高松琴平電気鉄道長尾線
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長尾線(ながおせん)は、香川県高松市の瓦町駅と香川県さぬき市の長尾駅とを結ぶ高松琴平電気鉄道(ことでん)の鉄道路線である。
終点の長尾駅のすぐ東には四国八十八箇所の長尾寺があり、当寺への参拝路線としての性格を持っていたが、現在は高松の郊外路線である。
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[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):14.6km
- 軌間:1435mm
- 駅数:16駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流1500V電化)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 車両基地:仏生山工場
- 最大連結車両数:2両(大型車使用時)3両(その他の小型車)
- 但し、仏生山検車区(仏生山工場)~瓦町駅間の長尾線車両回送列車は最大で4両編成である。琴平線の線路規格が高く、かつ長尾線車両も4両編成に対応しているため。
[編集] 運行形態
全て普通列車で、ほとんどの列車が琴平線(築港線)瓦町~高松築港に乗り入れる。昼間時間帯で20分間隔で運転されている。
なお、築港線区間のみを走る列車も、長尾線の車両を使用するため、長尾線扱いとなる。
回送も含めた全列車に車掌が乗務し、精算や車内補充券(パンチによる穴あけ式)の発売、IruCaへチャージ、無人駅での集札、車内放送などを行う。
[編集] 歴史
- 1912年(明治45年)4月30日 高松電気軌道が出晴(現在の瓦町駅志度線口付近)~長尾間を開業。軌間1067mm。
- 1912年(明治45年)7月21日 高松電気軌道が長尾~白鳥本町間の長尾線延長を計画。営業免許取得。
- 1915年(大正4年)
- 井戸駅(現在の公文明駅)を井戸川駅に改称。
- 長尾西駅が廃止される。
- 1916年(大正5年)4月24日長尾~白鳥本町間延長線営業免許失効。計画白紙撤回。
- 1934年(昭和9年) 林道駅(旧駅)、東前田駅、妙徳寺駅が廃止される。
- 1943年(昭和18年) 山崎駅が廃止される。
- 1943年(昭和18年)11月1日 讃岐電鉄・琴平電鉄・高松電気軌道が合併し高松琴平電気鉄道発足。
- 1945年(昭和20年)2月1日 出晴~長尾間を軌道法による軌道から地方鉄道法による鉄道に変更。
- 1945年(昭和20年)6月2日 出晴~高田間の軌間を1435mmに改軌。
- 1945年(昭和20年)6月26日 高田~長尾間の軌間を1435mmに改軌。(高松)市内線に乗り入れ開始。
- 1945年(昭和20年)7月4日 戦災のため市内線が不通となり、乗り入れを中止。
- 1945年(昭和20年)7月30日 空襲で焼失した出晴駅を廃止し、琴平線琴電高松駅(現在の瓦町駅)に統合。
- 1947年(昭和22年)7月25日 真行寺駅(現在の井戸駅)開業。
- 1948年(昭和23年)11月 鹿伏駅が廃止される。
- 1950年(昭和25年)4月10日 田中道駅を農大前駅に改称。
- 1951年(昭和26年)3月1日
- 真行寺駅を井戸駅に改称。
- 井戸川駅が廃止される。
- 1951年(昭和26年)12月26日 琴電高松~花園間の経路を変更。
- 1952年(昭和27年)9月30日 公文明駅開業。
- 1954年(昭和29年)1月1日 琴電高松駅を瓦町駅に改称。
- 1954年(昭和29年)8月1日
- 花園信号場が駅に昇格し、花園駅として開業。御坊川駅廃止。
- 林道駅(現駅)開業。木太西口駅廃止。
- 1958年(昭和33年)2月1日 農大前駅を農学部前駅に改称。
- 1969年(昭和44年)5月5日 川島口駅が廃止される。
