海中公園
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海中公園は国立公園、あるいは国定公園に含まれており、その中で特に優れた海中の資源、自然景観を保全するために設けられた地区のこと。自然公園法によって管理される。
平成18年現在、国内には31の地区が指定、指定に関係している公園は14箇所に上り、また総面積は1,409.6ヘクタールに及ぶ。
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[編集] 海中公園の特徴
海中公園は重要度によって、その中で2つの地区に分けられる。
海中公園地区は特に海産資源、海底地形などにおいて特に重要とされている地区で、公園の根幹を成す。
普通地区はその海中公園地区の周囲1㎞を占める。風景、景観の維持を図ることが目的である。
いずれにしても、視覚に訴えた自然保護ではなく、資源を含めた自然の保護という観点に基づいた指定である。しかしながら、海中公園には自然保護と共に観光資源としての一面も持ち、串本海中公園を皮切りに全国の至る海中公園に海中展望塔など施設等々が設けられるようになり、これらも含めて海中公園と呼ぶのが一般的である。これらは観光振興に一役買っており、人が自然と触れあう公園としての役割を持っている地区もある。また、地区によっては自由に遊泳することも可能であり、スキューバダイビングなどのメッカとなっている所も見られる。
[編集] 設置の背景
この海中公園は国内だけでなく、国際会議によって設置するように定められたものである。契機は1962年に実施された第1回世界国立公園会議であり、その中の議題の一つとして陸上だけでなく、海中の自然、景観についても提起され、それを保全すべく海中公園設置の検討を行うよう勧告を受けたことが始まりである。それを受けた日本政府は環境庁(現環境相)に国内でも特に海中景観が優れた地区の調査を行うことを命じ、その結果昭和45年に自然公園法改定によって、串本、海中公園の設置を行うことになった。
その背景には急激な工業化、経済成長によって公害問題が深刻になりつつある中で、工場や住宅による汚水の流出、レジャー開発などの影響を受け、海中の環境が著しく悪化していながらも従来の公園制度では陸上しか対象となっていなかったことがある。
[編集] 海中公園の歴史
- 1962年(昭和37年):シアトルにて世界国立公園会議を開催。各国に海中公園の設置検討の勧告が出される。
- 1964年(昭和39年):日本自然保護協会が、海中公園調査委員会を設置し、委員会が設置に向けて動き出す。
- 1966年(昭和41年):厚生省(現厚労省)の中で海中公園の調査に関する経費を計上。設定に向け、有望な海域の調査を開始する。
- 1970年(昭和45年):自然公園法の一部改正法案が可決。5月16日付けで施行される。同7月に全国で串本、天草など10箇所の海底公園を設置。
[編集] 海中公園での制約
海中公園は海中景観を守ることが目的であり、そのために指定された地域では開発に制約が掛かる。たとえば、以下の行動を行う際には環境大臣(国定公園の場合都道府県知事)の許可を得なければならない。
また、以下の行為は禁止されており、公園法によって罰せられることがある。
- 大量のゴミ投棄
- 利用者へ著しく迷惑を掛ける行為
[編集] 日本国内の海中公園
(公園の名称、海中公園の名称、海中公園地区の指定箇所の順)
[編集] 国立公園内の海中公園
- 陸中海岸国立公園 気仙沼(昭和46年1月22日)…3箇所
- 小笠原国立公園 小笠原(昭和47年10月16日)…7箇所
- 富士箱根伊豆国立公園 三宅島(平成6年11月7日) …2箇所
- 吉野熊野国立公園 熊野灘二木島(昭和50年12月19日) …2箇所
串本 (昭和45年7月1日) …5箇所
- 山陰海岸国立公園 五色浜(平成2年4月6日) …1箇所
豊岡 (昭和46年1月22日) …1箇所
竹野 (昭和46年1月22日) …1箇所
浜坂 (昭和46年1月22日)…1箇所
浦富海岸(昭和46年1月22日) …2箇所
- 大山隠岐国立公園 島根半島(昭和47年10月16日) …1箇所
浄土ヶ浦(昭和50年12月11日) …2箇所
代 (昭和50年12月11日) …1箇所
国賀 (昭和50年12月11日) …1箇所
海士 (平成9年9月19日) …1箇所
- 足摺宇和海国立公園 沖ノ島 (昭和47年11月10日) …5箇所
竜串 (昭和47年11月10日) …4箇所
樫西 (昭和47年11月10日) …2箇所
勤崎 (平成7年8月21日) …1箇所
尻貝 (平成7年8月21日) …1箇所
- 西海国立公園 福江 (昭和47年10月16日) …2箇所
若松 (昭和47年10月16日) …3箇所
- 雲仙天草国立公園 富岡 (昭和45年7月1日) …2箇所
天草 (昭和45年7月1日) …1箇所
牛深 (昭和45年7月1日) …9箇所
- 霧島屋久国立公園 桜島 (昭和45年7月1日) …2箇所
佐多岬 (昭和45年7月1日) …2箇所
栗生 (平成14年2月19日) …3箇所
- 西表国立公園 竹富島タキドングチ(昭和52年7月1日) …1箇所
竹富島シモビシ(昭和52年7月1日) …1箇所
黒島キャングチ(昭和52年7月1日) …1箇所
新城島マイビシ(昭和52年7月1日) …1箇所
[編集] 国定公園内の海中公園
- ニセコ積丹小樽海岸国定公園 積丹半島(昭和47年10月16日) …3箇所
小樽海岸(昭和47年10月16日) …3箇所
- 下北半島国定公園 仏ヶ浦 (昭和50年12月11日) …3箇所
鯛島 (昭和50年12月11日) …1箇所
- 南房総国定公園 勝浦 (昭和49年6月7日) …1箇所
- 佐渡弥彦米山国定公園 外海府 (昭和46年1月22日) …2箇所
相川 (昭和46年1月22日) …2箇所
小木 (昭和46年1月22日) …1箇所
- 能登半島国定公園 木ノ浦 (昭和46年1月22日) …2箇所
内浦 (昭和46年1月22日) …3箇所
阿波竹ヶ島(昭和47年10月16日) …2箇所
- 玄海国定公園 玄海 (昭和45年7月1日) …5箇所
- 壱岐対馬国定公園 壱岐辰ノ島(昭和53年6月16日) …1箇所
壱岐手長島(昭和53年6月16日) …1箇所
壱岐妻ヶ島(昭和53年6月16日) …1箇所
対馬浅茅湾(昭和53年6月16日) …1箇所
対馬神崎 (昭和53年6月16日) …1箇所
- 日豊海岸国定公園 蒲江 (昭和49年2月15日) …1箇所
南北浦 (昭和49年2月15日) …4箇所
- 日南海岸国定公園 日南 (昭和35年7月1日) …6箇所
- 奄美群島国定公園 笠利半島東海岸(昭和49年2月15日) …1箇所
摺子崎 (昭和49年2月15日) …1箇所
瀬戸内海 (昭和49年2月15日) …3箇所
亀徳 (昭和49年2月15日) …1箇所
与論島 (昭和49年2月15日) …1箇所
- 沖縄海岸国定公園 沖縄海岸 (昭和47年5月15日) …1箇所
渡嘉敷 (昭和53年12月9日) …1箇所
座間味 (昭和53年12月9日)