濡烏
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濡れ烏(ぬれからす)とは女性の髪の色彩を形容する言葉。 日本人女性の理想美であり、もっと一般的には烏羽色、濡れ羽色とも言う。 青みを帯びた黒を指す。
[編集] 濡れ色
色彩は、対象となる物体から跳ね返ってきた光の波長で成り立つ。 対象が光を全て透過する場合は透明に、全て吸収する場合は黒く、全て反射する場合は白く見える。 同じ色の塗料を塗っても表面に細かい凹凸が多いと光が乱反射して、対象は白っぽく見え易い。 布などが水を含むと表面の毛羽が水を含んで寝てしまい、一時的に表面が滑らかになることで色が濃く見える。 これを濡れ色効果という。
「濡れ烏」もこの「濡れ色効果」によって本来黒い烏の羽が更に黒味を増し、水分によって更に艶が増した色合いをさすが、このとき光の干渉が起こり、黒い羽毛の上に青や緑、紫などの干渉色が浮かぶ。 モンゴロイドに属する平均的な女性の髪は、黒っぽい色でまっすぐな髪質、水や髪油などを含むと健康な髪の場合、先の烏の羽を髣髴とさせるような干渉色が浮かぶことがある。 ただの黒ではなく、この健康な髪の証ともいえる美しい干渉色が浮かんだ状態を呼ぶのが「濡れ烏」である。
烏は増える一方だが、現在は鴇色に続く絶滅危惧色名となりつつある。