王配
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王配(おうはい)とは、一般に、統治女王(queen regnant)の配偶者のこと。王妃(queen consort)の男性版にあたる。英語では、prince consortという(ただし、この語は女帝(empress regnant)の配偶者(皇配)も含む。)。王婿とも。
ヨーロッパにおける王配の称号には、
- "King Consort"(スペイン、ポルトガル、スコットランド。「配偶者たる王」の意。)
- "Prince Consort"(イギリス、ポルトガル。「配偶者たるprince(公)」の意。princeは王族に与えられる称号である。)
- "Prince"(前述のように王族に与えられる称号。最も一般的。)
などがある。
中国や日本では配偶者がいる女性が皇帝や天皇として即位した例がないこともあり、これらに対応した適切な訳語が存在しない。またそもそも「王配」という言葉があまり一般的ではないこともあり、他人の夫に対する敬称である「夫君」(ふくん)が代わりに用いられることもある。
なお、妻と共に共同君主である場合は王配ではなく(共同)国王なので区別を要する。この例としてはカスティーリャ国王フェリペ1世(ただし国王として認められたのは死後)やイングランド国王ウィリアム3世などがある。
[編集] 有名な王配
- ダーンリー卿ヘンリー・ステュアート - スコットランド女王メアリーの王配。"King Consort"の称号。
- ポルトガル国王フェルナンド2世 - ポルトガル女王マリア2世の王配。"King Consort"の称号。
- ロイヒテンベルク公アウグスト - ポルトガル女王マリア2世の王配。"Prince Consort"の称号。
- カスティーリャ及びレオン国王フェリペ2世 - イングランド女王メアリ1世の王配。"King"の称号。
- 神聖ローマ皇帝フランツ1世 - ハンガリー女王、ボヘミア女王としてのマリア・テレジアの王配
- カンバーランド公ジョージ - イギリス女王アンの王配。(称号はなし?)
- アルバート - イギリス女王ヴィクトリアの王配。"Prince Consort"の称号。
- エディンバラ公フィリップ - イギリス女王エリザベス2世の王配。"Prince of the United Kingdom"の称号。
- フリードリヒ・フォン・ヘッセン=カッセル - スウェーデン女王ウルリカ・エレオノーラの王配。妻が退位すると代わって自らがスウェーデン王フレデリク1世として即位。