尿素窒素
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尿素窒素(にょうそちっそ、Urea nitorogen;UN)は臨床検査の一つ。主に肝臓や腎臓の状態を検査するために用いられる。
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[編集] 概要
尿素は蛋白質の終末代謝産物であり、肝臓で合成され、腎臓から排泄される。血中の尿素の量を表すのが血液尿素窒素(Blood urea nitrogen;BUN)であるが、これは蛋白摂取量、蛋白代謝量、腎機能の3因子によって規定される。なお、現在では血清を用いた血清尿素窒素(Serum -;SUN)も用いられるが、赤血球中の水分が減少する分BUNより若干高値となる。
[編集] 測定法
現在2種類の方法が使用されている。両者とも自動分析法が発達し、誤差は少なくなっている。
- ウレアーゼを尿素と反応させて炭酸アンモニアとし、そのアンモニアを測定する。ジアセチルモノオキシム法と比較して厳密に測定できる。
- ジアセチルモノオキシム法
- 尿素を酸性溶液中でジアセチルモノオキシムと橙黄色に呈色するのを比色する方法。この方法ではヒドロキシアミンが副産物として生成されるが、これが縮合反応するのを防ぐために酸化剤を加えて分解している。そのため、酸化剤による退色の差やヒドロキシアミンによる呈色障害といった問題がある。
[編集] 変動要因
[編集] 基準値
BUNの基準値は早朝空腹時で10~15mg/dlである。
[編集] 上昇要因
[編集] 下降要因
[編集] 注意点
蛋白摂取量という生理的な要因でも変動が見られるため、事前に摂取量を調節させておくなど注意することが必要である。また、尿蛋白や血清クレアチニンなどの測定をして、本当に疾患が腎臓にあるものなのかを確かめることが必要である。特に境界値付近では肝機能や消化管機能の異常との鑑別が必要である。
[編集] その他
尿中尿素窒素(Urine urea nitrogen;UUN)の測定も検査として行われている。腎機能が正常であれば再吸収の調整によってUUNがBUNに比例して増減するが、異常であれば腎からの尿素排泄の増減に伴いBUNが変化するため、UUNはBUNと逆向きに変化する。