養老保険
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
養老保険(ようろうほけん)とは、生命保険のうち保障期間を一定に定めたもので、満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる保険をさす。
[編集] 概要
養老保険は、満期時に必ず保険金を支払う必要があることから、保険料の額には保障に関する部分の他、満期保険金支払いのための積み立て(貯蓄)部分が含まれる。仕掛けとしては積立貯金と、年毎に保険金額が減少する逓減定期保険を組み合わせたものといえる。終身保険や定期保険と比較した場合、同一保険金額を確保するための保険料は、最も割高になる。ただし積み立ての部分が存在するため、定期保険が加入時の年齢に応じて保険料が高くなるのに対し、養老保険の場合は一応あるものの、その変化は少ない。
終身保険同様、その保険料額は保険会社が集めた資金の運用による利回り予想である予定利率に左右される。しかし2001年以降の予定利率は過去最低の1.5~1.75%という水準になっており、そのため加入年齢によっては満期時までに支払った保険料総額が満期保険金を下回るという元本割れの現象も生じている。
終身保険が現れるまでは保険会社の主力商品であった。もともとは日本人の平均寿命が50~60歳台と低かったことから、老後の資金を積み立てるとともに、万が一の際の保障を兼ねるという養老保険はメリットの高い商品であったが、平均寿命が延びたことで定年後10~30年間程度続く老後に無保険状態になる欠陥が生じることになり、主役の座を降りた。
定期保険を特約に据えた定期付養老保険も存在する。また終身保険・定期付終身保険・医療保険に、養老保険を特約(ないしは主契約)として付けたものも存在する。
[編集] 一時払い養老保険
養老保険の保険料支払方法には、月・年毎の分割払いと一時払いがある。後者の一時払い養老保険の場合、予定利率が高かったバブル景気時代には、資金運用商品の一つとして用いられていた事があった。