ヤマト運輸
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種類 | 株式会社 ( - ) |
本社所在地 | 東京都中央区銀座二丁目16番10号 |
設立 | 2005年3月31日 |
業種 | 物流 |
事業内容 | トラック輸送 |
売上高 | - 円(2006年3月期) - 円(2006年3月期) |
関係する人物 | 小倉康嗣 小倉昌男 |
外部リンク | www.kuronekoyamato.co.jp/index.html |
ヤマト運輸株式会社(ヤマトうんゆ)は、日本における宅配便の最大手(あるいは佐川急便と並ぶ両雄)企業である。本社は東京都中央区銀座二丁目に所在。ヤマトホールディングス株式会社の100%子会社。英文名称は、Yamato Transport Co.,Ltd.。
代表取締役社長は創業者の家系であり、小倉昌男元会長の長男、小倉康嗣(おぐら こうじ)である。
目次 |
[編集] 社訓
- 一、ヤマトは我なり
- 一、運送行為は委託者の意思の延長と知るべし
- 一、思想を堅実に礼節を重んずべし
[編集] 概説
元々は三越や松下電器産業などの専属配送業者であったが、新規業者等との長距離運送競争に乗り遅れ、さらに追い打ちをかける様にオイルショックが重なって低迷していた大和運輸の業績回復のため1976年に、当時の小倉昌男社長(故人)の決断により、個人を対象にした小口高速配送システム(宅配便)「宅急便」を開始して、大手企業からの専属配送事業から脱却を図る。
以来、「宅急便」のサービス提供地域を全国津々浦々に拡大するとともに、日本通運など他社の参入に対しては「スキー宅急便」「クール宅急便」「サイクリングヤマト便」「クロネコメール便」や時間指定など新サービスの開発や、コンビニエンスストア(※)や一般商店の発送受付窓口化を「顧客サービスの向上こそが利益の拡大につながる」と他社に先行して行い、「クロネコヤマトの宅急便」のブランドイメージの確立に成功する。(なお、宅配便進出にいたる経緯や基本的な経営戦略は、小倉昌男元社長の著書「経営学」(日経BP社 ISBN 4822241564)に詳しいほか、高杉良の小説「挑戦つきることなし」(徳間文庫 ISBN 4198907994、講談社文庫 ISBN 4062648261)の題材ともなっている)
2004年には、郵便局の「ゆうパック」を新たに導入したいローソンと、従来通り排他的契約を求めるヤマトとが騒動に発展。ヤマト側は譲らず、郵政民営化論を巻き込み、公平性に欠けているとの意見広告を展開した。ローソン本部は宅配取次契約の中途解約を通告。ヤマトは独占禁止法違反で日本郵政公社を提訴し対立を深めた。(後述の注意事項も参照のこと)
近年は、企業からの発送である商流を主力とする特別積合せ事業から出発した佐川急便の取り扱い個数の伸びが著しく、集計方法によっては佐川急便がトップの場合もある。但し、商流低価格化や他社よりも豊富なサービスを提供しているため、依然ヤマト運輸が収益率は高い。
ちなみに、ヤマト運輸も他の物流企業と同じく、特別積合せ事業・通運業務・航空貨物輸送・引越し輸送業務を展開しているが、売上に占めるシェアは大きくない。近年では台湾にも進出し、日本と同等のサービスを行おうと海外での事業を広めている。
みずほ銀行をメインバンクとしており、みずほ銀行は持株会社のヤマトホールディングスの大株主になっている。また、2005年にみずほコーポレート銀行から木川真氏を取締役に招聘している。
かつて松下電器と関係があったためか、配達員が持っている端末はPanasonicである。また、三越の店舗には荷受所を出店している。
トヨタ自動車と宅配仕様バン型車「クイックデリバリー」を共同開発した縁からも、配送用小型トラック(市街地及び近郊配送用、最大積載量4t以下)及び1BOXバンの80%以上はトヨタ車である。 ちなみに、宅配専用車両は主要幹線道路を走る必要が無いことなどから時速40㎞以上出にくくしている車両があるという。
中央大学とは古くから交流があり、何人かの教員を社外監査役に招聘している。またIYグループとも同じ理由により、関係が深い。そのため、ミレニアムグループ傘下の百貨店のギフトが、今後どのようになるかが見所である。
