ヤミと帽子と本の旅人
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ヤミと帽子と本の旅人 | |
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プラットフォーム | Windows98/2000/Me/XP |
発売元 | ROOT |
発売日 | 2002年12月20日 |
ジャンル | アドベンチャーゲーム |
レーティング | 18禁 |
名前変更 | 不可 |
エンディング数 | |
セーブファイル数 | 100+1 |
画面 | |
音楽 | |
音声 | 主要女性キャラクターフルボイス |
CGモード | あり |
音楽モード | あり |
回想モード | あり |
メッセージスキップ | あり |
オートモード | あり |
ヤミと帽子と本の旅人(ヤミとぼうしとほんのたびびと)は、2002年12月20日にオービットのROOTブランドより発売されたアダルトゲーム。2003年10月にはテレビアニメ化もされた。
目次 |
[編集] ストーリー
いくつものパラレルワールドを「本」として保管している「ヤミ・ヤーマ図書館」に紛れ込んだ主人公は、16歳の誕生日に行方不明になった義姉の初美を探して様々な本の世界を旅する。
[編集] 主な登場人物
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
- こげ
- 本作品の主人公。冒頭でいきなり黒い帽子と布切れになってしまい、謎の少女「ちび」に着られ「こげちび」として本の世界を巡り、初美を捜す。異なる世界へ渡るその度に様々な肉体に憑依出来る能力を持つ。
- 実は図書館世界の監視者である「狩人」のひとりで、初美の義妹である「制服の少女」葉月に憑依したことにより、自分自身を葉月だと錯覚していた。物語の後半では、力を失いSD化したリリスに装着されることになる。一人称は「俺」。
- ちび
- 物語の前半で主人公を纏って旅をする謎の少女。初美と瓜二つの容姿を持つイヴの欠片だが、物語上ではそれほど重要な
- 役割を負っている訳ではない。
- ヤミ(リリス) CV:朝宮咲
- ヤミ・ヤーマ図書館の管理人。帽子とマントでワンセットである「狩人」達のボス「ジョウ・ハーリー」を纏い、操ることで宇宙に匹敵するともいえる広さの図書館全ての本を管理している。因みに「ヤミ」というのは職業名で、本名はリリス。
- 図書館の創始者であるヤミ・ヤーマことアダムの前妻にして魔王。アダムの二番目の妻であるイブ(初美)を恨んでいる。
- アルカディアの市長の座に納まったものの、役目自体は娘であるセイレンに丸投げしている。
- アーヤ
- 図書館世界や本の世界の間を自由に行き来出来る謎の存在。COREブランド「トーラス・ゼロ」に登場するアーヤと同一人物。
- イタズラ好きで好奇心旺盛。着ぐるみ好きという噂あり。ケンちゃんの主でもある。
- 制服の少女 CV:岩田由貴
- 初美の義妹で、2年間に渡りこげに憑依されていた本物の「葉月」。幼い頃から病弱だった自分をずっと守ってくれていた初美を溺愛するあまり、彼女に近づく人間のことごとくに対してバリアーを張る。物語の約2年前、度を越した初美への独占欲から情緒不安定になり、彼女のホットケーキを払いのけて逃げ出した瞬間、心が現実世界からこぼれ落ち、入れ替わりにその身体に乗り移ったのがこげだった。
- 一見するとシャープな印象の美少女であり、且つこげのベースたる存在だが、しゃべり方はどこかとろくさく、一人称も「僕」と
- 微妙な相違がある。「狩人」であるこげとは違い、本来の運動神経もそう高くはないと思われる。
- 実は顔のない月に登場する「東 衣緒」の実の妹。
- ケンちゃん
- 冒頭でこげの旅に同行することになった、関西弁を操る謎のオカメインコ。その正体はアーヤの眷属にして、天竜八部衆の一人であるソーマの守り神「乾闥婆」。アーヤと同じくCOREブランドの「トーラス・ゼロ」に人間バージョンの姿で登場する。
- 通称「嫁はんズ」なる13羽の妻がおり、またその全員を平等に愛している愛妻家。
- 謎の女性と子供達 CV:岬友美
- 元の世界を探して狭間の世界を旅する三人。
