東京理科大学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大学設置 | 1949年 |
---|---|
創立 | 1881年 |
学校種別 | 私立 |
設置者 | 学校法人東京理科大学 |
本部所在地 | 東京都新宿区神楽坂1-3 |
キャンパス | 神楽坂(東京都新宿区) 野田(千葉県野田市) 久喜(埼玉県久喜市) 長万部(北海道山越郡長万部町) |
学部 | 理学部第一部 理学部第二部 工学部第一部 工学部第二部 薬学部 理工学部 基礎工学部 経営学部 |
研究科 | 理学研究科 工学研究科 薬学研究科 理工学研究科 基礎工学研究科 経営学研究科 生命化学研究科 総合科学技術経営研究科 |
ウェブ サイト |
東京理科大学公式サイト |
東京理科大学(とうきょうりかだいがく、英称:Tokyo University of Science)は、東京都新宿区神楽坂1-3に本部を置く日本の私立大学である。1949年に設置された。大学の略称は正式には東京理大。ただし、状況に応じて理科大、東京理科大、東理大も使用される。
目次 |
[編集] 概観
[編集] 大学全体
東京理科大学は東京物理学講習所、そしてこれが改称した東京物理学校を母体とする大学である。夏目漱石の『坊っちゃん』に登場する「物理学校」は、この東京物理学校を指している。現在では入学に際し選抜試験が課せられるが、かつては入学試験を行わず、10人に1人程度しか卒業させないという方針が取られていた。
現在も進級・卒業に際してはかなりの関門を設けており、学部・学科によっては1年次の留年率が40%を超えるケースもある。このため、東京理科大学関係者の間では「入るよりも出るほうが難しい大学」として知られている。
[編集] 沿革
[編集] 略歴
政治・経済・法律に関する学問所が多かった1881年に「理学の普及を以って国運発展の基礎と成す」の信念の下、東京大学を卒業した21名の青年理学学士(櫻井房記・高野瀬宗則・千本福隆・中村精男・中村恭平・小林有也・寺尾寿・保田棟太・桐山篤三郎・信谷定爾・谷田部梅吉・加瀬代助・赤木周行・三守守・難波正・和田雄治・沢野忠基・三輪桓一郎・名村程三・鮫島晋・豊田周衛)によって東京物理学講習所が設立される。二年後に東京物理学校と改称。
1885年には財政が窮地に陥る。創立者21名のうち16名が「維持同盟」(一人30円の寄付と週2回の無償講義、教師が都合で講義に出られない時は理由を問わず25銭を払うという決まり)を結び、この場を凌ぐ。
設立当時、授業は夜のみで小学校の教室を間借りし、機材は理学学士の母校である東京大学からその都度借りては返すというやり方で、創立者達は仕事の傍ら無給で学生の指導にあたった。今日でも夜間部は、創立時から続く理学部第二部に加え工学部第二部が在り、社会人選抜が行われている。
[編集] 年表
- 1881年 東京物理学講習所設立。
- 1883年 東京物理学校と改称。
- 1889年 神田小川町に校舎取得。
- 1906年 神楽坂に新校舎竣工。
- 1923年 昼間部を設置。
- 1949年 学制改革により東京理科大学となる。それまでの昼間部は理学部第一部に、夜間部は理学部第二部となる。
- 1960年 薬学部を設置。
- 1962年 工学部を設置。
- 1967年 野田校舎竣工。同時に理工学部を設置。
- 1976年 工学部の夜間部として工学部第二部を設置。
- 1987年 野田校舎に基礎工学部を設置。
- 1988年 学校法人東京理科大学と名称変更。
- 1993年 久喜校舎竣工。同時に経営学部を設置。
- 2001年 英語表記をScience University of Tokyo(SUT)から現在のTokyo University of Science(TUS)に変更する。
- 2002年 理学部の応用数学科を数理情報科学科に改称。
- 2003年 薬学部が神楽坂校舎から野田校舎に移転。
- 2004年 九段にある旧都市基盤整備公団の土地・建物を取得。神楽坂キャンパスが2校舎体制になるため、他の「校舎」表記を「キャンパス」とする。
- 2006年 工業化学科を除く工学部第一部、工学部第二部が神楽坂校舎から九段校舎に移転。薬学部の製薬学科を生命創薬科学科に改名する。
[編集] 基礎データ
[編集] 所在地
- 神楽坂キャンパス(東京都新宿区神楽坂1-3)
- 野田キャンパス(千葉県野田市山崎2641)
- 久喜キャンパス(埼玉県久喜市下清久500 )
- 長万部キャンパス(北海道山越郡長万部町字富野102-1)
[編集] 教育および研究
[編集] 組織
[編集] 学部
大学の認可上、理学部および工学部の第一部と第二部は同一学部の第一部と第二部となっているが、大学内では学部長以下教学組織を完全に分離しており、独立した学部という扱いになっている。しかし、文部科学省の認可は「理学部」「工学部」として下りているため、政府関係の研究会や評議会、諮問会議などでは「東京理科大学工学部教授」などと表記される。本項では東京理科大学の組織形態および見解にあわせ、第一部と第二部を別学部として扱っている。
アルファベットによる学科の略は、理学部・工学部・薬学部の各学科はローマ字(例・数理情報科学科=Suri Joho Kagaku)から、その他の学部の各学科は英訳(例・建築学科=Architecture)から採られている。東京理科大学内部ではこの英字略称を使用することが多い。
- 理学部第一部
