桂文珍
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桂 文珍(かつら ぶんちん 本名:西田 勤、1948年12月10日 - )は、吉本興業に所属する落語家である。
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[編集] 来歴・人物
素人時代に美憂亭 さろん(びゆうてい-、「ビューティーサロン」に由来)の芸名でテレビ出演をしており、その時に共演した桂三枝の勧めもあって、1969年10月に5代目桂文枝(入門当時は桂小文枝)に入門。当初三枝から「君は僕の次(2番弟子)やで」と言われていたが、文珍が入門する3日前に桂きん枝が入門したため、3番弟子となる。
「文珍」の芸名は習字の「文鎮」に由来する。小文枝が物を書いていた時に、風で紙が飛ばされそうになったため、近くにいた西田に「おい、押さえとけ」と言った。言われるまま紙を押さえたところ小文枝がその様子を見て、珍しい人物なので、文鎮にかけた「文珍」と命名したという。
1974年に、ヤングおー!おー!のユニット「ザ・パンダ」(月亭八方・桂きん枝・林家小染)に参加。若い頃は高座で「芸名桂文珍、本名滝廉太郎でございます」と名乗ったり郷里の篠山をネタにするなど、「丸眼鏡で地味な落語家」というイメージが強かったが、1980年代以降「ニューウェーブ落語」と称したパフォーマンスを取り入れた高座を開き、一躍新時代の落語家として注目を浴びる。
また、文藝評論家谷沢永一との縁から1988年より関西大学の文学部非常勤講師を務め(~2003年)、「文化人」としても認められるようになった。
2005年3月に、読売テレビ制作・日本テレビの「ウェークアップ!」(現:「ウェークアップ!ぷらす」)が終了したことを機に、今後はテレビ番組にほとんど出演せず、落語家に専念し若手の育成に励むことを表明。
弟子は、桂楽珍(らくちん)、桂珍念(ちんねん)、桂文春(ぶんしゅん)の3人。噂の域を出ないが「上方落語界で最も落語家に人望のない人物」として有名である。が、2005年頃から桂南光(米朝事務所所属)、笑福亭鶴瓶(松竹芸能所属)と所属事務所の垣根を越えたユニットを組んでテレビ番組の特番に出演したり、落語会の公演に出演するなど、従来の枠を超えた活動を始めている。
また、飛行機の操縦資格を持っており(1990年8月に自家用航空機操縦士免許、1994年4月には計器飛行証明免許を取得)、自身がオーナーの飛行機(スピード・カナード SCOIB-160、日本で1機のみ存在)を操縦し公演先まで遠方飛行する等、多趣味、多彩な面を持つ。セスナを飛ばす芸能人としても全国的に有名である。
一見温厚に見えるが実際は短気で、怒ると東京弁になる。「森田一義アワー 笑っていいとも!」にレギュラー出演していた当時、出演者が登場してきただけで大喜びしたり大げさに笑ったりするスタジオ来場者に対し、真顔で「お前ら、何が面白いんだ!」と怒鳴ったことがある。場内は静まりかえったが、一瞬の間の後に「申し訳ありません、マジになってしまいました」と笑顔で謝罪した。
2004年 同年より年に1回、桂南光、笑福亭鶴瓶との落語会「夢の三競演 三枚看板 大看板 金看板」を開催、落語会としては破格の6,000円を超える料金が話題となる。
[編集] 出演
[編集] テレビ番組
- 森田一義アワー 笑っていいとも!(フジテレビ) - 1982年~1984年ごろ、『美少年コンテスト』アシスタント
- ヤングおー!おー!(MBS)
- クロスワードクイズ・Theエイリアン(ABC) - 1980年4月~1981年4月
- クイズMr.ロンリー(MBS) - 1982年~1987年
- おもしろクイズBOX(日本テレビ) - 1983年~1985年
- 文珍・頭の新体操(ABC) - 1984年10月~1985年9月
- 文珍なぞなぞランド(ABC) - 1986年~1987年
- スター爆笑Q&A(読売テレビ) - 1986年~1992年
- クイズ地球まるかじり→文珍・ゆきえの地球まるかじり→食キングクイズ地球まるかじり(テレビ東京) - 1984年~1994年
- 週刊文珍(日本テレビ) - 1989年
- 文珍のシネマ倶楽部 解説担当(KBS京都)
- はなきんデータランド(テレビ朝日)
- ウェークアップ!(読売テレビ) - 1991年~2005年
- 目玉とメガネ(読売テレビ)- 1994年~1996年
- クイズ日本人の質問→新・クイズ日本人の質問(オレンジのものしり博士)(NHK) - 1993年~2003年
- NHK人間講座「文珍流落語への招待」2000年
- 風のハルカ 四方山一行役(NHK朝の連続テレビ小説 2005年度下半期)
- もっともっと関西(NHK大阪放送局)(コメンテーター 木曜日)- 2006年~
[編集] ラジオ番組
[編集] テレビコマーシャル
[編集] 映画
- ゴルフ夜明け前(1987年)
- 夢見通りの人々(1989年)
- パンツの穴 花柄畑でインプット(1985年)
[編集] 受賞歴
- 咲くやこの花賞(1983年、大衆芸能部門【落語】)
- 上方お笑い大賞(1981年、第10回・金賞)
- 上方お笑い大賞(1983年、第12回・大賞)
- 花王名人大賞(1983年、第3回・最優秀新人賞)
- 花王名人大賞(1984年、第4回・最優秀名人賞)
- 花王名人大賞(1985年、第5回・名人賞)
- 日本放送演芸大賞(1984年、第12回・奨励賞)
[編集] 著作
- 文珍流・落語への招待
- 落語的学問のすすめ(1989年)
- 落語的学問のすすめPARTⅡ(1990年)
- 新落語的学問のすすめ(2000年)
- 日本の大学―この国の若者は、こんなんでっせ(1990年)
- 科学する十二の扉(1992年)
- 日本のサラリーマン(1992年)
- 文珍の日本史人物高座(1992年)
- 文珍でえっせー(2000年)
- 対談集 浪花友あれ(1990年)