東武本線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東武本線(とうぶほんせん)とは、東武鉄道の路線のうち、伊勢崎線・日光線と、それらにつながる路線の総称。東上線系統を除いた東武鉄道各線と言え、離れている2つの路線網を便宜上区別するために使用される呼び名の一つ。
[編集] 概要
東武鉄道が東上鉄道(現 東上線)を吸収合併し、地域的に隣接しない路線網を持つことになったため、もともとの東武線を指すために「本線」とされる。
この呼称が伊勢崎線のことであると思っている人がいたり、伊勢崎線を指す呼称として一部企業で使用されていることもあるが、東武鉄道側は、路線群呼称として使用しており、「本線=伊勢崎線」という扱い方は採用していない[1]。東上線系統では越生線を除く東上線のみを指して「東上本線」と呼ぶことがあるのとは、同じ会社でありながら対照的である。
なお、「本線」と「東上線」とは沿線地域が離れているため、駅や列車の案内で「本線」の名称は使用されない。
また、総武本線(JR東日本)と類似している為、伊勢崎線や日光線など各路線名で呼ぶことも多い。
[編集] 該当する路線
[編集] 備考
東武本線だけを指して「東武線」と呼ぶことがあるが、「東武線」は単に「東武鉄道の路線」の意味で使われる場合があり(駅構内案内図で東上線の改札口を単に「東武線」と記したり、「東上線を除く」と断り書きを入れることで「本線」であることを明示することがある)、一方で、東上線沿線住民が東上線を指して「東武線」(または単に「東武」)と呼ぶこともある(ただし、東上線の旅客案内上は「東武線」という呼び名は使われていない)。このように同一の呼称が地域によって別の路線を指すという現象は、東武本線または東上線系統それぞれの利用者が、自分のよく使う路線を単に「東武線」と略して呼び、他方を名称で呼んで区別することから発生したと思われ(身近なものを暗黙の共通認識として略称するのはよくあることである)、同じ会社でありながら離れた地域に路線網を持ち、かつ互いにほとんど独立した存在である、という特殊な事情を如実に反映したものであると言える。