ラグタイム
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ラグタイム(ragtime)は、19世紀末から20世紀初頭にかけ、アメリカで流行した音楽のジャンル。
19世紀、ミズーリ地方の黒人ミュージシャンが黒人音楽(ブルース)を基本に独自の演奏法を編み出し、これが従来のクラシック音楽のリズムとは違う「遅い」リズムと思われたことから「ragged-time」略して「ragtime」と呼ばれるようになった。
リズム的特長としては「シンコペーション」と呼ばれるリズム構成が主体で、これは拍の弱部を強調する事によって、従来のクラシック音楽とは異なる印象を与えることができる。音階的には音階が上がるとき(アップビート)よりも下がるとき(ダウンビート)のときに拍が強調され、これは「裏拍の強調」とも呼ばれ、聴く者に意外感を与える効果を持つ。また「シンコペーション」の別定義では「中間音の省略」といった記述もあり、これは小節の間、もしくはその終わり、あるいは小節から小節へ移るとき、休止符を置く、または音符そのものを省いてしまうことにより、リズムにスピード感が増し、それが結果的に曲そのもののスピード感を増すことにもつながる。この「裏拍の強調」はその後の「ジャズ」にも受け継がれ、今日のロックやポップスなどのポピュラーソングの基本として、その手法は健在である。また、そのスピード感の強調はヨーロッパへ輸出されいわゆる「ユーロビート」の源流となったことはよく知られている。
ラグタイムは20世紀初頭のアメリカで流行し、このリズムを用いた楽曲が「ポピュラーソング」として第一次世界大戦後まで好んで歌われた。当時、ロシア革命や第一次世界大戦後の動乱でヨーロッパを追われた著名作曲家たちも新大陸でこのリズムに出会いルビンシュタインなどがラグタイムの作曲を試みたりしている。ラグタイムは歌曲が中心であったことから、当時、短時間しか録音できなかったレコードやピアノロール、短時間しか再生できなかった自動ピアノなどに取り入れられ、アメリカの20世紀文明とともに急速に広まった。このラグタイムに影響を受けたのがジョージ・ガーシュインであり、彼はラグタイム風の楽曲「スワニー」を作曲し一躍スターダムにのし上がることになる。
[編集] 音楽理論的側面
狭義の調性(長調と短調)を持つ音楽である。すでにセカンダリー・ドミナントによる内部転調が用いられている。