マーガレット・ミード
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マーガレット・ミード(Margaret Mead、1901年12月16日 - 1978年11月15日)は、米国ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれの文化人類学者。ルース・ベネディクトとともに20世紀米国を代表する文化人類学者と評価されている。 ベネディクトとは永く篤い友情に結ばれ、またグレゴリー・ベイトソンとは公私にわたるパートナーであった。
バーナード大学 (Barnard College) でフランツ・ボアズ (Franz Boas) の人類学講義を聞き、コロンビア大学で博士号を取得。 ポリネシア・サモア諸島で、1925年から1926年にかけフィールドワークを行なう。 1926年よりニューヨークのアメリカ自然史博物館で研究員補を振り出しに研究職を務め、また1954年からコロンビア大学で教鞭をとった。
文化人類学の発展期にあって数多くのフィールドワークをこなし、精力的に研究を行った。また文化人類学を利用した社会評論や一般向け著作にも熱心に取組み、文化人類学の普及には多大な貢献があった。
"gender"という用語はもともと身体的性を示す言葉として存在していたが、ミードは「社会的・文化的性」という意味でのジェンダー研究を行った先駆者でもある。著書の一部はジェンダーが社会的に構築されたものであることを立証するとしてフェミニストたちから注目され流用されたが、調査内容の欠陥に付いての指摘もある。また、ミード自身も「男女の役割が逆転した社会を発見した覚えはない」と語っている。
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[編集] ニューギニアの3つの部族に関する記述
以下に『3つの原始的社会における性と気質』(1935)に於ける記述の一部を記載しておく。なおこの研究成果については 「観測方法が主観的である」等の理由から批判的な意見も多く真偽のほどは不明である。
- アラベッシュ族は、男性も女性もたいてい非攻撃的で、子どもに対して暖かく愛情を持って接する。
- マンダグモール族は、男性も女性も攻撃的で、子どもに対しても冷たく放任的である。
- チャンブリ族の文化は最も珍しく、男性は服従的で消極的である。
[編集] 著書
- サモアの思春期
- マヌアの社会組織
- 3つの未開社会における性と気質
- 男性と女性
- 人類学者の研究生活
- 女として人類学者として
- フィールドからの手紙
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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