- 謎の女性こと「知美」は顔のない月からのスピンオフキャラであり、男の子の方を「旦那様」、女の子の方を「お嬢様」と呼ぶ。
- 黒いマントの下には、黒下着のような非常に露出の高い服(ボンデージと思われる)を着ている。
- 下腹部に蛇のタトゥーが施されている。
- 初美 CV:赤白杏奈
- 東 葉月の義理の姉で、本作品のキーパーソン。様々な本の世界で生きている「イブ」の分身のひとりで、主人公は彼女を捜して本の世界を旅することになる。
- 言葉を話すことが出来ず、日常会話を手話でこなしている。部分的に緑色になっているホットケーキを作ったりと、料理の方はあまり得意とは言えない。
[編集] 錬金術の世界
- リツコ CV:岬友美
- 謎の女性と瓜二つの女錬金術師。ガルガンチュアの研究について聞き出す為に、その末弟子であったドロッセルハウストを蘇らせようとするが、肉体の蘇生には成功するも主人公の魂が入ってしまった為に実質失敗に終わる。彼女の魔術の影響によって、ドロッセルハウストの身体の中にいる間主人公はその命令には逆らえないようになっている。
- 尚、マリエル姫の家庭教師も兼任している。
- 魔術による儀式の際、謎の女性と同様、マントにボンデージ(?)の服装をしている。
- ドロッセルハウスト
- 錬金術師ガルガンチュアの末弟子だったが、多くの同輩達と共に生贄として捧げられてしまった薄幸の美少年。
- 劇中では主人公が乗り移っている依代に過ぎないので、実質その遺体のみが登場している状態である。
- マリエル姫 CV:神村ひな
- リツコが家庭教師を務めている、男性恐怖症の内気なお姫様。
- かつて不治の病を患った際にイブの血を輸血されたことで生き長らえ、同時に強大な魔力を手に入れた。
- ガルガンチュア
- リツコと同じ不老不死の錬金術師。
- 自らの理想の世界「アルカディア」を作るという野望に燃え、ドロッセルハウストを始めとした多くの弟子達を生贄に捧げるなど目的の為には手段を選ばない非道な男。超ソーマの根源体であるイブを捜し求めている。
- 実は幼少期に幼馴染みの少女「ジル」を独占欲による嫉妬から刺し殺してしまい、本人もまたそのすぐ後に後追い自殺をしていたのだが、偶然その場に居合わせた「狩人」に身体を乗っ取られ、長く憑依された末に同化してしまった。
- ジル
- 錬金術の世界における「イブ」の分身だった少女で、ガルガンチュアの幼馴染み。初美と同じく口が利けず、16歳の誕生日に
- ガルガンチュアに殺されてしまった。
[編集] 孤島の世界
- ミルカ
- 家族の元を離れ、兵士達に守られながら孤島で暮らしている幼い少女。
- その身に秘められた強力な魔力によって、セイレンから狙われている。
- 菓子パンやホットケーキといった甘い物が好きで野菜嫌い。選り分けた野菜をこげ(エニア)に押しつけるなどワガママなところもある。将来は兄のような男性と結婚したいらしい。
- オービットで製作中のゲーム「LUNAR CAGE」で、ヒロインキャラの一人として登場予定。
- エニア
- 孤島の世界でのこげの依代である女悪魔。
- ミルカの兄によって召喚され、ミルカの護衛の為に孤島へ赴くことになる。
- セイレン CV:Terrier
- ミルカの傍に常に寄り添っている、歌が上手な謎の女性。
- 実はイブへの嫌がらせとして、本の世界で厄介ごとを起こさせる為だけにリリスが生み出した妖魔。
- 創造主である当のリリスに存在を忘れられてからは捨てられたと思い込み、ガルガンチュアに忠誠を誓っている。
- ミルカの魔力に目をつけて、歌の力でラスカレスや兵士達を洗脳するなどあの手この手で懐柔しようとする。
- 最終的にはリリスと和解し、アルカディアの実質的な市長として日々働いている。
- ラスカレス
- ミルカを守る謎多き白虎。海を泳いだり人語を解するなど色々と秘密があるようだったが、結局その正体は謎のままだった。
- ミルカへ近づくその本心を見抜いていたかどうか定かではないが、セイレンとはかなり不仲であった。
[編集] 竹取物語の世界
- 藤姫 CV:赤白杏奈
- メイリン CV:木村あやか
[編集] 夜行列車の世界
- 皇蓉子 CV:Pomeranian
- サイガ
[編集] 宇宙庭園の世界
- 玉藻の前 CV:木村あやか
