羽生善治
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羽生 善治(はぶ よしはる、1970年(昭和45年)9月27日 - )は、日本の将棋棋士。血液型AB型。棋士番号175。埼玉県所沢市生まれ(出身は東京都八王子市)。二上達也門下。東京都立富士森高等学校中退、その後東京都立上野高等学校(通信制)卒業。
中学3年で四段に昇段。圧倒的な強さを誇り、常に勝率、獲得賞金のトップに君臨し、1996年(平成8年)にはタイトル七冠全てを独占。誰もが認める将棋界現役最強の棋士である。
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[編集] 人物
- 小学校1年生で将棋を覚える。その後、八王子の将棋道場に通うようになり、めきめきと上達。
- 子供のころから将棋が家族内であまりにも強すぎたために、家族が不利な展開になったときは将棋盤を180度回転して、それまで家族が指していた劣勢な側を善治が、それまで善治が指していた優勢な側を家族が指し継ぐという家族内ルールが存在した。
- 5年生の頃から、関東各地の子供将棋大会を総なめにする。母親が我が子を見つけ易くするため、いつも広島東洋カープの赤い帽子を被らされていて、周囲からは「恐怖の赤ヘル」と恐れられていた。
- 関東各地の子供将棋大会で森内俊之と知り合い、この頃からライバル関係となる。
- 小学生名人戦で優勝後、奨励会入り。驚異的な速度で昇級・昇段を重ね、加藤一二三、谷川浩司に続き史上3人目の中学生棋士となる。
- 低段時には、上目使いで相手をにらみつける(ように見える)「ハブにらみ」が相手を恐れさせた。
- オールラウンドプレイヤーで、幅広い序盤戦型、柔軟な発想と決断力、豊富な戦術に定評がある。終盤での絶妙の勝負手や、他の棋士が思いつかないような独特な寄せ手順などは「羽生マジック」と称される。
- 羽生と同世代の棋士には強豪が多く、「羽生世代」と称されている。
- 1989年12月に当時の竜王・島朗を4-3のフルセットの末に制し、当時としては史上最年少となる19歳2ヶ月でタイトル獲得。翌年11月に谷川浩司に1-4で失冠し、無冠となるが(そのときの肩書きは「前竜王」)、3か月後の1991年2月の棋王戦で南芳一から3-0でタイトルを奪取し、それ以降は無冠となったことがない。
- 初めて竜王を取った頃、先輩棋士(自分より位が高い棋士)と対局する際、上座に座るべきか下座に座るべきか対局者が来るまで悩んでいた。(著書『決断力』より)
- 1995年7月に女優の畠田理恵との婚約を発表、1996年3月28日に結婚式を挙げた。
- 1996年2月14日に七冠独占を成し遂げた。タイトルが7つとなってからは史上初めて、かつ2006年現在では唯一の記録である。
- 1997年7月に長女、1999年11月に二女が誕生。2人の女の子の父親となる。
- 2005年10月1日、王座戦で佐藤康光の挑戦を退け防衛し、1959年~1971年にかけて大山康晴が名人戦で樹立した同一タイトル連覇記録13連覇を抜き史上初の14連覇を成し遂げた。ただし、数字の上では大山の記録を抜いたものの、大山の記録は棋戦最高峰の名人戦でのものあるため、大山がより偉大なものであるという意見もある。
- 2006年の王将戦で佐藤康光の挑戦を受け3連勝しながら3連敗し、あわや将棋のタイトル戦史上初の3連勝後の4連敗を喫するところだったが、第7局を制し大逆転は実現させなかった。3連勝3連敗で最終局を迎えるのは1978年の十段戦で中原誠十段(当時)が米長邦雄八段(当時)に記録して以来2度目。
- 2006年の王座戦で昨年に引き続き佐藤康光の挑戦を受けたが、3連勝のストレートで防衛を果たし、獲得タイトルが通算65期となり中原誠(64期)を抜き、通算タイトル獲得数で、歴代単独2位となった。
- 寝癖がトレードマークであったが、結婚後はあまり見られなくなった。
- 演歌歌手・長山洋子の歌「たてがみ」は、羽生に対するオマージュソングである。
- 能條純一の漫画作品『月下の棋士』の主人公、氷室将介のモデルと言われている。
- 趣味は水泳とチェス。チェスでは、FIDE Masterの称号を持ち、2006年4月現在において日本国内のレーティング1位と、国内屈指の強豪でもある。
- 2006年11月14日に八王子市より八王子観光大使を委嘱される。
- お笑い芸人Bコースのメンバー、ハブは彼の親戚にあたる。
- 子供の頃公文式をしていたため、CMに起用されたり、その頃から七冠王になるまでを書いた本(羽生善治ストーリー、マンガ形式)もある。
- 一般人からの知名度が抜群であるが故に、彼が(常に)「名人」であると勘違いされ、名人位を持っていないときも「羽生名人」と呼ばれることも少なくない。
[編集] 昇段履歴
- 1982年12月 - 6級
- 1984年 - 初段
- 1985年12月18日 - 四段
- 1988年4月1日 - 五段
