有斐閣
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有斐閣(ゆうひかく、Yuhikaku Publishing Co., Ltd.)は、日本の代表的な学術出版社。1877年(明治10年)の創業。当初は神田一ツ橋通町で古書店として誕生、当時の名前は「有史閣」といった。創業の2年後、現在の「有斐閣」の名称に改め、出版業に転進。現在は、東京都千代田区神田神保町に本社を構えている。京都府左京区には京都支店、東京都文京区の東大正門前には雑誌編集部がある。
今日では、法律、経済、人文、社会の専門出版社として定評がある。大学教育での教科書や、各年度版の六法全書の出版でおなじみとなっている。
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[編集] 概要
[編集] 法令集
明治34年に「帝國六法全書」を刊行。昭和になってから刊行を中断したが、昭和23年に創業70周年事業として「六法全書」の刊行を再開した。以後用途に応じ、小六法(昭和24年)、ポケット六法(昭和53年)、判例六法(平成元年)を刊行し看板書籍となっている。
[編集] 法律学全集
1957年(昭和32年)に創業80周年記念出版として刊行が始まった全60巻(注)からなる全集。一部は現在でも改訂されている。当代きっての学者が執筆し、刊行から日を経た今でも参照されることが多い。中でも、次の書籍は定評が高く、有斐閣もオンデマンド出版に応じている。
注)例えば、初版は谷口知平・幾代通『戸籍法・不動産登記法』〈法律学全集25〉(1957)として出版されたが、改訂にあたり、分冊され、谷口知平『戸籍法[第3版]』〈法律学全集25-Ⅰ〉(1986)、幾代通・徳本伸一『不動産登記法[第4版]』〈法律学全集25-Ⅱ〉(1994)に分冊されたのを2巻と数えると、全78巻となる。
- 柚木馨・高木多喜男『担保物権法〔第3版〕』〈法律学全集19〉(1982)
- 我妻栄『親族法』〈法律学全集23〉(1961)
- 中川善之助・泉久雄『相続法[第4版]』〈法律学全集24〉(2000)
- 星野英一『借地・借家法』〈法律学全集26〉(1969)
- 鈴木竹雄・竹内昭夫『会社法〔第3版〕』〈法律学全集28〉(1994)
- 鈴木竹雄・前田庸『手形法・小切手法〔新版〕』〈法律学全集32〉(1992)
- 兼子一・竹下守夫『裁判法[第4版]』〈法律学全集34〉(1999)
- 三ヶ月章『民事訴訟法』〈法律学全集35〉(1959)
[編集] 注釈民法
1964年(昭和39年)に刊行が始まった、日本で最も信頼の置ける民法の逐条解説書。全26巻。現在は、全面改訂された新版注釈民法が出版中。同様の企画としては、注釈会社法、注釈刑法がある。
[編集] 雑誌
- ジュリスト - 創刊1952年
- 判例百選シリーズ(別冊ジュリスト)
- 法学教室 - 創刊1980年
- 民商法雑誌