- マウ CV:神村ひな
[編集] テレビ版
UHFアニメとして、2003年10月から2004年1月にかけて放映された。全13話。
原作がアダルトゲームのためか、過激なシーンが多く見られる。特に、主人公(女の子)の自慰シーンなどをそのまま放映した第7話は視聴者に衝撃を与え、テレビ神奈川が放映を見合わせたというデマすら流れた。
なお、時間軸をばらばらにしてあるので、第1話から順番に見てもストーリーを理解するのは大変困難である。時間の経過にそって並べ替えると、第3話Bパート+第4話+第9話Bパート(錬金術の世界)→第7話A後半パート+第1話Aパート(現代世界)→第3話Aパート(ヤミの図書館)→第6話+第7話A前半パート(孤島の世界)→第5話(原始創世の世界)→第8話+第9話Aパート(アルカディアの世界)→第1話Bパート+第2話(夜行列車の世界)→第10話Bパート+第11話Aパート(移民宇宙船の世界)→第10話Aパート+第11話Bパート+第12話(宇宙庭園の世界)→第13話(現代世界・ヤミの図書館〔エピローグ〕)となる。このことは最終話のエンディングで明かされる。
[編集] 放送局
放送局により、放送開始が2003年10月からの局と11月からの局に分かれた。
- 2003年10月~:テレビ北海道・東京メトロポリタンテレビジョン・テレビ神奈川・メ~テレ・毎日放送(幹事局)・TVQ九州放送
- 2003年11月~:青森朝日放送・秋田放送・東日本放送・福島放送・とちぎテレビ・千葉テレビ放送・長野朝日放送・山口朝日放送・四国放送・高知放送・熊本朝日放送・大分朝日放送
ちなみにこの番組は、当初フジテレビで放送される予定だったが、諸事情で直前になってキャンセルされた経緯がある。しかし多くの地方局でも放送された結果、この手のいわゆるUHFアニメとしては異例の18局ネットでの放送となった(ただし、UHFアニメではよくその名前が出てくるテレビ埼玉では放映されなかった)。
毎日放送でUHFアニメを放映するときには土曜日(アニメシャワー枠があるため)に放映されるのが通例だが、この作品は木曜日に放映された。理由としては、急遽放送が決まったため、アニメシャワー枠に空きがなかったものと考えられる。また、毎日放送でUHFアニメを放映する場合、中部日本放送でも放映するのが通例だが、この原則が初めて破られた作品でもある(この組み合わせは、腸捻転時代のANN系列局同士ということになる。その後、毎日放送とメ~テレの組み合わせは「グレネーダー ~ほほえみの閃士~(地上波版)」でも実現している)。
メ~テレでは当日の新聞テレビ欄に新番組を意味する『新』のマークが付いていなかった(「本の旅」と書かれていた)。また第2話の放送日の新聞テレビ欄には番組自体が書かれておらず、同局の公式サイトにも全く書かれていなかったが、問い合わせが相次いだのか同日夕方頃に訂正が行われ、第2話も第1話と同じ時間に放送された。また、冒頭で「新聞発表とは異なる番組を放送しています」というテロップが出た。尚、急遽できたと思われるこの枠(水曜27:08~27:38)だが、2006年7月改編時点でもアニメ枠として続いている。
四国放送でも放送されたが、徳島県ではほとんどの地域で毎日放送を直接受信できるため、2回見られるということがあった。同様にして、三重県の一部地域でもメ~テレと毎日放送で2回見られた。
CS放送ではAT-Xで放映された後、2006年11月13日(月)より、アニマックスにて放送が開始された。
[編集] 各話タイトル
- 葉月
- 蓉子
- ジル
- マリエル
- クイル
- ミルカ
- 初美
- 藤姫
- メイリン
- レイラ
- 玉藻の前
- ガルガンチュア
- リリス
[編集] アニメ版ストーリー
ヤミ・ヤーマ図書館の管理人であるイブは、図書館の管理人の仕事を姉のリリスに任せ、自分は本の世界で遊び始める。本の世界にはイブは16歳の誕生日までしかいることが出来ず、また話すことも出来なくなる。そして、周辺の人間がイブのことを自然と愛してしまうという弊害も持っていた。
ある本の世界で、イブは孤児院で働き、子供たちから慕われる少女・ジルとして暮らしていたが、ある日、ジルの愛情を独り占めしようとするガルによって刺されてしまい、その現場を見た少女・リツコは気を失ってしまう。リツコが目を覚ましたとき、ジルもガルも姿を消していた。
