1CD Linux
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1CD Linux(ワンシーディー リナックス)とは1枚のコンパクトディスクからLinuxを起動するシステムのこと。コンピュータの電源を投入した直後に光学ドライブにLinuxの入ったCDを挿入して起動する。
一般的にオペレーティングシステムを利用可能な状態にするにはハードディスクドライブへインストールする作業を要するが、1CD LinuxではLinuxがそのまま利用できる状態でCDに記録されており、インストールを行う必要がないため、ハードディスクドライブが故障するなどの問題が生じても、光学ドライブが利用できれば1CD Linuxも利用できる。当然、コンピュータを利用するに必要不可欠な装置(マザーボード、CPU、メインメモリなど)が故障していれば起動することはできない。
昨今ではUSBデバイスからのブートが可能なコンピュータと、大容量かつ起動可能なUSBフラッシュメモリの登場により、フラッシュメモリからLinuxを起動することもできる。
目次 |
[編集] 特徴
1CD Linuxでは通常のLinuxでできることのほとんどができると言える。ただし、CPU性能やメモリー量による問題は避けられず、特にCDからすべてを読み出すため、各ソフトの起動には時間がかかり、頻繁に大きなソフトを動かすのには向かない。
前述したようにハードディスク上のオペレーティングシステムが起動しなくなった場合などに、緊急用に利用することもできる。ただし、Linux系OSではNTFS領域の書き込みが制限されるため、データのバックアップ目的には、別途FAT32などによるHDDなどが必要となる。
また、Linuxディストリビューションの幾つかはインストールディスクを用いて復旧やメンテナンス用の起動を行うことができるが、これらはあくまで緊急用であり、CDでLinuxを動かすことを主目的としていない。
[編集] 低スペックPCでの考慮点
1CD LinuxはRAMディスクを利用することからも、メモリー消費量の問題が生じやすい。また、前述したようにCDドライブの速度も必ずシステムの足を引っ張る。KNOPPIX、Berry、MEPIS等のフルセットの1CD Linuxよりも、GUI環境をチープに抑えた1CD Linuxのほうが、結果的には快適に利用できることがある。
KNOPPIX-RWやDamn Small Linuxでは軽いGUI環境となっている。
X Window Systemを利用しない環境を構築したり、Xの上で動くウィンドウマネージャやデスクトップ環境を選択することによって、同程度のアプリケーションを、より軽い環境で利用できるのは、Linux等が持つ重要な利点の一つである。
[編集] いろいろな1CD Linux
- KNOPPIX, KNOPPIX-RW
- Berry Linux
- Simply MEPIS
- Damn Small Linux(DSL)
- GeeXboX
- Dynebolic
- Hikarunix
- 巫女 GNYO/Linux
- SLAX
- Darik's Boot and Nuke
- KANOTIX
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: コンピュータ関連のスタブ項目 | Linux | LiveCD