極道シリーズ
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極道シリーズ(ごくどうシリーズ)は1968年から1974年に東映で若山富三郎主演で製作されたヤクザ映画である。シリーズは合計で11本製作された。
シリーズに連続性がある事は非常に曖昧である。何故なら、一度死んだはずの登場人物が次の作品には何事もなく生きていする。それは主人公の島村清吉が敵対する組織の組長も同様である。時間軸も上映された作品通りの順番ではなかったりする。物語の基本的なパターンは毎回、島村が悪徳ヤクザ相手と戦うというもの。第1作~第3作は従来のシリアス路線のヤクザ映画を目指したものだが回を追うごとに島村の性格はコミカルなものになり、シリアス路線からコメディ路線の方へと向かう事になった。それでも、決める時は決める、という作品のテーマが破られる事はなかった。
[編集] 登場人物(キャスト)
- 島村清吉(しまむら せいきち) ・・・若山富三郎
大阪釜ヶ崎に縄張りを持つ島村組の組長で、通称「釜ヶ崎のカポネ」。短気で 頭が悪く、縄張り拡大のためなら手段を選ばず、女好きで浮気癖があるために妻のみね子の悩ませる事もしばしば。しかし、義理人情に厚く、子分思いで堅気の人間には手を出さない事を信条としている。腕っ節も強く、体に何発もの銃弾を受けても死なない強靭な肉体の持ち主でもある。当初は縄張りを拡大して関西一帯を治めようと目論んでいたが、第10作『極道VSまむし』第11作『極道VS不良番長』では組を解散して子分たちとともに堅気の道を歩もうとする。子分たちからは親父さんと呼ばれている。
作品ごとに名前と設定は異なるが、頭の悪い島村を持ち上げるために組の参謀格もしくはナンバー2だったり、島村と肩を並べるヤクザの組長として出演する事が多い。決まって、島村からは兄弟、島村の子分たちからはおじ貴と呼ばれている。
- 島村みね子・・・清川虹子
島村の妻。元々、闇市で娼婦を引き連れて商売をしていたが島村と知り合い、夫婦になる(第6作『極道 釜ヶ崎に帰る』)。浮気した島村を毎回、怒るのがパターン。香港で事業を起こしたり、釜ヶ崎でホルモン焼き屋を経営して、組を維持している。男勝りな性格だが夫の身を心配して涙を流すという女性らしい部分もある。
- ジョージ・・・ 山城新伍
島村の子分の一人。組のナンバー3もしくはナンバー2で島村のボディガードも務めている。トレードマークはサングラス。毎回、島村が何か話す時、言い間違えたりすると横からそれを教えたり、英単語の解らない島村にその意味を教えるのがお決まりのパターン。第2作『帰って来た極道』では装甲車を持って来たり、儲け話をどこからか拾ってきたりと、島村のためによく走り回っている。
- 岩田照男・・・潮健児
島村の子分の一人。島村に対する悪口に誰よりも怒り、島村が事件を起こす度にその身代わりを進んで引き受けて、警察に出頭する。役柄のせいか、滅多にラストの戦いには参加しない。
- 栗原修・・・待田京介
島村の子分の一人。第1作『極道』で敵の組長を刺し、逮捕される。第2作『帰って来た極道』では堅気になり、広告会社で働いていて、妻と一緒に出所した島村を出迎えた。その際、組に戻りたいと告げたが、島村に「わしはお前が堅気になったというのを聞いて、喜んどったんやぞ!」と言われ、叱られた。島村が歌手を集めて、歌謡ショーを開催した時、劇場を確保したりと堅気になった後も島村のために尽くしたが、最後は島村の敵である天誠会の放った殺し屋から島村を守るために死んだ。以後、島村組の登場人物の中では唯一、生きかえる事も別の役で出演する事もなかった貴重な存在。
- パク・・・関山耕司
第2作「帰って来た極道」でみね子が香港で雇った中国人のボディガード。島村の子分だが香港ではヤクザの組長でもある。日本語堪能で「親分の○●は奥さんの○○、奥さんの○●は僕の●○アルね。」が口癖。第5作「旅に出た極道」では抗争で死ぬが、第8作「釜ヶ崎極道」では何事もなかったのように生きかえっていた。
- 神坂謙次・・・渡瀬恒彦
第11作「極道VS不良番長」のみの登場。本来は当時、極道シリーズ同様に東映ヤクザ映画で人気を得ていた「不良番長シリーズ」の登場人物。暴走族・カポネ団の番長で、総番である兄・弘(梅宮辰夫)が岐阜で怪我をしたため、入院費用を稼ぐために岐阜で暴れ回っていた時、島村と知り合った。島村とは衝突を繰り返しながら、最後は和解するようになった。