鋼鉄都市
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『鋼鉄都市』(The Caves of Steel)は、アイザック・アジモフのSF小説。
1953年にアメリカのSF雑誌「ギャラクシー」に連載され、1954年に刊行された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
アジモフ最初のロボット長編であり代表作のひとつ。「ロボット工学三原則」の盲点を突いたSFミステリの傑作として名高い。
また、鋼鉄都市という殻の中に閉じこもっていた人類が再び宇宙に旅立っていこうとするビジョンが描かれている。
続編として『はだかの太陽』『夜明けのロボット』があり、更に『ロボットと帝国』においてアジモフのもう一つの代表作である『ファウンデーション』シリーズとの融合が図られている。
[編集] あらすじ
80億の人々が鋼鉄のドームの下でひしめき合う地球は、かつて宇宙へ植民した人々の子孫であり強大な軍事力とロボットによる豊かな経済を誇るスペーサー(宇宙人)の事実上の支配下にあった。
ニューヨーク市警の刑事イライジャ・ベイリは、友人でもある総監エンタービイからある事件の捜査を命じられる。その事件とは、スペーサーの地球駐在施設スペース・タウン内部において、スペーサーの科学者サートン博士が恐らく外部の者により殺害されたという物であり、捜査の結果如何では地球の運命を左右しかねない重大な事件であった。
スペーサーのヒューマンフォーム・ロボット、R・ダニール・オリヴォーと共に捜査を始めたベイリは、ダニールの驚異的な能力に驚く。時にはダニールをも疑いながら捜査を進め、その過程で地球人類の未来へと想いを馳せるベイリ。
ついに意外な真犯人とその犯行方法が明らかになるが、その時ベイリが地球の未来の為に選んだ決断とは…。
[編集] 補足
中盤に登場する地球の高名なロボット工学者・ジュリゲル博士が、大の飛行機嫌いでワシントンD.C.からニューヨークまで自動歩道(エクスプレス・ウェイ)でやって来たというエピソードがあるが、これはアジモフ自身が大の飛行機嫌いである事に由来している。