検索エンジンGoogleの日本語版において、伝票番号の検索ができる。検索方法はGoogleの「荷物検索」の節を参照。また、最近ではAmazon.co.jpと連携し、「お急ぎ便」というAmazon.co.jpから商品の注文を受けた当日に商品を届けるというサービスに参加した。
2005年11月1日付けを持って同社は株式移転によりヤマトホールディングス株式会社に商号変更、同年3月31日に設立した「ヤマト運輸分割準備」を事業会社「ヤマト運輸」に変更した上で事業譲渡し、その傘下に収める持ち株会社制へ移行した。なお、この他にインターネット事業、金融事業などの新会社を設立させる方針である。
荷物の取り扱いの丁寧さについては定評がある。普段は運送料が安価な同業他社を利用している企業でも、特定の顧客や商品の配送に限ってはヤマトに依頼するという話が数多い。また、国内最大の同人イベントであるコミックマーケットにおいても、かつてはフットワークが運送による荷物搬入や場内での運送依頼の受け付けを独占していたが、「フットワークに依頼した荷物は運送中の破損が目立つ」というコミケ参加者からの苦情が慢性化していた事を受けて、複数社での競合が開始されると、まさに荷物の取り扱いの丁寧さで高い評価を受けて、たちまちに1番人気を獲得するに至った事は、同人イベントに参加するアニメやゲームのファンのみならず、運送業界などでも少なからず知られる逸話である。
[編集] 支社・主管支店コード
- 北海道支社
00札幌
02函館
03千歳
04道北
07道東
09エキスプレス(航空貨物部門)札幌(北海道内全域の航空貨物を管轄・道内各地に営業所がある)
- 東北支社
10青森
11秋田
12岩手
13宮城
14山形
15郡山
16=岩手支店八戸支所(青森県)
17=岩手支店大館支所(秋田県)
18=秋田支店横手支所
19エキスプレス青森・岩手(北上)・秋田・仙台・山形・福島(郡山)の各営業所(航空貨物のみ管轄)
21茨城
22栃木
23群馬
24埼玉(群馬県館林市など、千葉県野田市も管轄)
25千葉
26横浜(横浜市の大半と三浦半島を管轄)
27厚木(愛甲郡愛川町。湘南・相模地区を管轄)
28神奈川(横浜市鶴見区。川崎市と横浜市の一部を管轄)(2006年11月新ターミナル完成)
29エキスプレス東京(関東全域の航空貨物を管轄。営業所は各地にある)
30北東京(埼玉県戸田市。東京北部と埼玉県の一部を管轄)
31東京(江東区有明)
32南東京(品川区。世田谷区、目黒区、渋谷区を管轄)
33西東京(多摩地区を管轄)
34西埼玉(東松山市)
35船橋(我孫子市・鎌ヶ谷市・八千代市以東を管轄)
36新東京(品川区。伊豆七島・小笠原諸島も管轄)
37山梨
38東東京(江東区枝川。千代田区・中央区を管轄)
39埼京(新座市。杉並区、練馬区など東京都の一部と埼玉県の一部を管轄)
- 北信越支社
40新潟
41長岡
42長野
43松本(塩尻市)
44富山
45金沢
46福井
- 中部支社
49エキスプレス中部(中部全域の航空貨物を管轄)
50静岡
51新静岡(裾野市。三島市以東を管轄)
52浜松(岡部町以西を管轄)
53三河(安城市。豊田市と西加茂郡三好町は愛知の管轄)
54名古屋
55三重(四日市市)
57愛知(愛知郡長久手町。名古屋市内は中区、西区、北区、千種区、守山区、名東区のみ管轄)
58岐阜(関市。かつては岐阜県内に主管支店そのものがなかった)
- 関西支社
59エキスプレス関西(関西全域の航空貨物を管轄)
60大阪(もともとは大阪市住之江区にあったが、兵庫県尼崎市に移転してきたため、尼崎市も管轄)
61西大阪(兵庫県伊丹市。伊丹市は兵庫の管轄。主に西区福島区淀川区西淀川区東淀川区池田市)
62京都(久世郡久御山町。管轄は京丹波町以南の京都府)
63滋賀
64奈良
65和歌山
66兵庫(西宮市。管轄は三木市、阪神間(尼崎市を除く)京都府のうち綾部市、福知山以北)
67姫路(管轄は兵庫県内のうち兵庫管轄エリアを除く播磨地方但馬地方全域)
68北大阪(大阪府寝屋川市)
- 中国支社
70岡山(広島県福山市も管轄)
71三次
72広島
73山口
77津山
79エキスプレス岡山・岡山空港・広島・広島空港・出雲空港・米子・鳥取空港・宇部空港・下関の各営業所(航空貨物のみ管轄)
※中国5県のうち山陰2県には主管支店がない。2003年3月31日まで75島根主管支店があり、隠岐諸島を除く島根県全域を管轄していたが、75島根主管支店は71三次主管支店へ統合された。現在では鳥取県全域と島根県松江市、安来市、隠岐諸島は岡山県の77津山主管支店、その他の島根県は広島県の71三次主管支店管轄になっている。
