民衆の敵
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民衆の敵(An Enemy of the People)はヘンリック・イプセンによって1882年に書かれた戯曲、及びそれを原作として製作された映画、演劇である。 アメリカでの演劇脚本はアーサー・ミラーによって書かれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 物語
19世紀後半、ノルウェーの田舎町で温泉が発見され、町の人々は観光による町おこしを目論む。 しかし、開業医トマス・ストックマンは、町の製革所(経営者はトマスの妻の父親)からの廃液が浴場を汚染していることを発見する。 彼は兄である町長に源泉の使用中止を進言するが、利益を優先するため経費のかかる温泉の引きなおしは却下され、現実を訴えるために開かれた町民集会でも彼の意見は抹殺されてしまう。 彼の医師の倫理と人間としての正義感は民衆にとっては敵でしかないのだった。彼とその家族は次第に孤立して行く…。
[編集] 映画
- 1978年制作
- 制作総指揮 スティーブ・マックイーン
- 制作・監督 ジョージ・シェーファー
- 出演
- スティーブ・マックイーン
- ビビ・アンデルセン
- 配給 日本ヘラルド映画
アクションスターとして名声を得ていたマックイーンであったが、性格派俳優のスペンサー・トレイシーを尊敬し、アクターズ・スタジオで演劇を学んだ彼は文芸作品にも強い関心を抱いていた。原作に惚れ込んだ彼は映画化権を取得、自身が主宰するソーラープロで映画化した。役作りのため体重を増やし、眼鏡をかけ髪と髭を伸ばした姿はマックイーンと気づかぬ者が出るほどで、スタントのない抑えた演技で人間ドラマを演じた。 しかし彼の熱意とは裏腹に、この極めて地味な作品の評価は低く、全米での公開は見送られてしまう(大学などでの自主上映は行われた)。日本においても日本ヘラルド映画(現:角川ヘラルド映画)が購入し、試写会の実施や宣伝材料の作成は行われたもののやはり未公開となり、制作から30年を経てもビデオソフト化もされていない。
[編集] 映画
「人民の敵」(原題 En folkefiende. 英語のタイトルはAN ENEMY OF THE PEOPLE)
- 2005年ノルウェー映画 87分
- 監督 エリック・ショービャルグ(エーリク・ショールビャルグ)
イプセンの原作によりつつも、 時代を現代にうつして携帯電話やテレビの討論番組などのメディアを登場させ、 主人公はテレビタレント、 その兄をミネラルウォーターの会社の社長とするなど,設定を変更している。
2006年11月9日~11日に開催されたイプセン没後100年記念フェスティバル「我々にとってのイプセン」の企画のひとつとして、 11月10日に早稲田大学・小野記念講堂で上映された。
[編集] 演劇
- 2006年(イプセン没後100周年記念公演) 燐光群公演、大浦みづき他出演
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