御寮人
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御寮人(ごりょうにん)とは、商家の「若奥さん」を意味する言葉。口述では「ごりょんさん」「ごりょんはん」と訛る。
大旦那(隠居した前主人)の娘や、旦那(当主)の妻に対して奉公人や外部の者から称する。通常、年配の者には用いられないが、稀に慣習的にこう呼び続ける場合もある。
主に西日本の店(たな、商家)において、立場別に用いられる独特の呼称(商人言葉)のひとつである。伝統的な商家においては、女性が主人になることは通常あり得ない。旦那が隠居する、もしくは死期が近づいている時、男子があればそれを後継者に指名するが、女子しかなければ外部か奉公人の中から婿を取って後継者にする。その場合、先代の娘は「前主人の娘」という意味で「御寮人」と呼ばれる。先代の息子が後継者になる時は、その嫁を「御寮人」と呼ぶ場合もある。この呼称が用いられる範囲は「女将」と一部重複しているが、同じ意味というわけではなく、店の種類や環境による慣習的な面が強い為、厳密に区別することは困難である。明確に「主人」とされているのであれば「女将」と呼ぶのが一般的である。