- 四国支社
80香川(愛媛県の一部も管轄)
82徳島
83高知
84愛媛
89エキスプレス高松・高松空港・徳島・高知・高知空港・松山の各営業所(航空貨物のみ管轄)
※2003年3月31日まで航空貨物(エキスプレス)部門以外は四国ヤマト運輸という別会社だった。その翌日、愛媛県北東部を管轄していた85新居浜支所を閉鎖して80香川主管支店に統合された。
90福岡(長崎県壱岐市、対馬市も管轄)
91北九州
92佐賀
93長崎
94熊本
95大分
96宮崎
97鹿児島
98沖縄(沖縄ヤマト運輸(株)が担当)
99エキスプレス九州(九州全域の航空貨物を管轄するが、沖縄県のみ航空貨物も沖縄ヤマト運輸が取扱う。)
※2003年3月31日まで宮崎・鹿児島・大分の3県は九州ヤマト運輸という別会社の管内だった。(本社:鹿児島)
[編集] 注意事項
郵政公社と対立はしているが、現段階では法律には勝てない為、日本郵政公社法に準じての配達のみ行うことができる。荷物の中に信書(手紙)を入れて送ることは民間事業者による信書の送達に関する法律(信書便法)に反する。ときたま荷物の中に手紙を入れて送る利用者がいるが、それを知りながら配達を行なった場合違法行為となる(荷物に付随する送り状の同封については信書に当たらないと現在では解釈されており、信書を送ることが禁止されている「ゆうパック」においても認められている)。そのため、荷物の内容に関しては受け取り拒否される場合がある。更に、有価証券(商品券も含む)、現金などの類も禁止されている。宅急便に関しては30万円までの補償がされている(但し、別途で保険を掛けることが可能)が、上記禁止事項に違反している場合には、補償の対象とならない。
(※)日本郵政公社(ゆうパック)とローソンの業務提携実施に伴い、2004年11月18日よりローソンでのサービス取り扱いを停止した。続いてミニストップ、サークルKサンクスもゆうパックに切り替えたため取り扱いを停止した。以降、サービスを継続しているコンビニエンスストアはセブンイレブン、ファミリーマート、スリーエフ、新鮮組、リトルスター、ジャストスポット、リックス、ココストア、アンスリーなどである。サービスの詳細は後述の外部リンクを参照のこと。
[編集] 沿革
- 2005年3月31日 - ヤマト運輸分割準備株式会社設立
- 2005年11月1日 - ヤマト運輸分割準備、ヤマト運輸株式会社に社名変更(ヤマトホールディングスより事業のほとんどを譲受される)。会社ロゴは旧ヤマト運輸からそのまま引き継ぐ。
旧ヤマト運輸(2005年10月以前)については、ヤマトホールディングスを参照。
[編集] 関連項目
- 企業一覧 (陸運)
- 魔女の宅急便(スタジオジブリの作品を特別協賛)
- いい旅・夢気分(かつて番組提供していた)
- トヨタ・クイックデリバリー(宅急便で使われている車)
- プロジェクトX~挑戦者たち~(2001年に同社の歴史について放送)
- 釣りバカ日誌シリーズ(何度か作中に車が登場している)
- 2006年1月現在の提供番組は
※鬼嫁日記(2005年10月~12月KTV制作)→番組内のお届けものにヤマト運輸の協力があった。 過去に放送されたアンフェア(主演篠原涼子)の番組でも引き続き番組提供されていた。その後にスタートする新ドラマでも引き続き提供。 ※2006年4月21日にグループ子会社の配達商品(食品)に欠陥が生じ翌日の大手新聞各紙にお詫び広告が掲載されてから 5月31日までテレビCMをすべて自粛していた。(再開は6月1日。)
- 過去の提供番組
- TBSテレビ系月曜ドラマスペシャル→月曜ミステリー劇場(途中ではなまるマーケットに提供番組変更で降板。)
- フジテレビ系土曜夜8時枠番組(例えば、オレたちひょうきん族やめちゃ×2イケてるッ!)※ドラマ番組も含めて(提供開始時期不明~2005年3月)
- 日本テレビ系金曜ロードショー(提供開始時期不明~提供降板時期不明)
- テレビ朝日系火曜スーパーワイド→火曜ミステリー劇場(1988年4月5日~1991年9月)→ニュースステーション(1991年10月~2004年3月)※現在も「報道ステーション」で提供番組中。
- テレビ東京系「いい旅・夢気分」(第1次水曜夜8時時代→水曜夜7時時代→第2次水曜夜8時時代前期)