Warez
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Warez(ウェアーズ、ワレズ)とはインターネットなどを用いて非合法に配布・販売されている商用ソフトウェアのこと、あるいは非合法な方法でソフトウェアなどをやりとりする行為の総称である。かつてはWarez行為を行う者は「ワレザー(Warezer)」と呼ばれていた。日本においてWarezが配布されているところは主にWinnyなどのファイル共有ソフトであり、その行為をする利用者も「ワレザー」と呼ばれることがある。(2ちゃんねるなどでは「割れ厨」と呼ばれることが多い)
なお本項では、コピーソフトの問題に関しても記述する。
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[編集] 概要
これらのソフトウェアは著作権を侵害しているために、配布は元より利用に関しても法的に罰せられる可能性を含んでいる。さらには、コンピュータウイルスに汚染されていたり、悪意あるクラッカー等が不正なソフトウェアを混入して配布しているケースも存在しており、利用は全般的に勧められない。
- 読み方
- "Warez"の読み方については、"Software"の"ware"に複数形の"s"を変化させた"z"をつけたもので、本来は「ウェアーズ」と読むのが正しい。ただ、日本ではローマ字読み(読み間違えの説も)で「ワレズ」とされることが多い。
- また、インターネット掲示板などでは「割れず」、「割れ物」、「割れ」、「W@rez」、などの表記が用いられる場合がある。これは同時にクラッキングにも掛け合わされていると考えられる。
- ファイルのやり取り
- 日本では目立たぬように行われているが、海外においては半ば公然とやり取りをしているサイトも多い。
[編集] 主な手法
Warezは、商用ソフトウェアの有料化以前の段階における機能制限などを解除し、利用料金を支払ったことと等価の状態を得ることであり、その手法にはいくつかの種類が存在する。
- シリアルの不正入手
- 利用料金を支払ったことを証明するパスワード(シリアル)を不正に入手することで利用料金の支払を回避する方法(Serialzなどと呼ばれる)。特定のアルゴリズムをもって機械的に生成するシリアルに関して、そういったアルゴリズムを解析・入手し、シリアルの生成を再現するものも含む。
- プログラムの改変
- プログラムを直接改変することで利用料金支払に関するプロセスを破壊し、無力化する方法。そうして改変されたプログラムの多くが、インターネットを通じたコピーの対象になっている。
- コンシューマゲーム機
- ゲーム機のソフトウェアでは、特定の機器などを通じてPC上で用いるためのデータに変換する手法が採られる。特に旧世代のゲーム・ソフト(ファミコン・ゲームボーイなど)は容量が小さい上プロテクトなども存在せず、コピーされたゲームソフトが大量に流通している。
[編集] コピーソフトの歴史
この問題は歴史が長く、日本では1970年代後半から1980年代の8bitパソコンの時代(特に8bit御三家全盛期)より、ソフトウェアの不正なコピーを行うケースが見られた。背景としては、当時の8bitパソコンは家庭用ゲーム機に比べ所持する年齢層が高いこともあり、「マニア」と呼ばれる技術分野に関心度の高いユーザーの占める比率が高かったことや、パソコンそれ自身で開発環境も併せ持つことからリバースエンジニアリングが比較的容易であったことなどが考えられる。
また、ソフトウェア媒体をレンタルする「レンタルソフト屋」なる商売も存在していたが、コピーツールのようなソフトウェアを同一の店頭で販売するような有様であって、総じて著作権侵害に関する意識は低かった。さらには、取り締まりを行なう業界団体も当時はまだ存在しなかった。
プロテクトに関しては、この当時のソフトウェア媒体が書き込みに特別な装置を必要としないフロッピーディスクやカセットテープといったものに依存しており、カセットテープで供給されていたソフトでは、基本的には音楽再生用(家電)のカセットデッキでのダビングにより簡単に複製が可能であった。
フロッピーディスクのソフトでは、一部に特殊なフォーマットを施しておき、そこが再現されているかどうかをチェックしていた。しかし当初はこのプロテクト措置もソフトウェア上で工夫すれば簡単に再現できるようなものが多く、更にはこれを実現するための「コピーツール(パックアップツール)」と呼ばれるソフトが出回るようになった。それにつれ、ソフトウェアの側では段々とパソコン本体だけでは再現できないフォーマットを用いるようになり、コピーツールの側も再現するための拡張ハードを用意するなど、イタチごっこの様を呈するようになる。
