発掘調査
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発掘調査(はっくつちょうさ)とは、狭義には、考古学及び埋蔵文化財の調査における法律用語として、遺跡の遺構と遺物の出土状態を実測図と写真に記録保存するために遺構を掘り下げる調査をいう。広義には、地表面からは確認できない遺構の所在を確認するための試掘調査(しくつちょうさ)や遺構の性格の概要までを把握する確認調査(かくにんちょうさ)を含めた遺跡の調査総体のこと、及び古生物学で化石を探すためなどの目的で特定の場所を掘削する学術的な調査のことをいう。
[編集] 土地開発による発掘調査
通常、建築物を建てる際や道路、鉄道などを通す際の土地の再利用の際に破壊が予測される遺跡を記録保存するために地方公共団体、財団法人の埋蔵文化財調査事業団若しくは埋蔵文化財センター、地方公共団体が大学教授などに依頼して組織された発掘調査団、遺跡調査会などが発掘調査を行う。これを特に緊急発掘調査と呼ぶことがある。埋蔵文化財包蔵地でなくても工事中に偶然遺跡が発見される(不時発見)ことがしばしばあるが、多くは発掘調査終了後に記録として保存されるのみで遺跡は破壊される場合が多い。しかしその中でも本来の計画を変更し、歴史公園などとして保存する例もある。そういった例では、工業団地造成のための発掘調査で大規模な集落跡が見つかった佐賀県の吉野ヶ里遺跡などが有名である。