大道芸
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大道芸(だいどうげい)は、路上で演じられる演芸、もしくは路上での芸一般を指す語。広義では、路上で芸を演じればすべて大道芸と呼べる。狭義では、路上において不特定多数の観客に対し芸を演じ、投げ銭を取る事で生計を立てる芸を指す。この定義からすると、いわゆるストリートミュージシャンは大道芸人とは呼ばない。
日本では、毎年秋に大道芸ワールドカップが静岡で行われている。
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[編集] 概説
古くは江戸時代より、浅草の見世物や手品(てづま)、新潟地方の瞽女(ごぜ)、津軽地方のボサマ、その他放浪芸など、日本でも盛んに演じられていた。しかし、多くの場合宗教的なものに結びつけられるか、あるいは乞食芸として蔑まれる傾向にあった。
戦後、欧米の大道芸が入ってくるに従いショーの内容も派手に華やかになり、アートとしての側面やエンターテインメント性の高さが再認識されてきた。昭和50年代より、静岡県静岡市の大道芸ワールドカップ、愛知県名古屋市の大須大道町人祭などのフェスティバルをはじめ、各地でイベントとしての定着が始まり、近年では東京都がヘブンアーティストとして公認制度を始めたり、日本テレビが「日テレアート大道芸」としてライセンスを発行するなど、街の活性化やイベント等各地で脚光を浴びつつある。若年層に根強いファンも数多く、各地でのフェスティバルでは数万人から十数万人を動員するイベントも数多い。
しかし、昨今の大道芸は欧米タイプのジャグリングやアクロバット、あるいはパントマイム等のサーカス芸一辺倒になる傾向が強く、同時に欧米人への崇拝精神も根強いと言われ、苦言を呈する者も多い。また、日本伝統の放浪芸が廃れゆくことに対する危惧も少なくない。
[編集] 主要な大道芸
- ジャグリング:玉や棍棒などをアクロバティックに操る芸。非常に愛好者が多く、また芸人も数多い。
- クラウン:一般的にはピエロとも呼ばれる。道化に扮し、コミカルなメイクと演技で笑いを取る芸。パントマイムやバルーンもこなす芸人が多い。
- パントマイム:体ひとつで、現実には存在しない器物をその場にあるかのように演技する芸。通常声を出さずに演技する。また、他の動物やロボットになりきる事もある。
- アクロバット:高度な体の動きを駆使して複雑なポーズや運動を見せる芸。
- バルーン:細長いチューブ型の風船を使用し、様々なものを作る芸。
- 金粉ショウ:舞踏家集団が、裸となり全身に金粉を塗って踊る。春の野毛、秋の大須 大道芸人祭の演目として定着。
その他、音楽芸、マジック、猿まわし、南京玉すだれ、蝦蟇の油売り、チンドン屋など、種類は非常に多い。
- [[香具師芸]:芸は人集めの手段。啖呵口上が中心であり、目的は芸を見た(聴いた)人へ何らかの商品を売ることが目的。
[編集] 日本の著名大道芸人(順不同)
[編集] パントマイムおよびそれに類する芸
雪竹太郎(人間美術館)、パントマンガ(パントマイム)、サンキュー手塚(コメディーパントマイム)、 が~まるちょば(サイレントコメディー)、マッド☆ザ☆クラウン(クラウン)、カナールペキノワ(コメディーパントマイム)、山本光洋(コメディーパントマイム)、バーバラ村田(キャバレーマイム)、加納真実(恨みマイム)、ふくろこうじ(パントマイム)、ヘルシー松田(パントマイム)
[編集] ジャグリングおよびそれに類する芸
だめじゃん小出(コメディージャグリング)、三雲いおり(一輪車ジャグリング)、Mr.アパッチ(ジャグリング、BMX)、目黒陽介(アートジャグリング)、矢部亮(ジャグリング)、Mr.カズキ(コミカルジャグリング)、JAY(ハットジャグリング)、Juggling Performance Kuro(ジャグリング)、TOMI(コメディージャグリング)
[編集] アクロバットおよびそれに類する芸
Dio (サーカスプレーヤー) (サーカスパフォーマンス、綱渡り)、サブリミット(ハンドバランス、アクロバット)、DAISUKE(サーカスパフォーマンス、綱渡り)フライングモンキーSASUKE(トランポリンアクロバット)
[編集] その他の芸
ギリヤーク尼ヶ崎(舞踏)、おじゃるず(ストレンジパフォーマンス)、ハッピィ吉沢(コメディーマジック)、おいかどいちろう(民話芸)、Funny Bones(パペットショー)、セ三味ストリート(津軽三味線パフォーマンス)、伊藤佑介(けん玉) 、タカパーチ(人間ジュークボックス) 光田憲雄(神霊護符売り、ロクマ(六魔=手相人相見)、南京玉すだれ等古来から伝わる日本の大道芸)梅原白髯(がまの油売り)、今井重美(バナナの叩き売り)、七色唐辛子売り(村松文七)、きょう純一(すたすた坊主)