ジルの力によって不老不死の体を手に入れ、20代ぐらいの容姿で永遠を生きることとなったリツコはとある王国で不治の病にかかっていたマリエル姫の病気を治したことで、マリエル姫のもとに仕えるようになる。やがて、リツコの前に青年の姿のままやはり永遠を生きる力を手に入れたガルが錬金術師・ガルガンチュアとして姿を現す。ガルガンチュアはマリエル姫を誘惑して、その魂を奪うと、姫の魂と交換にリリスから自分の思いのままになる1冊の本の世界を与えられる。ガルガンチュアはそこを根城に、ジルことイブを探し求める。
そのころ、イブは高校生の初美として別の本の世界で転生していた。しかし、妹の葉月は、同性でさらに姉である初美を激しく愛するようになり、初美の16歳の誕生日の日に葉月は初美を襲おうと、初美の部屋に忍び込んでしまう。しかし、初美は葉月の目の前で消えてしまい、かわってケンちゃんと名乗る鳥が現われる。葉月が初美の行方を執拗に聞くため、ケンちゃんはやむなく葉月をリリスのところに連れていく。リリスは一目で葉月を気に入り、リリスと葉月は二人でイブを求めて、様々な本の世界を旅していく。
そして、宇宙庭園で一堂に会することとなったリリス・ガルガンチュア・葉月の前にイブが現われる。イブはヤミ・ヤーマ図書館の管理人として、自分のために混乱した本の世界を整理するため、自分の痕跡を出来るだけ本の世界から消し去ろうとする。それでも葉月は初美を忘れられなかった。葉月の愛の深さを知ったイブは再び初美として葉月の前に現われる。一夜を二人だけで過ごすために・・・。
[編集] アニメ版の主な登場人物
- イブ(ジル・初美、声:清水愛)
- ヤミ・ヤーマ図書館の管理人で、リリスの妹。本の世界では話すことが出来ないこともあり、おとなしい少女を演じているが、根は小悪魔的な女の子である。見方によっては悪女に見える。
- リリス(声:小林沙苗)
- ヤミ・ヤーマ図書館の管理人で、イブの姉。自分に仕事を押し付けたイブの行方をケンちゃんをつかって探し求めている。自分たちを創造したヤミ・ヤーマに似ているという理由で、葉月とガルガンチュアに惚れる。言動が子供っぽい。
- ガルガンチュア(声:三木眞一郎)
- 錬金術師。孤児院にいたころはガルと呼ばれていた。愛情に飢えた子供でジルの愛情を独り占めしようとしたが果たせず、ジルを刺してしまう。マリエル姫の魂と引き換えに自分の思いのままになる本の世界を与えられ、ジルを妃に迎えるべく、ジルの行方を追っている。
- リツコ(声:井上喜久子)
- ガルガンチュアの幼なじみで女錬金術師。ガルガンチュアとともに不老不死の体を手に入れ、各地を放浪してガルガンチュアの行方を追っている。マリエル姫を救うことが出来なかった罪で投獄される。
- ケンちゃん(声:高木礼子)
- リリスがイブの行方を追わせている鳥。なぜか関西弁を話す。リリスらによって度々危険な目にあわされる。
- マリエル(声:笠原弘子)
- ある王国の姫君だったが、ガルガンチュアに誘惑され、かえるに姿を変えさせられてしまう。しかし、玉藻の前によって人間の姿に戻され、マウという名前を与えられ、玉藻の前の召使として働く。姫君だったころの記憶は失っている。
- 玉藻の前(たまものまえ、声:氷上恭子)
- 宇宙庭園の女主人。1日中、飲んだくれているが、人生の機微に通じており、ガルガンチュアらに的確な指摘をする。さっぱりした性格。
- アーヤ(声:福山潤)
- 本の世界の案内人。ちょくちょく姿を現しては、その本の世界の事情を説明したりする。読者を象徴した人物でもある。
[編集] スタッフ
- 監督:山口祐司
- シリーズ構成:望月智充
- キャラクターデザイン・総作画監督:西田亜沙子
- 音楽:多田彰文
- 美術監督:小山俊久・渡辺紳
- ゼネラルプロデュ―サ―・企画:長澤隆之
- 製作指揮:長谷川洋
- プロデュ―サ―:高谷与志人・高畑裕一郎・浦崎宣光
- アニメーション制作:スタジオディーン
[編集] 主題歌
[編集] 関連項目
- おくさまは女子高生(放送の経緯がなぜか似ている。)
[編集] 外部リンク
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