陰陽座
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陰陽座(おんみょうざ)は、日本のヘヴィメタルバンド。1999年大阪で結成。
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[編集] 概要
「妖怪ヘヴィメタル」をキャッチフレーズとし、日本語以外の言語を極力排除し(ただし“鎮魂歌”を「レクイエム」、“業”を「カルマ」と唄っている曲はある。)古語を多用した歌詞や、平安装束のような独特のステージ衣装を着用するなど極めて和風なバンドで、この独自性の高いコンセプトはリーダーである瞬火によるもの。
彼らの音楽をもっとも特徴的にしているのが、男女二人によるツインボーカルだ。アン・ウィルソンやアニー・ハズラムに通じる高度な歌唱力と「ゆりかごから墓場まで」と言われるほどの幅広い表現力を持つ黒猫、ベース兼任ながらグレン・ヒューズ風の味のある歌を聴かせる瞬火と、カラーの違う二人の歌唱が絶妙に絡み合う。黒猫の歌唱は、特にヴィブラートの豊かさについて、浜田麻里と比較されることもある。
JUDAS PRIESTやIRON MAIDENのトリビュートアルバム(日本盤のみ)に、唯一の日本人アーティストとして参加した実績が示すように、彼らの音楽の基調となっているのは極めて正統的なヘヴィメタル・サウンドである。そこに和音階を持ち込むという意外性もさることながら、まず楽曲自体の良さがこのバンドの最大の魅力と言える。
彼らが歌う歌詞は妖怪や鬼といったものや山田風太郎の『忍法帖シリーズ』のオマージュである「○○忍法帖」シリーズ、あるいは瞬火らの出身地である愛媛県の方言を取り入れたものなどが中心である。京極夏彦の作品に題材を採った曲もあるが、瞬火がよくテーマとして取り上げるのは手塚治虫の作品が多い。また最近では源義経を題材とした組曲を発表するなど、一貫して日本的なテーマを取り上げている。
2004年5月29日にはロックバンドとしては世界初となる能楽堂(東京・銕仙会能楽研修所)での公演を実現させる。同年9月23日リリースの「組曲「義経」~悪忌判官~」でも世界初能楽堂の舞台においてプロモーションビデオを撮影した。
2005年9月下旬から10月初旬にかけては、初めてのヨーロッパツアーを行い、海外での認知度も上昇しつつある。全体的にライヴ・ツアーに関しては非常に積極的かつ精力的で、陰陽座には結成当時から生粋のライヴ・バンドとしての定評がある。
[編集] メンバー
陰陽座結成以前から黒猫がもともとこの名前を使用していたため、他のメンバーもそれに習い猫にちなんだ名前を名乗っている。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] シングル
- 『桜花ノ理』
- インディーズCD-R・廃盤、初回盤のみボーナストラック収録
- 『月に叢雲花に風』
- TBS系「桂芸能社ポンッ!」エンディングテーマ・毎日放送系「P.S.~Pop Shake」エンディングテーマ
- 『妖花忍法帖』
- テレビ朝日系「ワールドプロレスリング」ファイティングミュージック(エンディングテーマ)
- 『鳳翼天翔』
- テレビ朝日系「ワールドプロレスリング」ファイティングミュージック(エンディングテーマ)
- 『醒』
- 『睡』
- 『組曲「義経」~悪忌判官』
- 『組曲「義経」~夢魔炎上』
- 『組曲「義経」~来世邂逅』
- 初回プレス盤のみボックスケース仕様
- 『甲賀忍法帖』
- UHF系アニメ『バジリスク ~甲賀忍法帖~』(山田風太郎原作)オープニングテーマ
[編集] アルバム
- 『鬼哭転生』(1999年12月5日、1st Album)
- 『百鬼繚乱』(2000年12月24日、2nd Album)
- 『煌神羅刹』(2002年1月10日、3rd Album)
- 『封印廻濫』(2002年7月24日、Mini Album)
- インディーズ時代の楽曲の再録音に新曲二曲を追加
- 『鳳翼麟瞳』(2003年1月22日、4th Album)
- 『鳳翼麟瞳』のリリースに関して、当初は所属レーベルであるキングレコード側からレーベル初のコピーコントロールCD(CCCD)の導入が検討された。これについて瞬火が「新たな時代のスタンダードになるかもしれない手法に対して臆することなく行動を起こそうというその『心意気』を買ってこれを承諾するのだから、万一この施策が途中で頓挫したり、陰陽座だけが『実験台』になって終わったりするようなことがあった場合、即刻通常のCDに戻して発売し直してほしい」という条件を出した上でこれを承諾・契約する。しかし、消費者側からのCCCDに対する各レコード会社への非難は多く、以降キングレコードからCCCDの発売も実現しなかった。(ちなみにCCCDでリリースされた『鳳翼麟瞳』はその障害を物ともせず、それまでの時点で陰陽座としては最高の売り上げを記録)これにより『鳳翼麟瞳』は通常CDが再発売される。当時はレーベルが一方的にアーティストの作品にCCCDを導入していく中において、アーティスト自らがレーベルに立ち向かいCCCDを撤廃させた貴重な一例であると言える。
- 『赤熱演舞』(2003年6月25日、Live Album)
- 『夢幻泡影』(2004年3月3日、5th Album)
- 『臥龍點睛』(2005年6月22日、6th Album)
- 『陰陽珠玉』(2006年2月8日、Best Album[2枚組])
- 初回限定盤のみ「盤之特典」(ボーナスライブCD・CD-EXTRA仕様)付
- 『陰陽雷舞』(2006年6月7日、Live Album[2枚組])
[編集] DVD
- 『百鬼降臨伝』
- 『白光乱舞』
- 『我屍越行』
- 『幽玄霊舞』
- 『珠玉宴舞』
[編集] ラジオ
- 『HOT ROCKIN』(NACK5、毎週土曜21:30 - 22:00 黒猫、瞬火のみ)
[編集] 雑誌
- 『陰陽座 瞬火の”ようかいぽすと”』(ソニー・マガジンズ発刊 RRマガジンUV にて連載中)
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 日本のバンド | ヘヴィメタル・バンド