三陸鉄道北リアス線
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北リアス線(きたリアスせん)は、岩手県宮古市の宮古駅と久慈市の久慈駅とを結ぶ三陸鉄道の鉄道路線である。
気仙沼線・大船渡線・三陸鉄道南リアス線・山田線・八戸線とともに三陸縦貫線を構成する。
海に近い所を走っているが、殆どの区間を長大トンネルで抜けているため、海が見える箇所は駅の近くなどに限られる。
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[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):三陸鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間(営業キロ):宮古~久慈 71.0km
- 軌間:1067mm
- 駅数:15駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 車両基地所在駅:久慈駅
[編集] 運行形態
宮古~久慈間を往復する各駅停車が中心で、山田線・南リアス線を通って盛駅まで直通する列車が1日2往復ある。1日1往復のレトロ調車両での運転や、土休日のお座敷車両「さんりくしおかぜ」での運転もある。「リアス・シーライナー」など三陸縦貫線を通り抜ける臨時列車の設定もある。
[編集] 歴史
改正鉄道敷設法別表第6号に規定する予定線「岩手県久慈ヨリ小本ヲ経テ宮古ニ至ル鉄道」であり、宮古~田老間は1972年に国鉄宮古線(みやこせん)として、普代~久慈間は1975年に国鉄久慈線(くじせん)として開業した。しかし、国鉄再建法により既開業区間は第1次特定地方交通線に指定され、日本鉄道建設公団が建設中であった田老~普代間は工事が中断されたが、岩手県などが中心になって設立した第三セクター三陸鉄道が既開業区間も合わせて引き受けることになって工事を再開、1984年4月1日、宮古線・久慈線の三陸鉄道への転換と同時に開業し、同社の北リアス線として全通した。
また、東日本旅客鉄道(JR東日本)の岩泉線は本路線の小本に接続する計画の予定線で、旧称を小本線といい、岩泉~小本間に国鉄バスが運行されていた(現在は岩泉自動車運輸・岩手県北自動車が運行している)が、結局着工されなかった。
[編集] 宮古線
- 1972年2月27日 【開業】宮古線 宮古~田老(12.8km)旅客営業のみ 【駅新設】一の渡、佐羽根、田老
- 1981年9月18日 第1次特定地方交通線として廃止承認
- 1984年4月1日 【廃止・転換】日本国有鉄道→三陸鉄道
[編集] 久慈線
- 1975年7月20日 【開業】久慈線 久慈~普代(26.0km)旅客営業のみ 【駅新設】陸中宇部、陸中野田、野田玉川、堀内、普代
- 1981年9月18日 第1次特定地方交通線として廃止承認
- 1984年4月1日 【廃止・転換】日本国有鉄道→三陸鉄道
[編集] 北リアス線
- 1984年4月1日 【転換・開業】三陸鉄道北リアス線 宮古~久慈(71.0km)(【延伸開業・全通】田老~普代(32.2km)) 【駅新設】摂待、小本、島越、田野畑
- 1984年12月22日 【駅新設】白井海岸
- 1986年7月26日 【臨時駅新設】十府ヶ浦(野田玉川~陸中野田間。1993年までの夏季のみ開設)
[編集] 駅一覧
宮古駅 - 一の渡駅 - 佐羽根駅 - 田老駅 - 摂待駅 - 小本駅 - 島越駅 - 田野畑駅 - 普代駅 - 白井海岸駅 - 堀内駅 - 野田玉川駅 - 陸中野田駅 - 陸中宇部駅 - 久慈駅
※太字の駅は、列車交換ができる駅。
[編集] 接続路線
[編集] 関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- 北陸トンネル火災事故(燃焼実験で宮古線を使用)
- うに弁当(三陸鉄道の名物駅弁)