宮内庁
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宮内庁(くないちょう、Imperial Household Agency)とは、日本の中央省庁のひとつ。皇室関係の事務や天皇の国事行為のうち外国大使の接受や儀礼に関する事務および、御璽・国璽の保管を所掌している行政機関である。
1869年に律令制の宮内省にならって設置された宮内省が敗戦後縮小され、1947年に日本国憲法の施行とともに宮内府となり、1949年に総理府外局の宮内庁となった。2001年の中央省庁再編により内閣府に置かれるように改められた。現在は内閣府のその他の外局とは別格とされ、表示順では最初に表記される。
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[編集] 組織
- 宮内庁長官、次長のもとに、内部部局(長官官房、3職、2部)、2施設等機関、1地方支分部局がある。
[編集] 内部部局
- 長官官房 - 総務、財務、宮務、皇室財産、皇室医務などを管掌する。宮内庁病院や宮務主管、皇室経済主管、皇室医務主管などが置かれる。
- 侍従職 - 侍従長を長とし、天皇・皇后とその未婚の子女の身辺のことを担当し、御璽・国璽を管理する。侍従次長、侍従、女官長、女官、侍医長、侍医などが置かれる。
- 東宮職 - 東宮大夫を長とし、皇太子夫妻とその未婚の子女の身辺のことを担当する。東宮侍従長・東宮侍従・東宮女官長・東宮女官・東宮侍医長・東宮侍医などが置かれる。
- 式部職 - 式部官長を長とし、儀式や外国元首との交際に関することを担当する。楽部は式部職に属する。楽部の首席楽長、楽長、楽長補、楽師は重要無形文化財保持者に認定される。
- 書陵部 - 書陵部長を長とし、図書の管理、編集と天皇の陵墓の管理を行う。多摩、桃山、月輪、畝傍、古市の5陵墓監区事務所が置かれる。
- 管理部 - 管理部長を長とし、皇居や御用邸、御苑に関わる管理事務を行う。那須、須崎、葉山の3御用邸管理事務所・皇居東御苑管理事務所が置かれる。
[編集] 施設等機関
[編集] 地方支分部局
[編集] 国民との関わり
[編集] 皇室行事
- 昭和天皇以降、全国への「巡幸」が開始され、以降皇室による社会福祉や教育など社会的な活動として、いわゆる「ご公務」が行われる。
- 主に式典の主賓としての列席及び祝辞、弔辞、開会または閉会の「お言葉」として挨拶をするなどが代表的な活動といえる。
- 更に、医療・社会福祉施設・児童施設への訪問や戦没者などへの慰霊碑などへの参拝も積極的に行われている。
[編集] 一般参賀
- 新年の一般参賀は正月に皇居において天皇はじめ皇族が7回、長和殿に「お出まし」として姿を現し、国民の参賀を受ける。
- 又、天皇誕生日にも同様、一般参賀が行われる。
[編集] 歌会始
[編集] 勤労奉仕
- 宮内庁では、自主的な意思に基づく奉仕によって国民による皇居の清掃活動への参加を受け付けている。
- 主に希望者は複数名からなる団体として申し込みをし、清掃活動を行うことができる。
- 多数応募がある場合は抽選となる。主な内容は除草、清掃、庭園作業などである。
- 毎年、学校関係の団体、地域の婦人会など多くの申し込みがある。
- 1945年の敗戦直後に有志「皇国奉仕団」が皇居の荒れ様に心を痛めて始めたのが興りといわれる。
- 以前は勤労参加者には、天皇皇后及び皇太子・同妃より会釈を賜る(面会と挨拶伝達)と共に、以前は恩賜のタバコが授与された。
- 今日では会釈とともに、菓子が授与されている。
[編集] 皇居参観
- 宮内庁では、事前の予約に基づき、皇居はじめ京都御所、仙洞御所、桂離宮などの参観を許可している。
[編集] 宮内府長官
- 宮内府長官の職は認証官であり、その任免は天皇により認証された。
[編集] 歴代
[編集] 宮内庁長官
- 宮内庁長官の職は認証官であり、その任免は天皇により認証される。
[編集] 歴代
- 田島道治(1949年(昭和24年)6月1日 - 1953年(昭和28年)12月15日)
- 宇佐美毅(1953年(昭和28年)12月16日 - 1978年(昭和53年)5月25日)
- 富田朝彦(1978年(昭和53年)5月26日 - 1988年(昭和63年)6月13日)
- 藤森昭一(1988年(昭和63年)6月14日 - 1996年(平成8年)1月18日)
- 鎌倉節(1996年(平成8年)1月19日 - 2001年(平成13年)4月1日)
- 湯浅利夫(2001年(平成13年)4月2日 - 2005年(平成17年)3月31日)
- 羽毛田信吾(2005年(平成17年)4月1日 - )
[編集] 侍従長(日本国憲法施行後)
[編集] 歴代
- 大金益次郎(1947年(昭和22年)5月3日 - 1948年(昭和23年)6月4日)
- 三谷隆信(1948年(昭和23年)6月5日 - 1965年(昭和40年)3月29日)
- 稲田周一(1965年(昭和40年)3月30日 - 1969年(昭和44年)9月15日)
- 入江相政(1969年(昭和44年)9月16日 - 1985年(昭和60年)9月29日)
- 徳川義寛(1985年(昭和60年)10月1日 - 1988年(昭和63年)4月12日)
- 山本悟(1988年(昭和63年)4月13日 - 1996年(平成8年)12月11日)
- 渡邉允(1996年(平成8年)12月12日 - )
[編集] 庁舎
1935年(昭和10年)に建設された。「宮内庁」の表札等はない。明治宮殿が焼失してから今の宮殿が建設されるまでの間仮宮殿として用いられた。
- 所在地:東京都千代田区千代田1番1(皇居内・坂下門の北側)なお、皇居全体が「千代田区千代田」である。
- 庁舎内施設
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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