村八分
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村八分(むらはちぶ)とは日本の村落の中で掟や秩序を破った者に対して課される消極的制裁行為についての俗称。
地域の生活における十の共同行為のうち、葬式の世話(死体を放置すると腐臭が漂う、また伝染病の原因となるため)と火事の消火活動(延焼を防ぐため)という、放置した場合他の人間に迷惑のかかる場合(二分)以外の一切の交流を絶つこと(残り八分は成人式、結婚式、出産、病気の世話、新改築の手伝い、水害時の世話、年忌法要、旅行)。また、「八分」は「はじく」(つまはじきにする)の訛ったもので、十分のうち二分を除いたものというのは後世の附会であるとの説もある。
江戸時代はこれを課されると入会地などの共同所有地が使えなくなり事実上生活が出来なくなった。
現代の日本の都市の内、新住民が多く住む地区では隣近所と疎遠なこともそれほど珍しくないが、現在でも田舎で、特に近所との連帯が必要とされる地域(農村、漁村など)では依然存在する現象で、生活不能な状態に追い込まれることもままあると言われているが、現在では脅迫罪が適用される行為といえる。
ちなみに、いわゆる若者言葉で一人を仲間はずれにすることを「ハブ」「ハブる」というが、これは村八分が語源といわれている。