西尾維新
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西尾維新(にしお いしん、1981年 - )は、日本の作家。
ミステリーやライトノベルに属する作品を、主に著している。立命館大学中退。
デビュー当時20歳だったことから「京都の二十歳、西尾維新」と呼ばれた。
目次 |
[編集] 概要
2002年に『クビキリサイクル』で、第23回メフィスト賞を弱冠20歳で受賞しデビュー。そこで主人公である《戯言遣い》いーちゃん(本名不明)を主人公とする『戯言シリーズ』で人気を博し、『このライトノベルがすごい!2006』において1位となる。『このライトノベルがすごい!2007』では3位。
笠井潔、森博嗣、京極夏彦、清涼院流水、上遠野浩平らに強い影響を受けたことを文芸誌『ファウスト』で公言している。また、乙一、佐藤友哉、奈須きのこら『メフィスト』や『ファウスト』の若手執筆陣との友流がある。
西尾維新というペンネームは、ローマ字で書くと「NISIOISIN」と回文になっている上、Oを中心に点対称となっている。
趣味は、旅とその行った先で「本屋巡り」をすること。
[編集] 作風
饒舌で疾走感のある軽快な文体と、いたるところに散りばめられた他の小説の引用や、漫画のパロディ(『HELLSING』と『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズからのものが多い)が特徴。ミステリーとライトノベル(キャラクター小説)を融和させた作家として高く評価されている。
アニメやライトノベルなどのステレオタイプ化された「お約束」をふまえたうえで、極端な名前(七々見奈波・ななななみななみ、式岸軋騎・しきぎしきしき、嵯峨埜鵜鷺・さがのうさぎ、病院坂黒猫・びょういんざかくろねこ等々)や、特徴を強調したキャラクターを登場させるのも特徴。
[編集] 作品リスト
[編集] 戯言シリーズ
2005年11月、全9作で完結。イラストレーションは竹。関連作品として『人間シリーズ』がある。全て発行は講談社ノベルス。
- 『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』2002年02月05日、ISBN 4-06-182233-0
- 『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』2002年05月08日、ISBN 4-06-182250-0
- 『クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子』2002年08月05日、ISBN 4-06-182267-5
- 『サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し』2002年11月05日、ISBN 4-06-182283-7
- 『サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄』2002年11月05日、ISBN 4-06-182284-5
- 『ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹』2003年07月、ISBN 4-06-182323-X
- 『ネコソギラジカル(上) 十三階段』2005年02月08日、ISBN 4-06-182393-0
- 『ネコソギラジカル(中) 赤き征裁 vs. 橙なる種』2005年06月07日、ISBN 4-06-182399-X
- 『ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い』2005年11月08日、ISBN 4-0618-2400-7
[編集] 人間シリーズ
戯言シリーズの関連作品。「零崎一賊シリーズ」ともよばれる。イラストレーションは同じく竹。発行は講談社ノベルス。
- 『零崎双識の人間試験』2004年02月06日、ISBN 4-06-182359-0
- 『零崎軋識の人間ノック』2006年11月7日、ISBN 4-06-182509-7
- 講談社の文芸雑誌ファウストVol.3(2004年夏刊行)掲載の『零崎軋識の人間ノック-狙撃手襲来-』、Vol.6 SIDE-A/B(2005年11月・12月刊行)掲載の『零崎軋識の人間ノック2-竹取山決戦前半戦・後半戦-』、書き下ろし作品『零崎軋識の人間ノック3-請負人伝説-』が収録されている。
- 附録としてトレーディングカード『零崎一賊の人間コロシアム』全6種類(零崎人識・零崎双識・零崎軋識・萩原子荻・西条玉藻・哀川潤)が付いている。
- 「零崎曲識の人間人間」が2007年4月より雑誌『メフィスト』で連載予定
[編集] JDCトリビュート
清涼院流水の作品に登場するJDC(日本探偵クラブ)の設定を借りて小説を書く「JDC TRIBUTE」という企画の作品の一つ。ほかに舞城王太郎などもこの企画に参加した。詳しくは、『JDCシリーズ』を参照。
- 『ダブルダウン勘繰郎』講談社ノベルス、2003年3月、ISBN 4-06-182305-1
- イラストレーションはジョージ朝倉。
- 「トリプルプレイ助悪郎」2006年単行本発行予定→延期?
