ヤマグルマ科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤマグルマ科 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||
|
||||||||||
学名 | ||||||||||
Trochodendraceae | ||||||||||
和名 | ||||||||||
ヤマグルマ科 |
ヤマグルマ科(やまぐるまか、Trochodendraceae)は、双子葉植物の科の一つである。日本ではヤマグルマのみを含む。
[編集] 科の特徴
ヤマグルマ科は、被子植物門モクレン綱マンサク亜綱ヤマグルマ目に所属する。日本と中国に2属3種があり、日本にはヤマグルマ1種のみを産する。多心皮である事、被子植物でありながら、道管ではなく仮道管をもつことから、原始的なものと見なされる。
[編集] 種の解説
ヤマグルマは、一属一種であることやトリモチが取れることで知られている。
生態的には岩角地やその上部の岩の露出しがちな尾根など、 空気の動きのある場所を好む。
生態的に比較的同位と思われるものがイワナンテンやイワイタチシダなどであり、これらと同時に現れやすい。 場所によってはヒナスゲなどもセットで見られる。
冬季はアセビ、イワナンテンなどと共に場所により 葉が裏に巻き、だらしなく下垂しているのを見ることも多い。 水分条件の変化や寒さへの適応だろうか。 こういった特徴は葉をつけたまま冬を乗り切るさまざまな植物で見られるが、 越冬中のスイカズラなどでも見られる。
逆にシダ類は冬季の乾燥した岩壁では表側に巻宿することも多く、 周辺のツルデンダ、イタチシダ類などが強く巻縮しているのを見ることも多い。 これらのシダとは対照的にフクロシダ、イワハリガネワラビなど、いかにも葉が柔らかそうなシダは冬は地上部は枯れるる。 前者の根元をよく見るとキンモウワラビのように鱗片が密生しており保温効果があるのかもしれない。
ヤマグルマは実生はイワナンテンとよく似ており、 あまり気が付かれる事はないのかもしれない。 これらが苔むした倒木上に見られることもある。
ヤマグルマが見られる環境で、一羽の小さな鳥が地上を跳ねてるのを 見ることも多いが、尻尾を立ててるのがミソサザイ。 尻尾を小刻みに震わせてるのがルリビタキである。
岩角地では、ヤマグルマが見られる岩の適度に湿った箇所に、 コケシノブの仲間が見られることが多い。
一見風通しがよく乾燥するように見えて、コケ相が充実することが多いのは、夏季などの霧のかかりやすさや降雨の多さなどを示してるのだろうか。 また急傾斜地などが多く、冬季の着雪量の少ない箇所と思われる。