- 1989年10月1日 - 六段
- 1990年10月1日 - 七段
- 1993年4月1日 - 八段
- 1994年4月1日 - 九段
[編集] 主な成績
(2006年10月現在)
- 竜王戦 - 1組(1組以上 - 16期)
- 順位戦 - A級(A級以上 - 13期)
[編集] 獲得タイトル
- 竜王 6期(第2期・5期・7期~8期・14期~15期)
- 名人 4期(第52期~54期・61期)
- 棋聖 6期(第62期~66期・71期)
- 王位 12期(第34期~42期・45期~47期)
- 王座 15期(第40期~54期)
- 棋王 13期(第16期~27期・30期)
- 王将 9期(第45期~50期・52期・54期~55期)
1996年には七冠全てを制覇した。通算タイトル数は65期で、大山康晴(80期)に次ぐ2位。
2006年10月現在、永世棋聖・永世王位・名誉王座・永世棋王の永世称号を保持している。
[編集] 一般棋戦の優勝歴
- 若獅子戦 2回(第10回・12回)
- 天王戦 2回(第3回・4回)
- 新人王戦 1回(第19回)
- NHK杯 6回(第38回・41回・45回・47回・48回・50回)
- JT将棋日本シリーズ 3回(第12回・20回・24回)
- 早指し選手権 3回(第26回・29回・36回)
- 銀河戦 4回(第8期・9期・12期・14期)(※非公式戦時代の5期・6期にも優勝)
- 全日本プロ 3回(第8回・10回・12回)
- 朝日オープン将棋選手権 3期(第22回~24回)
- 勝ち抜き戦(5連勝以上) 4回(第11回(6連勝)・13回(5)・20回(16)・22回(7))
合計31回(歴代2位)
[編集] 将棋大賞
- 第14回(1986年度) - 勝率一位賞・新人賞
- 第15回(1987年度) - 勝率一位賞・最多勝利賞・敢闘賞
- 第16回(1988年度) - 最優秀棋士賞・勝率一位賞・最多勝利賞・最多対局賞・連勝賞
- 第17回(1989年度) - 最優秀棋士賞・勝率一位賞・最多勝利賞・最多対局賞・連勝賞
- 第19回(1991年度) - 敢闘賞
- 第20回(1992年度) - 最優秀棋士賞・勝率一位賞・最多勝利賞・最多対局賞・連勝賞
- 第21回(1993年度) - 最優秀棋士賞
- 第22回(1994年度) - 最優秀棋士賞・最多勝利賞
- 第23回(1995年度) - 最優秀棋士賞・特別賞・勝率一位賞・最多勝利賞
- 第24回(1996年度) - 最優秀棋士賞
- 第26回(1998年度) - 最優秀棋士賞・最多対局賞
- 第27回(1999年度) - 最優秀棋士賞
- 第28回(2000年度) - 最優秀棋士賞・勝率一位賞・最多勝利賞・最多対局賞・連勝賞
- 第29回(2001年度) - 最優秀棋士賞
- 第30回(2002年度) - 最優秀棋士賞・最多勝利賞・最多対局賞
- 第32回(2004年度) - 最優秀棋士賞・最多勝利賞・最多対局賞
- 第33回(2005年度) - 最優秀棋士賞・最多対局賞・連勝賞
[編集] 記録(歴代1位のもの)
- 最高同時タイトル - 七冠(1996年)
- 最速900勝 - 19年3ヶ月
- 最年少900勝 - 34歳
- 900勝時最高勝率 - .7359
- 最年少竜王 - 19歳(1989年)
- 最年少五冠王 - 22歳(1992年)
- 同一タイトル連続保持 - 15期(王座、1992年-2006年)※継続中
- 王座在位 - 15期
- 棋王位在位 - 13期
- 王位在位 - 12期(タイ記録)
- 竜王位在位 - 6期
- 年度最多対局 - 89局(2000年)
- 年度最多勝利 - 68勝(2000年)
- 年度勝率8割以上 - 3回(1987年(.820)、1988年(.800)、1995年(.836))
- 年度勝数60勝以上 - 4回(1988年(64)、1992年(61)、2000年(68)、2004年(60))
- 獲得賞金・対局料ランキング首位 - 8年連続12回(1993年-1996年、1998年-2005年、なお1997年は2位)
[編集] その他表彰
[編集] 著書
- 「羽生の頭脳」シリーズ(全10巻、日本将棋連盟、ISBN 4819703102ほか)
- 「羽生の法則」シリーズ(1~5巻、日本将棋連盟、ISBN 4819703722ほか)
- 決断力(2005年7月、角川書店、ISBN 4047100080)
- 先を読む頭脳 新潮社 (2006/8/24) ISBN 410301671X
その他多数
[編集] TV出演
- NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 (2006/7/13) 「直感は経験で磨く」
- スカパー!ヒストリーチャンネル『20世紀のファイルから』「棋士列伝」
[編集] 外部リンク
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