滑走路
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滑走路(かっそうろ-runway)とは飛行機が滑走するための直線状の道のこと。
外見はただの長い道路だが、飛行機が着陸するときの衝撃に耐えられるよう通常の道路などに比べ丈夫にできている。また夜間でも離着陸が行えるよう誘導灯が埋め込まれていることが多い。
また、離着陸時の高速走行においても機体の揺れが少ないように、滑走路表面の凹凸は極めて少ない。
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[編集] 滑走路の長さ
飛行機の運行に必要な滑走路の長さは、ただ単に「車輪が接地している間に走行する距離」だけでは足りない。必要とされる滑走路の長さとは、通常の離陸で滑走を始めた点から浮上して高度35フィートに達した瞬間の直下の点までである。これが、その空港の滑走路長におさまっているならば、離陸決心速度(V1)に達しない時点での緊急離陸中止のとき、滑走路内で停止できるのである。同様に着陸に使用するには飛行機の着陸距離の1.67倍の距離が必要とされている。現実には、その運航の時点での天候・滑走路の状態・その飛行機の総重量などにより、必要滑走路長がその都度変化するのであり、必要滑走路長がその空港の滑走路長を逸脱しないように、搭載貨物量などを決めることになる。
日本で最長の滑走路は成田国際空港の4000mである。関西国際空港の2本目の滑走路(2007年供用開始予定)も4000mであり、計画では中部国際空港も4000m滑走路を2本(開港時は3500mを1本)建設することになっている。
[編集] 横風用滑走路
東京国際空港を一例とする、運航回数の特に多い空港では、横風での離着陸の安定を期するため、主要な滑走路とは別に向きを変えた滑走路を設けている。このような滑走路のことを、横風用滑走路という。その場合でも、主要滑走路より短いものである場合がほとんどといってよい。
[編集] 路面標示
滑走路には標示があり、この滑走路の標示に書かれていることは、ほとんどの空港で共通である。滑走路の標示は、以下のようなものが書かれている。
- 矢印
- 中央区間線
- 固定距離線
- 滑走終了線
- 滑走路の方向角度の数字
[編集] 飛行援助施設
滑走路及びその周辺には、どのような状況においても安全に着陸できるよう飛行援助施設が充実している。
滑走路は滑走路番号と呼ばれる磁北からの方位角(時計回り、度単位)を1/10した数値で表わされ、36/18など表記される。
舗装は通常はアスファルトによるが、戦闘機のアフターバーナーの炎の影響が大きい場合はコンクリート舗装とする。小さい飛行場、大きな空港でも短い滑走路では舗装されていないこともある。
ブレーキ性能の向上のため、滑走路の全面に渡って、滑走路の長手方向と直角に細い溝切りを施す。これをグルービングという。