実験工房
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実験工房(じっけんこうぼう)は、詩人の瀧口修造の下にさまざまな分野の芸術家が集まって結成された総合芸術グループ。1951年から1957年まで活動した。
グループ命名は瀧口修造により、彼を顧問格とする。それぞれの友人知人関係が連携して出来上がったグループだが、結果としては皆が反アカデミックで前衛的な気質を持っていた。
最初期の活動として、作曲・装置・衣装を担当した創作バレエ「生きる悦び」の上演が挙げられる。音楽分野では作曲家の武満徹や湯浅譲二らの最初期の作品発表の場としても活動し、またアルノルト・シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」、オリヴィエ・メシアンの「前奏曲集」、「世の終わりのための四重奏曲」、「アーメンの幻影」などの日本初演も手がけた。特にメシアン作品の研究は実験工房の音楽関係メンバーに大きな影響を与えた。
フランス文学に関する関心も深く、瀧口修造がシュルレアリスムの日本における第一人者でありアンドレ・ブルトンと交流があったことをはじめ、秋山邦晴もフランス文学に造詣が深かったため、これらのフランス文学および芸術の研究は特に熱心だった。
1953年にはソニーの前身である東京通信工業から開発されたばかりのテープレコーダーおよびそれとスライドを連動させる教育用装置オートスライドを借りてきて、スライド写真の映像を伴うミュージックコンクレート作品を発表した。1956年にはテープ音楽(ミュージックコンクレート、電子音楽およびオートスライドも含む)のオーディションを主催した。
[編集] メンバー
- 瀧口修造 詩人。グループのまとめ役
- 園田高弘 ピアニスト。西沢春子の夫
- 西沢春子 作曲家。園田高弘の妻
- 福島秀子 美術家。福島和夫の姉
- 武満徹 作曲家
- 湯浅譲二 作曲家
- 鈴木博義 作曲家
- 佐藤慶次郎 作曲家
- 北代省三 美術家、写真家
- 秋山邦晴 詩人、評論家(主に音楽)
- 山口勝弘 美術家。現在は環境芸術家を名乗る
- 駒井哲郎 版画家
- 福島和夫 作曲家。福島秀子の弟
- 今井直次 舞台照明、美術家
最も広く使われている集合写真の並び順による。
[編集] 外部リンク
北代省三アーカイブ ページの一部に実験工房の全ての作品発表会のテキスト資料およびプログラム表紙写真を掲載。