最終的にコピーツール側は、ファイラーと呼ばれる、ディスクを書き換えてプロテクトをチェックするコードを外すためのパッチ集に落ち着いた。対してプロテクトを掛ける側は、プログラムコードの暗号化や、プロテクトが外れていなくても一見正常動作しているように見せる「後チェック」、特殊な装置(ドングル)を本体に付けさせるハードプロテクト、説明書や付属品にある情報を入力しないとインストールなどで先に進めなくするマニュアルプロテクトなどで対抗したが、どれも効果は薄く、ソフトが発売されて一ヶ月以内にはパッチが出回っているという状態であった。
この当時、ライセンスという考え方はまだ浸透していなかった。ソフトウェアのコピーは、人の集まる学校のサークルなどで行われ、またコピーを商売とした「コピー屋」も存在した。個人でのコピーは、破損に対する備えの「バックアップ用途」、サークルでは「共同購入」という大義名分が存在したが、それを商売にすることは明らかな著作権侵害で、実際に警察に摘発されたコピー屋も存在する。ソフトの貸し出しを商売にする「レンタル屋」についても、著作権侵害の追及の手が入った。しかしコピーツール自体は取り締まられず、摘発してもあまり効果はなかった。またアマチュアの作ったコピーツールを積極的に公開する雑誌も存在した。
ロイヤルティこそないものの、市場規模の小さいパソコンの分野においては、コピーツールの存在がソフトの設定価格にも響くことになった。主に小遣いの少ない学生がコピーソフトを入手して周囲にばらまき、結果ソフトの売り上げ本数が伸びず供給価格が下がらない(または高くなる)、という悪循環が生じていた。
またこの当時では、ゲームソフトを厳密かつ公平に評価するメディアも少なかったために、新作ソフトの出来がいいかどうかは購入するまでは判らない、という事情もあった。一部のユーザーからは「ソフトの価格が高すぎる」「高いからコピーが流行る」という反論混じりの非難も起きた。8ビット末期、新作ソフトがフロッピー3~5枚で定価が5,000円~15,000円(大抵は1万円弱で、大作では簡単に1万円を超えた)程度であったのに対して、新品の2D・5.25インチフロッピーディスクが、ノーブランドと呼ばれる粗悪品なら10枚100円程度で入手できた事も、マニアをコピーに走らせた要因に挙げられよう。
8ビット時代のこれらの苦い経験が16/32ビット時代になってからの、著作権法の改正や社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS) の設立、有力ソフトハウスのコンシューマ機への移行、パソコンでの(開発費が少なくて売り上げが大きい)アダルトゲームの増加などに繋がっていった。また新機種で発売されるメディアのCD-ROM化にも影響を与えた。
[編集] 最近の変化
かつてP2P通信がもたらされる以前は、FTPなどでアップロードされたものやWAREZ行為を目的として公開されたホームページから直接、あるいはダウンロード用ツール(古くはGetRightやIriaなど)を駆使しマニアが密かにダウンロードするのが主な方式であったが、日本国内外のフリーサーバの管理が厳しくなるにつれ、Warezサイトが公開されそのサイトから違法にファイルがダウンロードされるようになる→ホームページが削除される→URLを変え再アップロード・再び公開、が繰り返されるイタチごっこの状態だった。そのなかで日本国内においても著作権法違反でWarezサイトの公開者が逮捕されることも少なくなかった。 やがて"Napster"の開発によって不特定多数と大量のデータをやり取りするP2Pが可能になったため、FTPでのダウンロードは衰退した(現在でも、海外のサイトでは大々的に行われている場合も少なくない)。またその他に、インターネット上では直接ソフトウェアのやり取りは行わず、連絡のみを行って、直接会ってCD-RやHDDに保存したソフトウェアを交換する等といった方法(オフライン交換)も用いられていた。
また、かつてはコピー防止のために物理的な装置の装着を要求するハードウェアプロテクト(ドングル)もあり、商用ソフトウェアに用いられてきたものの、そのいずれもが突破・迂回・破壊などをされてしまったため、現在では複雑なプロテクトはコスト面からもあまり利用されない傾向にある。その一方でメーカー側が法的手段に訴えるケースは増大、不正に1マシン向けインストールパッケージを複数マシンに使用していた企業が訴えられ多額の違約金を請求された事件も報じられている。
最近では、ソフトウェアの使用に際しアクティベーション(ライセンス認証)を求める方法が確立され、マイクロソフト社のOS、Windows XPなどに採用された。だがアクティベーション自体を破壊してしまうものなど改変ソフトも出回りソフトウェアのコピーを根絶するには至っておらず、未だにイタチごっこの状態が続いている。
[編集] 関連項目
- WinMX
- Winny
- コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS)
- コピーガード
[編集] 外部リンク
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