ロゼッタ (探査機)
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ロゼッタ (en: Rosetta space probe, fr: sonde spatiale Rosetta) は、欧州宇宙機関 (ESA) の彗星探査機。
2004年2月26日にフランス領ギアナからアリアン5ロケットを用いて打ち上げられた彗星探査機で、2014年にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の地表に着陸機ファイレ (Philae; ナイル川にある中州の名前) を投下する予定である。成功すれば人類史上初の、彗星に着陸した探査機となる。
[編集] 概要
ジオットによりハレー彗星の近接観測に成功するなど、ESAは彗星観測に対して実績がある。ハレー彗星の観測の後、彗星構成物質の採取を目的とした探査機が計画されることとなった。アメリカ航空宇宙局とESAが共同で計画を開始したが、1992年にNASAは計画より離脱し、ESA単独事業として行われることとなった。
ロゼッタは2003年1月12日に打ち上げられ、2006年7月に小惑星(4979) 大田原、2008年7月に(140) シワに接近し、2011年にウィルタネン彗星へ到達する予定であった。しかし、2002年12月11日にアリアン5ロケットが爆発事故を起こしたことにより当初の予定は変更され、目標もチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星へ変更された。
[編集] 予定
現時点での状況はRosetta space probe timelineを参照。
- 2005年3月: 地球に最初のスイングバイ。
- 2007年2月: 火星にスイングバイ。
- 2007年11月: 地球へ二度目のスイングバイ。
- 2008年9月5日: 小惑星(2867)シュテインスに接近。
- 2009年11月: 地球へ三度目のスイングバイ。
- 2010年7月10日: 小惑星(21)ルテティアに接近。その後は彗星到達時までスイッチが切られる。
- 2014年1月-5月: チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星へ接近。
- 2014年8月: 彗星のマッピング
- 2014年11月: ファイレの投下および彗星への着陸
- 2014年11月-2015年12月: 太陽を周回しながら彗星を追跡する予定。