金太の大冒険
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金太の大冒険 | ||
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つボイノリオ の シングル | ||
リリース | 1975年8月25日 | |
ジャンル | コミックソング | |
レーベル | エレックレコード | |
つボイノリオ 年表 | ||
本願寺ぶるーす (1971年) |
金太の大冒険 (1975年) |
極付け!お万の方 (1976年) |
金太の大冒険(きんたのだいぼうけん)は、つボイノリオが1975年に発表した、日本語の言葉遊びを題材とするコミックソングである。平易な歌詞と軽快なメロディーが広い世代に親しまれ、つボイノリオの代表的作品と位置づけられている。
目次 |
[編集] 概要
10番までの歌詞から構成される4分38秒の曲である。独特の調子による太鼓のリズムと「金太の大冒険!」の掛け声から始まる。歌詞は主人公である金太と、美しいお姫様をめぐるストーリーとして展開されている。途中にぎなた読みによる高度な修辞技法が織り込まれており、日本語において口に出すことをはばかられるある単語を明確に発音することが特徴である。
従って鑑賞に当たっては、小学校低学年程度の日本語の知識が必要とされる。このことはつボイノリオの他の作品、例えば『吉田松陰物語』を鑑賞するに当たり高度な医学用語や幕末の歴史などに関する知識が要求されることとは、対照的である。この曲を歌唱するためには息継ぎの高度な技術も重要である。
歌詞は岐阜放送ラジオの深夜番組「ヤングスタジオ1430」の「小噺コーナー」の投稿が元になっている。この曲を鑑賞した多くの人は、国語辞典を用いて「ま」で始まる単語を調べるものと思われる。もっとも、それに対する考察は作者自身によって十分に行われており、出演するラジオ番組で、楽曲中にない新たな単語の組み合わせがいくつか披露されている。
また、後に制作された楽曲『飛んでスクランブール』では、曲中で音飛びを意図的に発生させることにより、語順にとらわれない発展的手法が編み出されている。
[編集] 作品のあらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
主人公の金太が歩いていたら、悪人に追われているというお姫様が逃げてきた。お姫様は金太に守って欲しいという。やがて悪人が現れ、喧嘩が弱くて負けが多い金太は身の丈2メートルの悪人と大決戦をすることになる。お姫様が「負けるな!」と応援し、金太が大きな木の周りを回ると悪人は目を回してしまい、その隙を突いて金太とお姫様は逃げ出す。そして、金太はお姫様の美しさに目をパチパチとまたたいた。お腹の空いているのに気がついた二人は、マスカットの木を見つけ、ナイフで切って食べた。満腹になった二人は、安全なマカオに行くことにする。しかし、マカオに行く道中は大変長く、お姫様が「まだぁ」とイライラしつつも、やっとのことで到着する。マカオに着いた二人は、そこにある知り合いのビルを訪問し、お姫様は「わりとましなビルね」と批評する。しかし中には誰もおらず、伝言板に神田さんが金太を待っているとの言付けが書かれていた。
注) このあらすじは、作品の意図する面白さとは全く関係がありません。
[編集] 歴史
- 1975年 エレックレコードより発売
- 1980年代 ユピテルレコードより再発。
- 1993年 3人組の女性ユニットHI-ME(ヒメ)によるシングルCDが発売され、カラオケでこの曲が広く普及するきっかけとなった。HI-MEはこの曲を最後に解散。
- 1996年 シングルCDが発売される。カバーイラストは小林よしのりが担当した。男性の股間を下からのアングルで緻密に描写しており、芸術的価値が非常に高い。なお、このCDを保管する際には、外装の透明な袋も大切に保管しておくことが望ましい。透明袋に貼り付けられたシールによりイラストの主要部分が隠れる構造となっているためである。
- 1996年 アルバム『あっ超ー』に『お子様にも安心してすすめられるバージョン』が収録される。単純に「ま」の部分が動物の鳴き声に置き換えられたのではなく、例えば『割とましなビル』の「ま」は置き換えられていないなど、原曲を可能な限り忠実に再現するための細かい配慮がなされている。
- 2006年 「金太の大冒険」「本願寺ぶるーす」「怪傑黒頭巾」「花のDJ稼業」「極付け!お万の方」のメドレー"KINTA Ma-xim MIX"(キンタ・マ キシム・ミックス)発売。タイトル中の「マキシム」とは「"金"言」を表す英単語であり、トリプルミーニングも意図した巧妙かつ的確な言葉選びが施されている。
- 2006年 アルバム『ジョーズ・ヘタ』復刻CD発売。
[編集] メディアにおける扱い
この曲は発売後20日で民放連で放送禁止となった。しかし、制度として放送禁止指定楽曲(要注意歌謡曲制度)が消滅した現在、この曲が放送される機会は確実に増えている。つボイノリオがメインパーソナリティーを務めるCBCラジオの番組つボイノリオの聞けば聞くほどでは、平日朝の9~10時台にかなりの頻度で放送されている。
また、1993年12月には、岐阜放送のゴールデンタイムのテレビ番組において、HI-MEの歌う金太の大冒険が最後までノーカットで放送された。
[編集] その他
- 発表から現在に至るまで、主に中京地方の中学生・高校生によって、学校の校内放送でこの曲を放送したり、合唱祭の課題曲として推薦したりする試みが幾度となく行われている。しかし、多くの場合には、後に何らかの教育的指導があったと推測され、それを免れたとしても人間関係への影響は避けられないであろう。
- 作者のつボイノリオは、CBCテレビ・ラジオでリポートを行う際、一人称の架空の人物名「坪井 金太」を使うことがある。
- 現在のところ日本語版のみが発表されており、他言語への翻訳の計画は無い様子である。ウィキペディアにおける他言語版項目の作成も極めて困難な状況にある。
[編集] 関連項目
- 下ネタ
- 天海祐希、香取慎吾、稲本潤一…この曲のファンとの情報がある
- 原元美紀…CBCラジオでこの曲が紹介された際、多田しげおの誘導尋問を受ける形で、生放送中に無意識のうちにこの曲の一フレーズを口ずさみ、問題になったことがある。
- 立川談志・談志の遺言2006…TBSラジオのラジオ番組。2006年1月13日放送でフルコーラス放送。
- 竹内靖夫の電リク・ハローパーティー…文化放送のラジオ番組。2006年10月6日放送でフルコーラス放送されたほか、竹内靖夫の電リク番組では毎シーズン流されている。