解析学
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解析学(かいせきがく)とは、変化する量を実数や複素数の関数として扱い、微分や積分を用いて統一的に研究するような数学の一分野のことである。解析学の最も基本的な部分は、微分積分学、または微積分学と呼ばれる。 解析学の二大分野は、微分方程式論と確率論と言われている。
[編集] 歴史
解析学の歴史は、アルキメデスやそれ以前の「取りつくし法」にまでさかのぼれる。彼らの業績は、ある意味で今日の積分の始まりとも呼べるものであろう。
しかし解析学が本格的な発展を遂げ始めたのは、フェルマーやデカルトによって、曲線の接線を考える上で考え出された微分が登場してからである。決定的な業績は、ニュートンによってもたらされた。彼は、微分と積分を統合して、両者がある意味で逆の関係にあることを見抜いた。その後18世紀には、オイラーらによって、解析学は大きな進歩を遂げたが、19世紀に入って、その基盤に疑いの目が向けられるようになり、コーシーやワイエルシュトラウスによって、微積分学の基礎固めが行われた。解析学はその根底を実数の性質においているが、デーデキントやカントールはその実数の性質を深く研究し、実数を特徴付ける条件を見いだした。また、19世紀に入って解析学は本格的に複素数を利用するようになった。コーシーは従来求められていた定積分などが複素変数の関数として扱うことでより簡単に求められることを発見した。さらにその後、ワイエルシュトラスやリーマンによって一変数の複素関数の理論が整えられ、複素関数論は独立した一つの数学として扱われるようになった。