焼夷弾
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焼夷弾(しょういだん 英:Incendiary bomb)は、爆弾・砲弾の一種で、攻撃対象を焼き払うために使用する。焼夷剤として使う物としては、主に後述するテルミットや油脂、黄燐の他にも重油などが用いられている。
[編集] 概要
主として、テルミット反応を利用したエレクトロン焼夷弾、油脂の燃焼を利用した油脂焼夷弾、黄燐の自然発火現象を利用した黄燐焼夷弾の3種が利用される。
米軍が東京大空襲で使用したM69集束焼夷弾や、ベトナム戦争で多用されたナパーム弾が有名。
余談だが、黄燐焼夷弾の不発弾が地中に埋まり、それを含んだ土や岩が掘り起こされたりなどして空気に触れ発火する、という事故が沖縄やフィリピンで起こり、新種の鉱物か、と騒がれたことがある。
[編集] M69集束焼夷弾
木造の日本家屋を効率よく焼き払う為、第二次大戦時に米軍が開発した焼夷弾。 複数の焼夷弾をひとまとめとした親子爆弾の構造を取っており、 投下後に上空700m程度で38発の子弾へ分離し、一斉に降り注ぐ。
子弾1発あたりの大きさは、直径8cm・全長50cm・重量2.4kg程度。
人体への直撃による被害
焼夷弾は目標を焼き払う為の兵器であるが M69は子弾が非常に小型であり、尚且つ分離し大量に降り注ぐ為 直撃による即死が多くの被災者の証言に見られている。
例えば戦争を題材にしたアニメ・映画では 落下した焼夷弾が家屋や地面に激突し大爆発を起こし燃え上がる描写が多く見られる。 だが実際には避難民でごった返す大通りに大量に降り注ぎ 子供を背負った母親や、上空を見上げた人間の頭部・首筋・背中に突き刺さり即死、 そのまま燃え上がるという凄惨な状況が多数発生していた。
「火の雨」の様に見える理由
M69の発火は、対象への激突後である。しかし「火垂るの墓」をはじめとする戦争映画等では、 火のついた焼夷弾が「火の雨」となって落下する描写がある。(多くの空襲被災者の証言にも見られる)
M69の子弾には、目標(木造家屋の瓦屋根等)への貫通力を高めるため 姿勢を垂直に保つ目的のリボン(細長い布)が取り付けられている。 上空での分離時に使用されている火薬によって、このリボンに着火し それがあたかも火の帯のようになり一斉に降り注ぐ為、火の雨が降るように見えるのである。
[編集] 関連項目
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