負の整数
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負の整数(ふのせいすう) とは、0以外の自然数 n に対し、加算演算に於ける n の逆元、即ち、n + n' = 0 を満たすような n' の総称である。これを -n と表記する。また、この負の整数全体を、自然数全体(0 を含む)に付加して得られる集合を、整数全体といい、Z で表す。「負の整数」でない整数(つまり自然数)を非負の整数(もしくは非負整数)と呼んだりもする。加えて、情報処理の分野では-0という概念を扱うことがある。
現在の日本の教育制度では中学校一年次に負の数の導入を行い、負の数の概念は実社会でも広く用いられている。 しかし、歴史的には人類が負の数の概念に到達するまでには長い時間が掛かり、数学者に負の数の概念が広く受け入れられたのは近代に入ってからである。(<--fix me. 詳細が分かりません。) 実際、複式簿記は負の数の概念が確立する以前に成立したため、負値を意識することなく金額の減少を扱える仕組みになっている。
[編集] 減算演算
負の整数が導入されたことによって、整数全体には減算演算を導入することが出来る。それは、次の方法による。
- 減算演算は二項演算であり、その演算子として - を用いる。この時、a - b は方程式
- x+b = a
- の解 x とする。
また、この方程式の解は x = a + (-b) と表すことが出来るから(負数の定義より)、a - b = a + (-b) が成り立つ。