夷隅川
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夷隅川(いすみがわ)は、千葉県の房総半島南東部を流れる県内最大の流域面積をもつ二級河川である。 流域は勝浦市、いすみ市、夷隅郡大多喜町、御宿町の2市2町にまたがる。
幹川流路延長は約68km、流域面積は約299km²。
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[編集] 地理
水源は清澄山系の東方の勝浦市上植野から端を発し、数多くの渓流をあわせ複雑に蛇行しながら北流した後、 大多喜町付近でその流れを東折し、いすみ市で太平洋に注ぐ。 全流域面積の約60%は山地となっている。
夷隅川流域は古くから水田が多く、夷隅川を利用した農耕が盛んである。また、生活用水としても利用されている。
夷隅川の上流部は流路の蛇行が激しく、丘陵地帯を緩やかな渓谷をなして流れている。 河口より約6.2km 上流に位置する潮止堰より下流は感潮区間となっている。 河岸の植生には竹林の分布が顕著。
[編集] 支流
- 古新田川
- 西畑川
- 大野川
- 落合川
- 松丸川
- 神置川
- 椎木川
- 江場土川
- 新川
[編集] 生息生物
夷隅川流域は国指定天然記念物の絶滅危惧種であるミヤコタナゴの分布域にあたり、流域内の細流や池などに現在も生息が確認されている。同じく絶滅危惧種であるメダカなども細流や池に数多く生息していたが、近年は生息数が減少している。過去にはミヤコタナゴの稚魚の放流が行われていた。
また、コイ、フナ、ウグイ、ウナギ、アユの放流も行われており、 1991年まではサケの試験放流が行われていた。その効果もあってか、アユの遡上が確認されている。