- 『月刊少年シリウス』に連載(既に連載終了)。イラストレーションは鶯。
[編集] 新本格魔法少女りすか
現在、文芸誌『ファウスト』に連載中。イラストレーションは西村キヌ(カプコン)。単行本は講談社ノベルス。
- 『新本格魔法少女りすか』2004年07月17日、ISBN 4-06-182381-7
- 『新本格魔法少女りすか2』2005年03月06日、ISBN 4-06-182432-5
[編集] ノベライズ維新
- 『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』講談社、2006年8月1日、ISBN 4-06-213509-4
- 『週刊ヤングマガジン』にて連載中の漫画『xxxHOLiC』のオリジナルノベライズ。全3話構成(アウターホリック・アンダーホリック・アフターホリック)であり、第1話は6月発売の『コミックファウスト』にて掲載された。イラストは原作者のCLAMPが手がけている。
- 『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』集英社、2006年8月1日、ISBN 4-08-780439-9
- 『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた人気漫画『DEATH NOTE』のオリジナルノベライズ。イラストは原作作画担当の小畑健。同作の登場人物「L」、「南空ナオミ」をメインの登場人物とした作品。西尾維新作品の中で唯一、講談社以外(集英社)から出版されている。
[編集] 『刀語カタナガタリ』シリーズ
講談社BOXより2007年1月から大河ノベルと称し12ヶ月連続刊行予定。イラストレーションは竹。
- 『刀語 第一話 絶刀・鉋』
- 以降12話まで発行予定。タイトル一覧はこちら。http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/taiga_linepu.pdf
[編集] 他
- 『きみとぼくの壊れた世界』講談社ノベルス、発行2003年11月、ISBN 4-06-182342-6
- 講談社発行の雑誌『メフィスト』に掲載された「もんだい編」に書下ろしの「たんてい編」・「かいとう編」・「えんでぃんぐ」を加えたもの。イラストレーションはTAGRO。登場人物の一人「病院坂黒猫」の親戚「病院坂迷路」が登場する続編『不気味で素朴な囲われた世界』が2006年内に発表される予定。ちなみに、西尾は冗談で「不気味で~」を書くと発言していて、当初は書く気が無かったという逸話がある。
- 『ニンギョウがニンギョウ』講談社ノベルス、発行2005年09月06日、ISBN 4-06-182453-8
- 講談社ノベルス史上初の箱入り仕様。『メフィスト』掲載三作に書下ろしを加え単行本化。
- 『化物語 上』講談社BOX、発行2006年11月1日、ISBN 4-06-283602-5
- 講談社の新レーベル「講談社BOX」最初の作品の一つとして出版。『メフィスト』にて掲載された『ひたぎクラブ』『まよいマイマイ』『するがモンキー』を収録。イラストレーションは台湾出身のVOFAN。書き下ろしを収録した下巻が12月に発売予定。
[編集] 単行本未収録作品
- 「明けない夜とさめない夢」――同人誌『タンデムローターの方法論』、2002年11月4日文学フリマ第一回にて発売。
- 「させられ現象」――『ユリイカ』2004年9月増刊号(青土社)、2004年夏
- 「携帯リスナー」「誰にも続かない」――『ファウスト』Vol.4(講談社)、2004年冬
- 「新本格魔法少女りすか 鍵となる存在!!」――『ファウスト』Vol.5(講談社)、2005年春
- 「新本格魔法少女りすか 部外者以外立入禁止!!」――『ファウスト』Vol.6 SIDE-A(講談社)、2005年冬
- 「新本格魔法少女りすか 夢では会わない!!」――『ファウスト』Vol.6 SIDE-B(講談社)、2005年冬
- 「ある果実」――ファンブック『西尾維新クロニクル』、発行2006年春
- 「栄光の仕様」――『戯言シリーズコンプリートBOX』内豆本に収録、2006年9月
[編集] 関連書籍
- 『西尾維新クロニクル』
- 『戯言シリーズ』完結記念に発行されたファンブック。宝島社刊。
- 戯言キャラクター大図鑑・戯言プログラムの進級試験・西尾維新ロングインタビュー・荒木飛呂彦・北山猛邦との対談・四国巡礼の旅・書き下ろし小説『ある果実』(イラスト・日本橋ヨヲコ)等を収録。
- 『ザレゴトディクショナル』
- 約15万字の戯言シリーズ用語辞典。戯言シリーズ執筆秘話・各キャラの裏設定などが西尾本人によって語られている。巻末には竹による4コママンガ・『戯言一番』を掲載。2006年6月6日刊行。
- 『戯言シリーズコンプリートBOX』
- 戯言シリーズ全10冊(辞典含)を収録可能な特製BOX。
- 戯言Tシャツ(フリーサイズ)、戯言ティッシュ、しおり(プラスチック製全5枚セット)、豆本(書き下ろし小説)、戯言ポストカード(全12枚セット)、零崎人識タトゥーシール、タグ(西尾維新氏による直筆サイン&シリアルナンバー入り)がオマケでつく