はフェイファーツェリザカなど。
- .700ニトロ・エクスプレス(.700 Nitro Express)
- .70口径(17.78mm).50BMGなどの対物およびマシンガンカートリッジに迫る薬装量を持つ狩猟用マグナム弾。代表的な銃はホーランド&ホーランド ロイヤル・ダブルライフルなど。
- .50口径機関銃弾(.50 Browning Machine Gun)
- .50口径(12.7mm)ライフル用実包のマグナム弾。代表的な銃はブローニングM2、バレットM82など。
[編集] 散弾
[編集] 関連項目
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