大阪市交通局南港ポートタウン線
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南港ポートタウン線(なんこうぽーとたうんせん)は、大阪府大阪市住之江区のコスモスクエア駅から住之江公園駅を結ぶ大阪市交通局の新交通システム路線。正式名称は大阪市中量軌道南港ポートタウン線。愛称はニュートラム。
大阪南港に造られた住宅団地ポートタウンやフェリーターミナルへの交通手段として1981年に開業した。神戸新交通ポートアイランド線に次ぐ日本で2番目の本格的な新交通システムの路線。ラインカラーは海と空を模した水色(セルリアンブルー)である。全ての駅が島式ホーム1面2線(停車時は終点駅以外は進行方向から向かって右側の扉が開く)となっている。
目次 |
[編集] 路線データ
- 管轄・路線距離(営業キロ):全長7.9km
- 大阪市交通局(第二種鉄道事業)・大阪港トランスポートシステム(第三種鉄道事業)
- コスモスクエア~トレードセンター前間 0.6km
- 大阪市交通局(軌道事業)
- トレードセンター前~中ふ頭間 0.7km
- フェリーターミナル~住之江公園間 3.9km
- 大阪市交通局(第一種鉄道事業)
- 中ふ頭~フェリーターミナル間 2.7km
- 大阪市交通局(第二種鉄道事業)・大阪港トランスポートシステム(第三種鉄道事業)
- 案内軌条:側方案内式
- 駅数:10駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線
- 電気方式:三相交流600V・60Hz
コスモスクエア~トレードセンター前間と中ふ頭~フェリーターミナル間は鉄道事業法による鉄道、トレードセンター前~中ふ頭間とフェリーターミナル~住之江公園間は軌道法による軌道となっている。
[編集] 運行形態
車両基地のある中ふ頭を始発・終着とする中ふ頭~住之江公園間の列車は朝と夜にだけ運転される。ちなみに、コスモスクエア発の終電は例外で、コスモスクエア~中ふ頭間となる。
昼間時間帯は約6分間隔で運行する。また住之江競艇開催時や南港インテックス大阪でイベント開催時には増発ダイヤとなる。
南港ポートタウン線はATO・ATCによる無人自動運転を行っている。しかし、1981年の開業当時は無人運転の前例がなく、無人運転システムへの理解と信頼が得られるまで乗務員を添乗させて監視を行っていた(同年開業のポートライナーも当初は乗務員添乗)。1991年から無人運転が一部の列車で開始された。その後全ての列車に拡大されたが、1993年の住之江公園駅での車両暴走事故の後、暫くは乗務員を添乗させて監視、2006年のゆりかもめの車輪脱落事故の際には、乗務員を添乗させて有人手動運転を行っている。
[編集] 車両
[編集] 歴史
- 1981年(昭和56年)3月16日 中ふ頭~住之江公園間が開業。当初乗務員が添乗。
- 1991年(平成3年)10月20日 無人自動運転開始。
- 1993年(平成5年)10月5日 住之江公園駅で車両暴走事故が発生し、車止めに衝突。乗客215人が負傷。全線運休となる。
- 1993年(平成5年)11月19日 乗務員添乗で運行再開。
- 1997年(平成9年)12月18日 OTSニュートラムテクノポート線コスモスクエア~中ふ頭間が開業し、相互直通運転開始。
- 2000年(平成12年)2月20日 無人自動運転を再開。ただし、暫くの間は、ごくたまに有人手動運転も行われた。
- 2005年(平成17年)7月1日 OTSニュートラムテクノポート線を編入。
- 2006年(平成18年)4月15日・16日 ゆりかもめ事故に対する警戒のため乗務員添乗で有人手動運転される。
- 2006年(平成18年)4月17日 無人自動運転を再開。
[編集] OTSニュートラムテクノポート線の編入
コスモスクエア~中ふ頭間は大阪港トランスポートシステム(OTS)の南港・港区連絡線(ニュートラムテクノポート線)として1997年に開業した。
WTCやATCなどがある南港コスモスクエア地区の交通を担っているが、運賃体系が別立て(2005年6月時点で大人全線230円均一)のため通算運賃が割高となり、利用者数が開業当初の見込みより低迷していた。そこで、大阪市交通局のニュートラムと運賃体系を統一することで運賃を値下げして利用者増加を図ることになり、大阪港トランスポートシステムは2005年2月9日に鉄道事業廃止届を提出するとともに、ニュートラムテクノポート線のコスモスクエア~トレードセンター前間の線路以外の施設と車両などを大阪市に売却し、第三種鉄道事業者として線路を第二種鉄道事業者となる大阪市交通局に貸与する形を採り、トレードセンター前~中ふ頭間については軌道事業を大阪市交通局に譲渡した。同年7月1日から大阪市交通局はこれらの区間を南港ポートタウン線の一部として運営することになった。
なお、それまで弁天町と南港を結び、OTS線に比べ運賃が安いため利用者もそれなりにいた大阪市営バスの44・44A系統(弁天町バスターミナル~ポートタウン東駅前)が、上記のOTS線移管に伴う運賃の値下げにより乗客が減少することが見込まれるため、2005年8月16日から運行経路と区間が変更され、本数もこれまでより削減された。詳細は当該バス路線記事を参照。
また、2005年7月からの値下げなどの影響でコスモスクエア駅、トレードセンター前駅の平均乗車人員は、値下げ前と比べて約15%~30%増えている。[1]
[編集] 駅一覧
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|
P09 | コスモスクエア駅 | - | 0.0 | 大阪市営地下鉄:■中央線(C10) | 大阪市住之江区 |
P10 | トレードセンター前駅 | 0.7 | 0.7 | ||
P11 | 中ふ頭駅 | 0.6 | 1.3 | ||
P12 | ポートタウン西駅 | 0.7 | 2.0 | ||
P13 | ポートタウン東駅 | 0.5 | 2.5 | ||
P14 | フェリーターミナル駅 | 1.5 | 4.0 | ||
P15 | 南港東駅 | 0.8 | 4.8 | ||
P16 | 南港口駅 | 0.6 | 5.4 | ||
P17 | 平林駅 | 1.3 | 6.7 | ||
P18 | 住之江公園駅 | 1.2 | 7.9 | 大阪市営地下鉄:■四つ橋線(Y21) |