- 1976年(昭和51年)12月23日 全線の架線電圧を600Vから1500Vに昇圧。
- 1977年(昭和52年)12月10日 ATS設置。
- 1978年(昭和53年)11月3日 平木~白山間の鹿伏中央踏切(現在の学園通り駅付近)で長尾発瓦町行2両編成の上り電車がダンプカーと衝突して脱線、線路北側の水田に転落。電車運転士とダンプ運転士の2名死亡、乗客2名が重傷。ことでん史上唯一、乗務員に死者が出た事故。事故の詳細は琴電の事故を参照。
- 1994年(平成6年)6月26日 瓦町駅改良工事着手に伴い分断された志度線に代わり、高松築港直通開始。
- 1996年(平成8年)12月21日 瓦町新駅舎完成。
- 2002年(平成14年)9月28日 学園通り駅開業。三木町の強い要請による。
- 2004~2005年(平成16~17年) 大型車入線に向けての線路・駅ホーム改良。
- 2006年(平成18年)7月3日 大型車の投入開始。1200形が2編成導入される。
[編集] 駅一覧と接続路線
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
瓦町駅 | 0.0 | 高松琴平電気鉄道:琴平線・志度線 | 香川県 | 高松市 |
花園駅 | 0.9 | |||
林道駅 | 2.7 | |||
木太東口駅 | 3.4 | |||
元山駅 | 4.5 | |||
水田駅 | 5.8 | |||
西前田駅 | 7.2 | |||
高田駅 | 8.3 | |||
池戸駅 | 9.6 | 木田郡三木町 | ||
農学部前駅 | 10.4 | |||
平木駅 | 10.9 | |||
学園通り駅 | 11.5 | |||
白山駅 | 12.8 | |||
井戸駅 | 13.3 | |||
公文明駅 | 13.9 | |||
長尾駅 | 14.6 | さぬき市 |
[編集] 大型車乗り入れまでの経緯
鉄道線としてスタートした琴平線に対し、長尾線・志度線は、開業時に2軸電車を使用した軌道線として設計されたため橋梁の重量制限とカーブの制限が厳しかった。
終戦直後の路線改良で16m級車両まで入線できるようになり、1960年代には16m級車3両編成での運転が可能になったものの、1983年に17m級車(860形・880形・890形)を入線させた際には、重量を30t未満に抑えるために制御車化せざるを得ず、それ以上の大きさの車両は入線することができなかった。その為、大手私鉄から小型車が淘汰された1980年頃を境に、車両の代替が滞る。その後も何度か車両調達を試みたものの、車両の大きさや廃車時期の不一致で全て破談となった。
結局、1998年より名古屋市営地下鉄の車両を導入することで、代替が一気に進んだ。しかし、種車が確保できず長尾・志度両線の運用が全車両を置きかえるまでには至らなかった。
そこで、2003年に長尾線を琴平線と同じ18m級車の入線が可能なように改良する案が持ちあがった。 まず、橋梁に関しては平木以遠に未改良のものが2箇所存在していた。このため2004年4月に3000形の2連にレールを積み込んだ試験列車を走らせて確認を行った。 結果、問題がなかったため、この計画は大きく推進されることになる。
一方、急曲線に関しては水田~西前田にある吉田川橋梁前後は、既に橋梁の架け替えと同時に改良を行うことが具体化していたので問題はなかった。 また、駅構内が急曲線上に存在する、木太東口駅に関しては、ホームの改築と路線位置を多少ずらすことになった。 他の駅でもホームを削る工事が実施され、在来車輌はステップを取りつけられた。
2006年7月、長尾線用1200形2編成が投入され、大型車の運行が開始された。 今後、長尾線に更に6輌の18m級車を投入し完全冷房車化を達成する。 また、1両あたりの定員増加に伴い、長尾線は18m級車に限りラッシュ時の増結を廃止、更に予備車を琴平線と共用することで、保有車両数の削減も行われる予定である。 これにより余剰になった冷房つき小型車の一部は志度線に転属し、同線の旧型車も順次淘汰される。