- 数学科(S科)
- 数理情報科学科(SJ科)
- 物理学科(B科)
- 応用物理学科(OB科)
- 化学科(K科)
- 応用化学科(OK科)
- 理学部第二部
- 数学科(2S科)
- 物理学科(2B科)
- 化学科(2K科)
- 工学部第一部
- 建築学科(A科)
- 工業化学科(C科)
- 電気工学科(E科)
- 経営工学科(i科)
- 機械工学科(M科)
- 工学部第二部
- 建築学科(2A科)
- 電気工学科(2E科)
- 経営工学科(2i科)
- 薬学部
- 薬学科(YP学科)
- 生命創薬科学科(YM学科)
- 2004年の学校教育法および薬剤師法の改正による薬学教育6年制への移行に伴い、2006年度から薬学科(6年制)、生命創薬科学科(4年制)の2学科に改組された。2017度までの生命創薬科学科入学者は、大学院薬学研究科の修士課程を修了し、不足科目の追加履修を一定期間内に行えば、薬剤師国家試験の受験資格を得られる。
- 理工学部
- 数学科(MA科)
- 物理学科(PH科)
- 情報科学科(IS科)
- 応用生物科学科(BS科)
- 建築学科(AR科)
- 工業化学科(CI科)
- 電気電子情報工学科(EE科)
- 経営工学科(IA科)
- 機械工学科(ME科)
- 土木工学科(CV科)
- 基礎工学部
- 電子応用工学科(TE科)
- 材料工学科(TM科)
- 生物工学科(TB科)
- 経営学部
- 経営学科(MS科)
[編集] 大学院
- 理学研究科
- 工学研究科
- 薬学研究科
- 理工学研究科
- 基礎工学研究科
- 経営学研究科
- 生命科学研究科
- 総合科学技術経営研究科(専門職学位課程)
[編集] 専攻科
- 理学専攻科
- 大学卒業者を対象とした夜間教育のための専攻科。
[編集] 大学関係者と組織
[編集] 大学関係者一覧
[編集] 施設
[編集] キャンパス
[編集] 神楽坂キャンパス
神楽坂キャンパスは、2004年に都市基盤整備公団旧本社を取得したことに伴い、2校舎体制となっている。
[編集] 神楽坂校舎
- 使用学部:理学部第一部・理学部第二部・工学部第一部工業化学科
- 使用研究科:理学研究科・工学研究科(工業化学専攻科)
- 使用附属施設:大学本部、近代科学資料館
- 所在地:東京都新宿区神楽坂
- 交通アクセス:飯田橋駅(JR中央総武線・地下鉄東西線・有楽町線・南北線・都営大江戸線)から徒歩5分~8分
狭い土地に建ち並ぶビル群となっている。校舎間の公道はほとんど私道化され、学生たちが群がっている。人のよく行き来するはずの図書室はなぜか1号館の9~11Fにある。外堀通りを市ヶ谷方向に、若宮校舎(数学科研究室)、11号館(ターミナル室)、5号館(化学科実験室)、10号館(化学科実験室)がある。10号館は市ケ谷駅の方がやや近く、法政大学のボアソナードタワーが外堀の橋を渡った目の前にある。各建物は迷路のような連絡通路で結ばれている。再構築計画が進行中であり、当初は2006年4月~9月に2・3・7・8・9号館を解体し、それに引き続き跡地に新2号館を新築する予定であったが、2006年10月現在、未だ解体はなされていない。
[編集] 九段校舎
- 使用学部:工学部第一部(工業化学科を除く)・工学部第二部
- 使用研究科:工学研究科(工業化学専攻科を除く)
- 使用附属施設:Stub
- 所在地:東京都千代田区九段北
- 交通アクセス:九段下駅(地下鉄東西線・半蔵門線・都営新宿線)から徒歩5分
神楽坂キャンパス再構築計画に伴い、2006年4月より工学部第一部(工業化学科を除く)・工学部第二部が臨時移転。校舎の目の前に靖国神社の鳥居が構え、ほかに日本武道館や北の丸公園などもある。神楽坂校舎から早稲田通りを東にまっすぐ徒歩10分ほどでたどり着く。
[編集] 野田キャンパス
- 使用学部:薬学部・理工学部・基礎工学部(2~4年次)
- 使用研究科:薬学研究科・理工学研究科・基礎工学研究科・生命科学研究科
- 使用附属施設:Stub
- 所在地:千葉県野田市
- 交通アクセス:運河駅(東武野田線)から徒歩10分
野田市南部、利根運河沿いにあるキャンパス。グラウンドや体育館、宿泊施設なども完備されている。講義棟や薬学部キャンパスなど新しい施設も多い。1990年までは国道16号の北東側もキャンパスの一部(自動車練習場)であったが、NHK朝の連続ドラマ「君の名は」の屋外セットロケ撮影地として利用された後、関東運輸局千葉運輸支局野田自動車検査登録事務所となった。キャンパスの隣に宗教法人霊波之光の施設がある。
[編集] 久喜キャンパス
敷地内にはぶどう園がある。
[編集] 長万部キャンパス
基礎工学部の1年次は全寮制の長万部キャンパスで過ごす。なお、4月の入学式を日本武道館で終えた新入生は、荷物をまとめてそのまま羽田空港へ向かう。この学部は留年が許されず、強制的に(習得単位数が0であっても)2年生に進級し、野田キャンパスに移動することになる。長万部町の年代別人口比率で10代が多いのは東京理科大学長万部キャンパスがあるため。
[編集] 対外関係
[編集] 系列校
学校法人東京理科大学が設置している以下の大学は系列校という扱いになっている。
[編集] 公式サイト
[編集] 参考文献
- 平成16年度版学園生活 東京理科大学
- 馬場錬成 『物理学校;近代史の中の理科学生』 中公新書ラクレ、2006年 ISBN 4121502078
この項目は、ウィキプロジェクト 大学のテンプレートを使用しています。