悪魔と神
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悪魔と神(あくまとかみ)は、ジャン=ポール・サルトル作の最大の戯曲。3幕11場、所要時間は4時間に及ぶ。 1951年6月7日、ルィ・ジェヴェの演出によりパリのアントワーヌ座で初演された。 原題は "Le Diable et le Bon Dieu"。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
- 第一幕
貴族の私生児として生まれたゲッツは、大司教軍との戦いのさなかに兄コンラッドを裏切り、兄の敗北と死を招く。
ずっと「悪」を自ら選択してきたゲッツに向って、裏切りものの僧侶ハインリッヒは「善」を成すほうが難しいと挑発する。 ゲッツはむきになり、賭けをして勝てば町を焼き、負けたら聖者になると言い、わざと賭けに負ける。
- 第二幕
ゲッツは「善」を成そうと、領地を農民達に与えるが、彼らの心を本当につかむことは出来ない。皮肉にも免罪符売りの僧侶の方が農民達の心をつかんでいる。
- 第三幕
ゲッツは領地を「太陽の町」にし、領民達に愛されるようになるが、それがかえって他の地域の農民達の反乱を招き、太陽の町の住民は虐殺されてしまう。「善」を行おうとして一層の「悪」を招きよせてしまったこと、呼びかけても神が決して応えないことに、ゲッツは神の不在、人間の虚無と孤独を見る。
農民戦争で苦戦を続けるナスチに一兵卒にしてくれと頼むが、ナスチは兵卒ではなく指揮を執るように迫る。ゲッツは総指揮官となることを自ら選択する、
- 主な登場人物
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- ゲッツ
- ナスチ:パン屋で預言者、農民叛乱の指導者。
- ハインリッヒ:僧侶。反乱軍に殺されそうになっている僧侶達を救うために、町にはいる秘密の通路の鍵をゲッツに手渡しに行く。
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- カテリーナ:ゲッツの女。ゲッツが「善」を選択したときに捨てられる。彼女が司祭の許し無しに死ぬ恐怖におののいているときに、ゲッツは自らの手を短剣で突いて血を流し、キリストの血だと宣言する。
- ヒルダ:捨てられ死にかけたカテリーナをとおしてゲッツに惹かれていく富裕農民の娘。
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- 大司教:コンラッド軍と戦っている最中に足元のヴォルムスの市民に叛旗を翻され苦境に陥っていた。
- 司教:ヴォルムスの司教。市民によって殺される。
- 銀行家 フークル
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